ガルグイユ (竜)

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ガーゴイル

ガルグイユフランス語: Gargouille)は、7世紀のフランスの聖人、ルーアンのロマヌス英語版をめぐる伝説の中に登場するの名である。

一般的には、ガルグイユ(フランス語: gargouille)は怪物などの形をした水落としの彫刻を指す(ガーゴイル参照)。

伝説[編集]

14世紀に流布したルーアンのロマヌスの伝説によると、セーヌ河のほとりにガルグイユという竜が棲んでいた。ガルグイユは蛇のような長い首を持ち、羽を生やした怪獣であった。口から火を吹き、水を吐き出して洪水を起こすことで恐れられた。

西暦600年ごろ、ルーアンの町にやってきたロマヌスという司祭が、ストラ(帯状の祭服)でガルグイユの首を巻き上げて、これを捕えたという。ガルグイユは薪の山にくべられて焼き殺された。ところが、ガルグイユの首から上だけは焼け残ってしまい、その首はルーアンの市壁の上にさらされた。これがガーゴイルの起源であるという[1]

脚注[編集]

  1. ^ 馬杉 1998, pp. 162-163.

参考文献[編集]

  • 馬杉宗夫『黒い聖母と悪魔の謎 - キリスト教異形の図像学』講談社〈講談社現代新書〉、1998年。 

関連文献[編集]

  • 佐藤達生・木俣元一『図説 大聖堂物語』河出書房新社〈ふくろうの本〉、2000年、56-57頁。 
  • カール・シューカー『龍のファンタジー』別宮貞徳監訳、1999年、16-19頁。 

関連項目[編集]