アジポニトリル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Jkr2255 (会話 | 投稿記録) による 2015年12月24日 (木) 11:47個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (Category:第4類危険物を除去 (HotCat使用))であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

アジポニトリル
アジポニトリルの構造
IUPAC名アジポニトリル(許容慣用名)
ヘキサンジニトリル
1,4-ジシアノブタン
分子式C6H8N2
分子量108.14
CAS登録番号111-69-3
形状無色液体(常温)
密度0.97 g/cm3, 液体
融点1 °C
沸点295 °C
SMILESN#CCCCCC#N

アジポニトリル (adiponitrile) は有機化合物の一種で、化学式 C6H8N2、示性式 NC(CH2)4CN と表されるジニトリルである。分子量は 108.14、CAS登録番号は [111-69-3]。消防法に定める第4類危険物 第3石油類に該当する[1]。毒物及び劇物取締法に定める劇物に該当する[2]

アジポアミド五酸化バナジウムなどを触媒として脱水することで得られる。

  • H2NCO(CH2)4CONH2 → NC(CH2)4CN + 2 H2O

アジポニトリルにニッケルなどを触媒として水素を付加することでヘキサメチレンジアミンが得られる。

  • NC(CH2)4CN + 4 H2 → H2N(CH2)6NH2

アジポニトリルの加水分解により、アジピン酸が得られる[3]

6,6-ナイロンの合成中間体として重要な化合物である。

脚注

  1. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
  2. ^ 毒物及び劇物指定令 昭和40年1月4日 政令第2号 第2条 32
  3. ^ Whyman, Robin 著、碇屋隆雄・山田徹 訳『有機金属と触媒 -工業プロセスへの展開』化学同人、2003年。ISBN 978-4759809480