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ジャンク品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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ジャンク品英語:Junk)とは、自動車オートバイ音響機器楽器カメラ家電製品コンピュータ通信機器・軍用品・玩具・ゲーム・ラジコンモデル等において、そのまま使える見込みがないほど故障・損耗して、製品としての利用価値を失っているが、一般的には有用な構成部品を取り出して再利用できそうな物品のことを指す。ジャンクジャンクパーツと呼ぶこともある。年式があまりにも古いなどで商品価値が極めて低く大した利益が見込めない商品は買取後に動作チェックをせずにジャンクコーナーに並べられている場合がある。

また、これらを主に扱っている店を俗に「ジャンク屋」、あるいは「ジャンク店」、「ジャンクショップ」などと呼ぶ。特に自動車・オートバイの分野においては、解体屋スクラップ工場が実質的な販売窓口になることが多いため、「スクラップ屋」「ポンコツ屋」「もぎ取り屋」と呼ぶ場合もある。

概要

ジャンク品は廃棄物の一形態である。ただし、ジャンク品と呼ぶ場合は完全な廃棄物と異なり、有用な部品を取り出してで再利用できる見込みのあるものとして考えられている。再利用の方法は様々だが、下に示す例などを参考に、適切に取り扱えば掘り出し物の宝の山というニュアンスで使われている。

ジャンク品を積極的・意欲的に探求する行為を「ジャンク漁り(じゃんくあさり)」と呼ぶことがある。

また、ジャンク漁りと似たような意味で、「ジャンク屋巡り(じゃんくやめぐり)」という語句も使われている。この2者を明確に分ける定義は存在しないが、前者はジャンク品として販売されている物を求めるにとどまらず、廃棄物からの部品回収など、使える手段を最大限にとって行動することを含むのに対し、後者はあくまで販売されているジャンク品を求めて様々な場所に赴く行為を指す。

エナー」という呼称もあるが、主にPCパーツのジャンク品を漁る者のみを指して使う言葉とされる[1]
なお、パソコン領域におけるジャンク品についての詳細はジャンク品 (パーソナルコンピュータ)を参照されたい。

ジャンク品の使い道

部品取り用
古い音響機器や電子楽器が故障した場合、現在では生産されていない素子が用いられていることが多く、ジャンク品から部品を取り出してまかなう。
自動車の場合、ターボチャージャーショックアブソーバーカーオーディオなどは廃車のものであっても個別のパーツとして再利用できる見込みがある。
実用品の製造
特に戦後 - 高度成長期には、電子部品は非常に高価だったため、米軍放出ジャンクなどを使って新たな無線機を組み立てることも行われた。今日では出来合いの品を購入して使うだけだが、このようにジャンク品から新たな実用品を製造する過程においては、様々な知識や技術が身に付くため「無価値」とされたジャンク品が「宝物」としてよみがえった。
実験用・撮影用
家電製品などで、間違った使い方を行うとどのような危険が起きるかを知らせるかというような、生活情報を発信する目的で使用する場合
映像作品において乱闘シーンや爆破シーンなど、破壊を前提とした場面を撮影する場合
転用する
もと軍用品の弾薬入れをバイクに取り付けて荷物入れにする
パソコンや通信機器のジャンク品を幼児のおもちゃにする
ピストンエンジンのヘッドカバーを灰皿や小物入れにする
ジャンク品を集めて工芸品・芸術作品を作る(ジャンク・アート
プラモデルなど模型の部品をストックしておき、改造あるいはスクラッチビルドを行う際の材料として用いる
修理して使う、もしくは性能の悪さを受認してそのまま使う
修理することで再利用できる品がジャンク品として出回っていることがある。特に音響機器や楽器に関しては古くても価値の高いものが存在し、新しい製品で得られない使用感のためにジャンク品の機器を購入し、多額の修理費を投じたり自分で一つ一つ修理して実用品のレベルに戻すという使い方がある。
実用品としてそのまま使う
単なる中古品や新品が、何らかの事情によりジャンク品として格安で販売されている場合があり、そのまま実用品として使うことが出来る。一般のジャンク品と外見上は区別ができない。購入後に動作確認してはじめて区別が出来る。
観賞用・学習用・研究用
楽器・カメラ・軍用品・鉄道車両のジャンク品はインテリアとして室内や店舗などに飾ることができる。
自動車やコンピュータのジャンク品は解剖して内部の構造を知ることができる
既に生産されていない電子部品を解析して互換品または相当品を作ることができる。
ソフトウェアエミュレーターなどを作成するにあたって公開されていない仕様を調べることができる。

ジャンク品の利用にあたっての注意

ジャンク品を販売する側としては、「まともに使えない」ことを条件としているため、ある程度形の整っているものであっても、正常に動かない。また、一つのジャンク品の中に含まれる個々の部品類についても同様であり、ジャンク品から回収した部品を用いてトラブルが起こることもある。

ジャンク品には説明書や回路図、取付方法などの情報は提供されない(が、ジャンク店側で独自にそれらを解析し、データ付きとして売っている場合もある)。

再廃棄の問題

部品回収を意図して入手したひとまとまりのジャンク品から、お目当ての部品を取り出した残りは実に無価値なものとなり再廃棄されてしまう(当然、再利用できる部品は場合によって売却でき、販売されることもある)。特に自動車やパソコンの場合はリサイクルに関する制度が設けられており、部品取りした後の自動車やパソコンにも適用される。だが、必ずしも部品を取った人がきちんと遵守し、費用を負担しリサイクルにまわすとは考えにくい。ジャンク品として流通する物品は概して処理しにくいものであり、それゆえに不法な、環境を害する形での再廃棄が行われる場合もある。

脚注

  1. ^ アキバワード エナー【えなー】 古田雄介&ITmedia アキバ取材班

関連項目