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シャンデリア

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シャンデリア

シャンデリアchandelier)とは灯火を支持するための2本以上の腕木を有し、天井からつり下げられた照明器具である。現代のシャンデリアはしばしば非常に装飾的で、多くの光源とその光を複雑で魅力的なパターンで散乱させるためのカットされたガラスが多数配列されていることが多い。

歴史

ロウソクによるシャンデリア
(ドイツ・リンダーホーフ城
ロンドンヴィクトリア&アルバート美術館にあるシャンデリア

中世における初期のシャンデリアは教会修道院で大きなホールを効果的に照らすために用いられた。それらは一般的に木製の十字架型をしておりいくつもの犬釘が埋め込まれ、それにロウソクが立てられるようになっていた。これらの全体が天井の留め金やフックからロープで適当な高さに吊り下げられていた。

15世紀以降、リング型あるいは王冠型だったシャンデリアの形はより複雑になっていき、装飾的なものが一般的になっていった。これらの装飾的なシャンデリアは宮殿や社会の富裕層の家に置かれていた。

ステータスシンボルとしてのシャンデリアの人気は長く続き、18世紀初期までに真鍮で造られた装飾的で長くカーブした腕木をもったシャンデリアが作られ、多数のロウソクを設置するタイプのシャンデリアが多くの商人階級の家に置かれるようになった。

18世紀、ガラス製造業の発達によって鉛ガラス(lead crystal)がより安く製造されるようになった。この光散乱性の高い反射性ガラスは好評をもって迎えられ急速にポピュラーなものとなり、やがてガラス製のシャンデリア(Crystal Chandelier)が生み出された。ちなみに日本でもこよなく愛されている。


シャンデリアは18世紀から19世紀にかけてより複合で精巧な形に発達し続け、ガス灯を用いるものから電球によるものになるに従ってこの伝統的なスタイルの照明はその価格を下げていった。

日本には明治以降、洋風建築と共に移入され、旧赤坂離宮舞踏室のものが代表的である。

取り付けについて

シャンデリアは構造的に他の天井吊り下げ式照明器具よりも非常に重たいものである。通常は天井から鎖などで懸架するかあらかじめ天井に設置されている引掛シーリングローゼットに直接取り付けるが、シャンデリアの設置を想定していなかった建物に後付けする場合は大規模な改修工事を必要とすることもある。

語源

シャンデリア(chandelier)の語源はラテン語Candere(「輝く」「白く光る」の意味)であり、キャンドル(ロウソク)も同源の語である。また、フランス語でロウソク立てを意味するシャンデル(chandelle)が語源であるとする説もある。