オーダーN法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。MomijiRoBot (会話 | 投稿記録) による 2017年1月5日 (木) 10:23個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (Bot: × → × ,Replaced HTML character entity reference to the equivalent character/string∵Check Wikipedia #11)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

オーダーN(オーダーN ほう、: order N method, linear scaling method, O(N ) method)とは、バンド計算計算量を、扱う系(単位胞内)の原子の数N の 1 乗のオーダー(オーダーN )にしようとする電子状態計算手法のことである。

通常のバンド計算での計算量は粗い評価であるが大体、(扱う系の原子数)×(系を記述する基底関数の数)×(系の総電子数〔≒バンドの数〕)となる。いずれも原子数N に比例する量であり、オーダーとしてN 3 程度となる。系が巨大な場合、つまり実空間で巨大なスーパーセルをとる場合、逆格子空間におけるk点の数はΓ点一点のみかごく少数(一定値)で済むので、ここでは考えない。

複数の試みがあるが代表的なものとして、

  1. 密度行列によるアプローチ
  2. ボンドオーダーポテンシャルによるもの
  3. 局在軌道を使ったもの
  4. リカージョン(連分数)法によるもの

などがある。まだ発展途上の手法であるが、通常の第一原理によるバンド計算が扱える原子数の上限が、最も条件の良い場合でも一千原子のオーダーであることから、一万あるいはそれ以上の原子からなる系を扱う手法としてオーダーN 法は注目されている。オーダーN法には、第一原理によるもの、経験的なパラメーターに依るものが存在する。

関連項目