カナダスピス
カナダスピス | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Canadaspis perfecta
バージェス頁岩からの化石 | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||
Canadaspis Briggs, 1978 | |||||||||||||||||||||
種 | |||||||||||||||||||||
|
カナダスピス (Canadaspis) はカンブリア紀に海に住んでいた、節足動物門に属する生物。バージェス動物群のひとつであり澄江生物群からも発見されている。バージェスでは二番目に多く発見されている動物で、前半身を背甲に覆われた、ほぼ円筒形の動物である。
形態
円筒形の動物で、体長7cm、最大7.5cm。
頭部は5対の付属肢があり、二対の触角と口の後方には3対の付属肢由来の構造を持つ。また、その前には1対の突出した小さな眼があった
頭部の背面から伸びる薄い殻は胸部の背面に伸びて体の左右を覆っている。胸部から腹部は円柱形。胸部は8節、それぞれの腹面には歩脚に扇形のヒレをつけたような二枝型の付属肢が並んでいた。歩脚は短い。腹部は胸部からなめらかにつながり、7節の体節と尾節からなる。プランクトンを主食とする。
系統など
実際には一見すると10対の付属肢があるように見える。しかし、先頭の2対は実は頭部から出ているもので、2対の顎脚である。ただ、外見的にはそれ以降の節からでる付属肢と変わりが無い。この事は、顎脚の分化がほとんど起きていないこと、この動物の原始性をしめすものと考えられる。このような特徴から1977年にブリッグスは、この動物を特に初期の甲殻類、特に軟甲類に属するものと考えられた。しかしその後、同じ系統に属するにしても、むしろそれが分化する以前のものと見なすべきとの説も出ている。
参考文献
- 福田芳生、『古生態図集・海の無脊椎動物』、(1996)、川島書店
- スティーヴン・ジェイ・グールド 『ワンダフル・ライフ - バージェス頁岩と生物進化の物語』 渡辺政隆訳、早川書房〈ハヤカワ文庫〉、2000年、ISBN 4-15-050236-6。