Well-defined

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well-defined は、ある概念が数学的あるいは論理学的に特定の条件を公理に用いて定義・導入されるとき、その定義(における公理の組)が自己矛盾を孕まぬ状態にあることを言い表す修飾語句である。文脈により、「うまく定義されている」「矛盾なく定まった」「定義可能である」などと表現されることもある。

well-defined は「状態」を表す形容詞であるが、日本語の定訳はなく慣例的に形容詞と動詞の複合語に訳されるか、そのまま形容動詞的に「well-defined である」といった形で用いる。名詞形 well-definedness などもあり、これを well-defined 性と記すことはできるが日本語訳としてこなれたものは特には存在しない(文脈によっては「定義可能性」などで代用可能である)。

概要[編集]

ある定義が well-defined であるかどうかが問題になる場面というのは、ひとつの対象を表す方法が複数存在し、なおかつそのとり方がまったく無作為に与えられている場合である。一つの対象のある表示に対して定義が満たされるが、別のある表示については満たされない状況であるとか、一つの対象の異なる表示を考えると定義の示す結果がそれぞれの表示に対して異なるといった状況であるならば、与えられた定義はその対象自体に対する定義として不適切 (ill-defined) であると考えるのである。

例えば、写像あるいは(一価の)関数 f は代入原理と呼ばれる条件

a = b \Rightarrow f(a) = f(b)

を満たす対応(一意対応)でなければならないから、同値類に対する写像をその代表元を用いて定義しようとする場面などでは well-defined 性が問題になる。典型的なものが、代数学において商代数系(剰余群商環商ベクトル空間)の演算を導入する場面に現れる。

また例えば、選択公理を採用することにより体積に関するバナッハ=タルスキーのパラドックスが肯定されるような体系にあっては、図形の体積という概念は「図形」として採用する対象を制限しなければ ill-defined となる。