ササユリ

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ササユリ
Lilium japonicum 'Hyuga form' in Mount Hokodake
ササユリ Lilium japonicum
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 単子葉植物綱 Liliopsida
: ユリ目 Liliales
: ユリ科 Liliaceae
: ユリ属 Lilium
: ササユリ L. japonicum
学名
Lilium japonicum
Thunb., 1784
和名
ササユリ(笹百合)

ササユリ(笹百合、学名:Lilium japonicum)は、ユリ科ユリ属球根植物。日本特産で日本を代表するユリである。地域によっては、ヤマユリと呼ぶこともある。

特徴

本州中部地方以西から四国九州に分布する。

成株のは立ち上がり、は互生する。葉はやや厚く、披針形で長さは8-15cmである。5月-7月頃に淡いピンク色の花を咲かせる。花被片の長さは10-15cm位で漏斗状に反り返る。雄しべは6本で芳香がある。花粉の色は赤褐色であり、オトメユリと区別するポイントになる(ただし花粉の色が黄色のササユりも存在する[1])。希に花が純白のアルビノのものもある。葉や茎がに似ていることからこの名がある。

10-11月頃に朔果が熟し、種子は風に乗って広がる。初めて地上発芽するのは通常翌々年の春である(地下遅発芽様式)。初花を咲かせるまでに種子から約7年以上(野生の場合)の歳月がかかる。

市や町の花に指定している自治体が多い。

地理的変異

ヒュウガササユリ
主に宮崎県に分布し、花の色が濃く草丈はやや小型~中型。海辺では4月下旬から開花する最も早咲きのユリである。[2][1]
ジンリョウユリ
徳島県の神山町神領村で発見された、小輪で濃色の花を咲かせる最も小型のササユリ。葉に細い白覆輪が入る。[1]
フクリンササユリ
高知県[1]、愛媛県[3]などに自生する白覆輪の葉が特徴のササユリ。[1]
ヒロハササユリ
長野県の一部と新潟県から山口県の日本海側に分布し、葉は幅3cm内外、長さ13-14cmの広披針形で葉肉は厚く、花径10cm以上の大輪の花をつける大型のササユリ。花芽分化が秋から始まる特徴がある。[1]
ニオイユリ
熊野山中に分布し草丈1m以上になり、葉は幅0.8-1.0cm、長さ14-15cmの狭披針形である。花形、花色は基本種に近いが着花数が多く、香りが強い。[1]
イシマササユリ
徳島県の伊島に自生し、5月下旬から6月上旬に開花する。[4]花の質感が美しく葉の幅が広い。[5]

関連画像

花 (笠ヶ岳・7月) 蕾 (奈良岳・6月) 蕾と葉 (奈良岳・6月)

関連項目

参考文献

  1. ^ a b c d e f g 清水基夫. 1987. 日本のユリ原種とその園芸種. p.53-56. 誠文堂新光社. 東京.
  2. ^ 西村 秀洋, 渥美 茂明. 2000.ササユリの形態と生理的形質の地理的変異. 園学雑. 69(3): 362-371.
  3. ^ 愛媛県レッドデータブック
  4. ^ 『徳島新聞』2007年6月21日
  5. ^ 竹田 義. 2007. ゆりを楽しむ. p.10-11. 栃の葉書房. 栃木.