サイレント・ウィッチ

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サイレント・ウィッチ
ジャンル 異世界洋風ファンタジー
小説:サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと
著者 依空まつり
イラスト 藤実なんな
出版社 KADOKAWA
掲載サイト 小説家になろう
レーベル カドカワBOOKS
連載期間 2020年2月20日 - 10月3日
刊行期間 2021年6月10日 -
巻数 既刊5巻(2022年10月現在)
漫画:サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと
原作・原案など 依空まつり(原作)
藤実なんな(キャラクターデザイン)
作画 桟とび
出版社 KADOKAWA
掲載誌 B's-LOG COMIC
レーベル B's-LOG COMICS
発表号 2021年Vol.102 -
発表期間 2021年7月5日 -
巻数 既刊2巻(2022年12月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル漫画
ポータル 文学漫画

サイレント・ウィッチ』は、依空まつりによる日本ライトノベル。イラストは藤実なんなが担当している。2020年2月から同年10月まで『小説家になろう』にて『サイレント・ウィッチ』のタイトルで連載され、2021年6月から書籍版がカドカワBOOKSKADOKAWA)より『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』のタイトルで刊行されている。

B's-LOG COMIC』(KADOKAWA)にて桟とびによるコミカライズ版が2021年Vol.102より連載されている[1]

あらすじ

主人公・モニカ・エヴァレットは世界で唯一の無詠唱魔術の使い手であり、史上最年少で王国最高の魔術師・七賢人に選ばれる。しかし、かなりな人見知りであり、無詠唱魔術も人前で話さなくていいように練習して会得したものだった。七賢人に選ばれたモニカは同期のルイス・ミラーに学園に編入して、第二王子を護衛する極秘任務を押しつけられる。

主な登場人物

モニカ・エヴァレット
本作の主人公。史上最年少の15歳にして、王国最高峰の魔術師・七賢人になり、「沈黙の魔女」と呼ばれる[2]。才能はあるものの性格はかなりの人見知り。学園では、モニカ・ノートンと名のっている。生徒会役員:会計
「ピーキーで尖った性能」という著者が好みが全面的に反映されている。「才能は時として呪いにもなる」という点においてモニカがどのように向き合っていくのかを見てみたいという著者の思いからモニカは誕生している[2]
ネロ
モニカの使い魔で普段は猫の姿をしているが、人型にもなれ、人の言葉も理解している不思議な使い魔。
ルイス・ミラー
七賢人の1人で「結界の魔術師」と呼ばれる。モニカの同期で、態度こそ上品だが、癖がとても強い[2]
リィンズベルフィード
ルイスと契約している風の上級精霊。感情にとぼしいため、本の登場人物ののマネする癖がある。
作中に登場する七賢人は癖が強いキャラクターばかりのため、なんでもこなせるルイスは七賢人にも著者にも重宝されている[2]
フェリクス・アーク・リディル
リディル王国第二王子で生徒会長。モニカの護衛対象。
シリル・アシュリー
アシュリー伯爵家養子。フェリクスに信頼されている。真面目で勤勉。生徒会役員:副会長
エリオット・ハワード
ダーズヴィー伯爵家長男。身分階級主義。生徒会役員:書記[3]
著者によれば「噛めば噛むほど味のするスルメのような、絶妙な人間臭さが魅力のキャラクター」であるという[2]
ブリジット・グレイアム
シェイルベリー侯爵令嬢。やる事が完璧。時々フェリクスに不思議な発言をする。学園三大美人の一人。フェリクスの婚約者候補の一人。 生徒会役員:書記
ニール・グレイ・メイウッド
メイウッド男爵令息。温厚。〈調停者の家系〉の人間でクローディアの婚約者。生徒会役員:庶務
クローディア・アシュリー
ハイオーン侯爵令嬢。冷酷。他人に利用されるのが嫌い。ニールの婚約者。学園三大美人の一人。
イザベル・ノートン
ケルベック伯爵令嬢。モニカの任務の協力者。モニカの任務の手助けをすべく、悪役令嬢の練習をしている。
ラナ・コレット
コレット男爵令嬢。モニカのセレンディア学園初の友達。モニカを大切に思っている。
エリアーヌ・ハイアット
レーンブルク公爵令嬢。フェリクスのはとこで、フェリクスの婚約者候補の一人。学園三大美人の一人。

作風とテーマ

著者曰く、本作は「1800年代あたりの近代ヨーロッパ」をイメージしており、魔術などのファンタジー要素が取り入れられている。時代設定を近代にした理由について著者は、「ストーリーに登場させる小道具や概念などに合わせて、文明レベルも引き上げる必要があった」からであると語る[2]

ミステリの要素や派閥争いといった側面はストーリーを面白くさせる要素に過ぎず、本作の主軸は主人公・モニカ・エヴァレットの成長ドラマとなっている[2]

制作背景

本作の設定自体は執筆前に出来上がっていたものの、前もって世界観やキャラクターを固めたいという著者の考えから、先に本作から2年前の世界を描いた物語を執筆し、その後本作を執筆するに至っている。本作はモニカというキャラクターからストーリーを構築しており、世界設定に関しては魔術の普及具合や発展具合が世界観を固める上で重要であることから、魔術が便利になりすぎないようにしている[2]

評価

2022年5月時点でシリーズ累計発行部数は10万部を突破している[4]

このライトノベルがすごい!2022』(宝島社)では総合新作部門7位[5]、単行本・ノベルズ部門2位を獲得している[6]。『このライトノベルがすごい!2023』では単行本・ノベルズ部門4位を獲得している[7]

既刊一覧

小説

  • 依空まつり(著)・藤実なんな(イラスト)、KADOKAWA〈カドカワBOOKS〉、既刊5巻(2022年10月7日現在)
    • 『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』2021年6月10日発売[8]ISBN 978-4-04-074035-5
    • 『サイレント・ウィッチ II 沈黙の魔女の隠しごと』2021年10月8日発売[9]ISBN 978-4-04-074224-3
    • 『サイレント・ウィッチ III 沈黙の魔女の隠しごと』2022年2月10日発売[10]ISBN 978-4-04-074375-2
    • 『サイレント・ウィッチ IV 沈黙の魔女の隠しごと』2022年8月10日発売[11]ISBN 978-4-04-074626-5
    • 『サイレント・ウィッチ IV -after- 沈黙の魔女の事件簿』2022年10月7日発売[12]ISBN 978-4-04-074629-6

漫画

  • 依空まつり(原作)・藤実なんな(キャラクターデザイン)・桟とび(作画) 『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』 KADOKAWA〈B's-LOG COMICS〉、既刊2巻(2022年12月1日現在)
    1. 2022年4月1日発売[13][14]ISBN 978-4-04-736981-8
    2. 2022年12月1日発売[15]ISBN 978-4-04-737274-0

脚注

出典

  1. ^ “『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』のコミカライズ連載がビーズログ・コミック102号より開始”. ラノベニュースオンライン. (2021年7月6日). https://ln-news.com/articles/111723 2022年5月13日閲覧。 
  2. ^ a b c d e f g h “独占インタビュー「ラノベの素」 依空まつり先生『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』”. Real Sound. (2021年10月8日). https://ln-news.com/articles/112409 2022年5月13日閲覧。 
  3. ^ 【登場人物紹介5】”. 小説家になろう. 2022年5月13日閲覧。
  4. ^ “『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』が早くもシリーズ累計10万部を突破”. ラノベニュースオンライン. (2022年2月22日). https://ln-news.com/articles/113449 2022年5月13日閲覧。 
  5. ^ このラノ2022, p. 78.
  6. ^ このラノ2022, p. 56.
  7. ^ このラノ2023, p. 58.
  8. ^ サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと”. KADOKAWA. 2022年5月13日閲覧。
  9. ^ サイレント・ウィッチ II 沈黙の魔女の隠しごと”. KADOKAWA. 2022年5月13日閲覧。
  10. ^ サイレント・ウィッチ III 沈黙の魔女の隠しごと”. KADOKAWA. 2022年5月13日閲覧。
  11. ^ サイレント・ウィッチ IV 沈黙の魔女の隠しごと”. KADOKAWA. 2022年8月10日閲覧。
  12. ^ サイレント・ウィッチ IV -after- 沈黙の魔女の事件簿”. KADOKAWA. 2022年10月7日閲覧。
  13. ^ サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと I”. KADOKAWA. 2022年5月14日閲覧。
  14. ^ “気弱で臆病だけど…最強! 人見知り魔女が極秘任務に挑む「サイレント・ウィッチ」1巻”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年4月1日). https://natalie.mu/comic/news/472129 2022年12月1日閲覧。 
  15. ^ サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと II”. KADOKAWA. 2022年12月1日閲覧。

参考文献

  • 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2022』宝島社、2021年12月9日。ISBN 978-4-299-02264-6 
  • 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2023』宝島社、2022年12月10日。ISBN 978-4-299-03647-6 

外部リンク