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コンスル (テロ組織)

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コンスル(独:Organisation Consul, 執政官組織)は、ヴァイマール共和国時代のドイツにおける極右の地下武装テロ組織。「コンスル」は、オーストリア語の表記。「コンズル」は標準ドイツ語バイエルン語の表記。

概要

1920年カップ一揆において首都ベルリンを制圧したフライコール(義勇軍)エアハルト海兵旅団 (Freikorps-Brigade Ehrhardt) の後継組織で、外相ラーテナウや蔵相エルツベルガーの暗殺など、数多くの要人暗殺を行う。

徹底した非合法路線をとり、ミュンヘン蜂起後は議会主義と合法路線に立ったナチスとは敵対的関係となり、「真の第三帝国」の立場からナチスを西欧デモクラシーの手先でありドイツ民族の敵と批判。また「民族ボルシェヴィズム」(Nationalbolschewismus)的路線から、反アングロ・サクソン帝国主義とアジア・アフリカの民族独立・解放運動の連帯を主張。

ナチス政権確立後、リーダーのヘルマン・エアハルトde:Hermann Ehrhardt)大佐はスイスに亡命し、メンバーは、ヴィルヘルム・カナリスのドイツ国防軍防諜部の士官となったフリードリヒ・ヴィルヘルム・ハインツ(de:Friedrich Wilhelm Heinz)(戦後はゲーレン機関の幹部)や、ウーファに入ったエルンスト・フォン・ザロモンなど、ドイツ国内の諸組織・機関に入り込む。

ナチス時代は、初期はコンスルの特攻隊員による総統官邸襲撃によるヒトラー暗殺を計画し、またコンスルの影響下のベルリンのナチ突撃隊はナチ党のベルリン支部を占拠し、制圧に来たナチ親衛隊と大規模な銃撃戦を展開。その後も国防軍防諜部に依拠し、また突撃隊親衛隊などに秘密組織を形成し、反ヒトラー運動を継続する。

関連項目

文献

  • ロラン・ゴーシェ 『テロリスト』 第2部第2章「サント=ヴェームの仲間たち」 学芸書林、1969年