ウェスト・ピッカー

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ウェスト・ピッカー(Waste Picker)は、廃棄物の最終処分場などの処分施設で有価物を収集する個人事業者。日本語では、「ウェストピッカー[1]、「ウエスト・ピッカー[2]、「ウエストピッカー」とも表記され[3][4]、また、より英語の発音に近づけてウェイスト・ピッカーとも表記される[5]

スカベンジャーとも呼ばれていたが、差別用語に当たるとして言い換えられるケースも増えている[5]

概要

パヤタス・ダンプサイトにおけるウェスト・ピッカーの労働

一般的に発展途上国などの廃棄物収集は、分別収集を行わないまま郊外の処分場へ運搬し、投棄積み上げ(Open Dumps:詳細は最終処分場の項を参照のこと)が一般的である。このため、廃棄物の中に金属類や古紙などの有価物も相当程度含まれており、特段の技術や経験を用いずに有価物を回収、売却し僅かながらの利益を得ることが可能である。このため、貧困層や地方出身者、若年者などがウェイスト・ピッカーを生業とするケースが多い[3]

先進国の一部などでは、廃棄物を排出する段階で古紙回収廃品回収など有価物が相当程度分別されること、また、廃棄物そのものや一連の収集・処分施設が法令等(日本の廃棄物の処理及び清掃に関する法律等)で規制、管理、運営されることから、ウェイスト・ピッカーが介入する余地は少ない。日本では、ホームレスの空き缶収集や段ボールなどの収集行為がウェイスト・ピッカーに類似するが、収集先が必ずしも廃棄物の処分施設では無いことに留意する必要がある。

規制と保護

ウェイスト・ピッカーの作業風景は、しばしば貧困国を代表する光景として取りざたされることも多いため、フィリピンスモーキー・マウンテンの閉鎖(1995年11月)のように行政機関から一方的な規制受けることもある。その一方、貧困対策やリサイクル産業の育成などを目的として、パヤタス・ダンプサイトのように最低就業年齢や通勤(処分場への居住禁止)条件を加えるなど労働環境の整備を行ったり、アルゼンチンブエノスアイレスのように積極的に廃棄物管理の一部に参画させる動きもある[4]

出典

関連項目