VDT症候群

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OA化とともに増加したVDT症候群

VDT症候群(ブイ・ディー・ティーしょうこうぐん、英語:Visual Display Terminal Syndrome)とは、コンピュータディスプレイなど表示機器(総称して Visual Display Terminal、VDT と呼ばれる)を使用した作業(VDT作業ともいう)を長時間続けたことにより、に支障をきたす病気のことである。別名テクノストレス眼症とも呼ばれる[1]

主な症状

  • 目の症状 - ドライアイ充血、視力低下、目の疲れなど。
  • 体の症状 - 首、腰、肩のこり、だるさ、痛み、慢性化すると背中の痛み、手指のしびれなど。
  • 心の症状 - 食欲減退、イライラ、不安感、抑うつ症状など。

[1]

予防法

長時間の作業を行う際には1時間に10分程度の適度な休息を取り、軽い体操をして体をほぐしたり、遠くの景色を見て眼の疲れを取るなどするとよい。作業環境も非常に重要で、ディスプレイの位置を目の高さよりも低くセッティングしたり、また反射光を抑えるフィルターを装着することも有効である。暗い室内と明るいディスプレイとの極端な差は不快グレアと呼ばれる刺激を長時間もたらすため、室内の照明環境のバランスを保つ、液晶モニターが発する光「ブルーライト」からの保護、オフィス設計・照明設計などの面からの対策も行われている[1]

子供の場合は、長時間のゲームをさせない、戸外で遊ばせる、好き嫌いを無くした栄養のバランスのとれた食事をさせるなど[1]

日本では、厚生労働省がVDT作業者の心身の健康のためにVDT作業における労働衛生環境管理のためのガイドラインを定めている。この内容は、照明や椅子の工夫、ユーザインタフェースの設計のみならず、入力ミスを修正しやすいソフトウェア設計による緊張感の軽減などと、多岐にわたっている。

VDT作業における労働衛生環境管理のためのガイドラインでは、具体的にディスプレイ・入力機器・いす・机等の物理的な環境整備のほか、「一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分~15分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設けること」などを求めている[1]

10分~15分の作業休止時間とはVDT作業の作業休止時間であり、他の業務とのローテーションを行い、VDT作業以外の業務を10分~15分行う事によりVDT作業での弊害を無くす目的がある。

10分~15分の作業休止時間とは「休憩時間」ではなく、VDT作業の一連続作業時間が1時間を超えない様に10分~15分間他の業務とのローテーションを行い、VDT作業の一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止(1~2分程度)を取る様に定めている。

「VDT作業における労働衛生環境管理のためのガイドライン」は指針であり、法的強制力や拘束力はない。

脚注

  1. ^ a b c d e Santen Pharmaceutical Co.,Ltd

関連項目