データログ
データログ (英: Data log, データ記録、資料記録、履歴) とは、通常時系列の順序性のあるデータを指し、「(データ)ロギング」は「データログを取ること」を指す。
なお、ログはその全てが過去のものなので、「過去ログ」(=過去履歴)という言葉は正確には冗語である。
語源
ログは「航海日誌」 (logbook) を語源とする用語であり、動詞として使う場合は「航海日誌に記録する(航海記録を取る)」という意味であり、1820年代ごろに生まれたとされている。航海日誌を logbook と呼ぶようになったのは、船の速度を測るのに丸太 (log) に一定間隔に結び目のある縄を括り付けて浮かべたことに由来する(ノット参照)。電子用語でログという言葉が使われるようになったのは1963年ごろで、データ処理におけるイベントを体系的に記録することを指した。
コンピュータのデータログ
コンピュータにおけるデータログでは、障害などが発生したとき、何が起きたのかを説明できるようにするためにプログラムが自動的にある範囲のイベントを記録する。
記録機能を持つシステムの例として、工場などのプロセス制御システムや航空機のブラックボックスなどがある。
多くの OS やプログラムには何らかの記録機能が備わっている。OSによっては Syslog (RFC 3164) が採用されており、個々のアプリケーションが独自の記録機能を持つのではなく、分離されたサブシステムでログメッセージの記録やフィルタリングが可能となっている。
記録された内容はそれだけでは分かりにくいことが多く、その意味を理解するために解析が必要となる。例えば、ウェブサイトでは様々なもの記録されるが、そこから人間にとって分かり易い情報(そのサイトへの訪問者数、アクセスに訪れる頻度、訪問者の使っている環境、ボットか人間かなど)を取り出すソフトウェアとしてウェブログ解析ソフトウェアがある。
複数のログファイルを時系列に従って統合することも有益な場合がある。例えば、複数の無関係と思われるイベントについて、複数のサーバ上のログを統合することで関係が分かる場合もある。
ブログ
元来ウェブサイトのログを記録するという語義で出てきたブログ (web log) は、自動的にログを記録するという内容から、むしろ、人が個人の発言や写真を日記的に記録するという意味で使われるようになった。
自動車のデータログ
自動車の性能特性は診断ポートを通して監視することができる (OBD-II など)。これにデータロガーと呼ばれる専用装置や PDA、ノートパソコンを接続してデータログを記録し、解析することができる。これは主にモータースポーツ用に改造された自動車で使われ、ログ解析結果を元に車載コンピュータの設定を変更してチューニングするといった使い方がされる。実際本来は、診断ポートは自動車修理の際の故障診断のために用意されている。
関連項目
参考文献
外部リンク
- Beobachter - オープンソースのログファイル監視ソフトウェア
- Logtext - フリーなロギングユーティリティ(Windows)
- Pantheios - C++用ロギングライブラリー
- Mango M2M - データロギング・監視・デバイス制御のためのオープンソースソフトウェア
- A free PHP script for logging website access