クロバナヒキオコシ

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クロバナヒキオコシ
新潟県御神楽岳 2012年9月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
: ヤマハッカ属 Isodon
: クロバナヒキオコシ I. trichocarpus
学名
Isodon trichocarpus (Maxim.) Kudô
シノニム
  • Plectranthus trichocarpus Maxim.
    *Rabdosia trichocarpa (Maxim.) H.Hara
和名
クロバナヒキオコシ(黒花引越し)

クロバナヒキオコシ(黒花引起し、学名:Isodon trichocarpus)は、シソ科ヤマハッカ属多年草

特徴

高さは50-150cmになり、は4角になり、稜には下向きの細毛がある。は対生し、3角状広卵形で、長さ6-15cm、幅3-7.5cmになり、先端は鋭くとがり、基部は広いくさび形に狭まり葉柄の翼となって流れる。葉は薄く、縁には鋸歯があり、表面に毛がまばらに生え、裏面の葉脈上に短い圧毛と腺点がある[1]

花期は8-9月。茎の上部の葉腋から集散花序を出し、それが集まって大型の円錐花序になり、多数のをつける。花冠は長さ5-6mmになる暗紫色の唇形。は5裂して細毛があり、花時には長さ2.5mm、果時には3-3.5mmになる。果実は倒卵形になる分果で、長さ1.5mmになり、分果の先に短い白毛がある[1]。種小名 trichocarpus は「有毛果実」の意味[2]

分布と生育環境

北海道および本州の近畿地方以北の日本海側に分布し、深山の林縁の草地に生育する[1][2]

利用

同属のヒキオコシと同様に、薬草として利用される。全草を使用するが、薬効成分は葉に多い。ヒキオコシ(引起し)の名の由来は、弘法大師が病で倒れた旅人にこの草を煎じて飲ませたところ、その病人が起き上がったという伝説からくる[2]

ギャラリー

脚注

  1. ^ a b c 『日本の野生植物 草本Ⅲ』p.78
  2. ^ a b c 『秋の野草 新装版山溪フィールドブックス11』pp.185-186

参考文献