フォワーダー

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コンテナを満載し海を行くコンテナ船

フォワーダー: Forwarder)、貨物フォワーダー: Freight forwarder)とは、貨物利用運送事業者のことであり、荷主から貨物を預かり、他の業者の運送手段(船舶、航空、鉄道、貨物自動車など)を利用し運送を引き受ける事業者を指す。一般的には貨物利用運送事業者のうち国際輸送を取扱う業者を指す。フォワーダーというのは、それ自体は運送を直接的には行なわない業者であり(運送は他の業者が行う)、いわば物流網のエキスパートという役割を担っている業者である。

航空輸送を得意とする業者をエア・フレイト・フォワーダー(フォワーダー)、海上輸送を得意とする業者をNVOCC(非船舶運航業者、Non-Vessel Operating Common Carrierの略、NVと略されることもある)と呼ぶこともある。

世界各国

欧州
  • DHL[1](もともと航空機を特に得意としているが、船舶も守備範囲とするようになり、どちらも大規模に行っているフォワーダー)
  • キューネ・アンド・ナーゲル[1](世界100カ国以上の地域で、海上・航空輸送を中心としたロジスティクスソリューションを提供するフォワーダー企業。スイス・シュヴィーツ州に本社を置いている。)
  • DSV[1](陸海空のロジスティクスサービスを提供する、世界有数の規模を持つ物流会社。デンマーク・コペンハーゲン近郊に本社を置く)
  • DBシェンカー[1](元はドイツの鉄道貨物主体の企業であったがその後陸運・海運にも事業を拡大し、現在では従業員数8万8000人を越す欧州最大の物流会社となっている。)
欧州から離脱したイギリス
アメリカ合衆国

荷物をアメリカから、あるいはアメリカへと運ぶ業者は、米国のen:Federal Maritime Commissionからen:Ocean transportation intermediaryのライセンスを得なければならない。Ocean transportation intermediaryには、ocean freight forwarder(海上貨物フォワーダー)と non-vessel-operating common carrier(NVOCC)がある。 ocean freight forwarderは、米国からの貨物を一般運送業者を介して発送したり、荷送人に代わってそれらの貨物用のスペースを予約したり手配する、米国内の個人または企業、と定義されている[2]。ocean freight forwarderは、貨物関連の文書の作成および事務処理を行う。 一方、NVOCCのほうは「海上輸送を提供するために、一般に向けて、独自の船荷証券または同等の文書を発行するが、貨物を輸送する船舶を運航しない運送業者」 または「貨物の移動に関与する船舶運航の一般運送業者と関係のある荷送人」と定義されている[2]

日本国内

荷物を送りたい顧客は、用途ごとに 船舶/航空機 を使い分けることを望んでいるので、ほとんどのフォワーダーが現在は航空、海上双方のサービスを取り扱っている。

日系のフォワーダーも利用でき、世界の大手フォワーダーの日本支店も利用できる。

NVOCC

船会社の代理店業務から多種な業務に派生し、現在に至っている。大手としては日本通運近鉄エクスプレスなど。

エア・フレイト・フォワーダー(フォワーダー)

日本では利用航空運送事業者(CONSOLIDATOR)、航空貨物混載業者などの名称で呼ばれる。航空会社の貨物代理店業務を本来の趣旨として発足。不特定多数の荷主から集めた貨物を集約し、同一空港宛の貨物をまとめて航空会社と輸送契約を結ぶ。航空会社からはスケールメリットを活かした輸送運賃を仕入れることができる。また、個別荷主の実重量容積重量を組み合わせることで混載差益を発生させることができる。現在では通関業務、集配送業務、倉庫業務なども行っている。日系大手としては、日本通運日通航空)、近鉄エクスプレス郵船ロジスティクスで50%近い業界シェアを占めている。

脚注

  1. ^ a b c d e Armstrong and Associates, A&A’s Top 25 Global Freight Forwarders List
  2. ^ a b Ocean Transportation Intermediaries”. Federal Maritime Commission. U.S. Government. 2016年4月20日閲覧。

関連項目

外部リンク