シャチー

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シャチーsktŚacī)は、インド神話に登場する女神。アスラ阿修羅)の娘でインドラ帝釈天)の妻。また帝釈天の本名は憍尸迦(きょうしか)というので憍尸迦夫人とも称される。

別名インドラーニー。また漢訳では舎支、設施など。意味は可愛の義、研の義。慧苑慧琳は「月」の別名とするが、月はŚaśinであるから、これは誤りであるとされる。またインドラ(帝釈天)の妻であるため、帝釈天を舎脂鉢低 Śacipati とも言われる。仏典では舎脂(しゃし)と音写されており、こちらの表記の方が有名である。

仏典で舎脂は阿修羅族の王の娘であった。阿修羅王は帝釈天に舎脂を嫁がせたいと思っていた。が、帝釈天は待ちきれずとうとう舎脂を力ずくで奪い、凌辱した。それを怒った阿修羅王が帝釈天に戦いを挑むことになった。凌辱された後の舎脂は戦の最中であっても逆に帝釈天を愛してしまったことに阿修羅はさらに怒り(事実上の裏切り)、争いは天界全部をも巻き込んでしまった。阿修羅は復讐に燃える悪鬼となってしまった。力の神である帝釈天に勝てる筈もなく敗れた阿修羅族はこれをきっかけに天界であるとう利天と善見城から追放されてしまう。(詳細は阿修羅を参照)

アスラ族でありながらインドラ神の神妃となったシャチーは、インドラとの間にジャヤンタを産んだ。また文献によってはアスラ神族ダーナヴァ一族のプローマンの娘であるともいう。