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ピカティニー・レール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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Steyr HS50のピカティニー・レール

ピカティニー・レール(Picatinny rail)とは、小火器用の規格化・システム化されたオプション取り付け台である。

光学スコープ、特殊スコープ、タクティカルライトなど、増え続ける小火器の付属品に対応するため、アメリカ陸軍ピカティニー・アーセナル兵器製造所が標準化を提案した。

MIL規格番号はMIL-STD-1913である。NATOではSTANAGSTANAG 2324として規格化されている。

また本来の発音により近づけたかたちでピクティニー・レイルと記述される場合もある。

概要

M4A1とアクセサリー。左下にあるのはレール保護用カバー
2009年に承認されたNATOアクセサリー・レール(STANAG4694)

このレールは通常、火器の機関部の真上に直接設置され、標準的には通常の後部照準(リアサイト)が取り付けられる。広いTの字型に横溝切りで成形され、スコープ類は普通、このレールの上の前後どちらかの端に固定される。

絶対条件として、このレールは常に安定した固定台であることを要求される。たとえ銃に温度差が加えられたり、多少の衝撃で変形することはあってはならない。特に銃という道具の利用シチュエーションからして灼熱の砂漠から寒冷地帯、多湿、乾燥など、少なくとも地球上に存在し得る様々な場所で利用される可能性があるので、環境への影響を最小限にしか受けない構造・素材であることが求められる。この理由から、ピカティニー・レールは横溝切りになっており、熱に左右されるとしても縦方向に拡大収縮する遊びが与えられている。

当初はスコープのみの使用であり、レールは大口径の重火器に取り付けられた。暗視スコープの使用が増えてくると、より小さなアサルトライフルへの取り付けが始まり、現在では既存の固定式照準器に変わり、標準出荷状態の非光学式照準器もレールに取り付けるようになってきている。

このレールシステムが一般的になってくると、フラッシュライトなど、他のアクセサリの取り付けにも応用が始まった。この簡便さは連鎖的に応用を呼び、色々な後付け部品がピカティニー・レール対応で設計されている。例としては、バイポッド(二脚)、フロントグリップ、レーザーサイトなどである。

このシステムからの派生品として、「スモール・レール」が提供されつつある。銃の色々な場所に取り付けることができる短いレールで、いくつかのケースでは、銃の両側面に取り付けられる。スモール・レールは、散弾銃拳銃に応用が始まっている。

関連項目

外部リンク