A-bike

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A-bike

A-bike(エーバイク)とは、世界初のポケット電卓開発(1972年発売)などで著名な英国の発明家、クライブ・シンクレアが設計した折り畳み自転車ガラス繊維強化ポリアミドにより約5.7キログラムという超軽量化を実現。頑丈で日本国内外の安全基準をクリアしている。人間工学に基づいた設計で、通常の自転車とほぼ同様のライディングを誇る。簡単に折り畳みが可能で、飛行機の手荷物で持ち込めるコンパクトさが特徴。

駆動[編集]

140ミリメートルクランクを備え、クランクスプロケット-中間スプロケット-後輪と動力伝達し、それぞれのスプロケット間を各1本のチェーンで後輪を駆動する。中間スプロケット-後輪間はハーフピッチのRS25規格のチェーンである。フリー機構を備えクランクを駆動しなくても惰性で進行する。ペダルは折りたたみ式の樹脂製ペダルである。

タイヤ[編集]

タイヤは前後輪とも6インチ径で、チューブ式でありバルブは米式。比較的高圧が要求され、6気圧程度の充填がないと走行抵抗が大きく操舵安定性が悪い。このため、空気圧の調整が一般自転車用のポンプでは難しく、空気圧計を備えた専用のポンプを用いるか、サスペンションポンプ(空気バネを備える自転車用サスペンション調整に用いられるポンプ)が流用される。高圧であることから空気の抜けも一般の自転車に比べて早く、乗車前に空気圧の点検および不足の充填を行なうことが快適な走行には重要である(空気圧の点検はA-bikeに限らずどのような自転車でも重要である)。2010年8月に発表されたA-bike Cityと名づけられた新型は8インチ径のタイヤを備える。

車体[編集]

折り畳まれたA-bike

展開すると名前の由来になったアルファベットの"A"の文字の形になる。折り畳み時には前後の縦のパイプが約半分の長さになり、水平のフレームは中央で折り畳まれて前後の縦のパイプが平行になる。サドルは後退し折り畳まれた縦のパイプに沿う。ハンドルは前後反転し、ハンドルグリップ部が左右それぞれ内側に向かって折り畳まれる。サドルはシートポストに直結で位置は上下には調整できるが、一般の自転車では可能な前後方向あるいは角度の調整はできない。

スプロケット、チェーンなどの駆動系はカバー内部にあり、外からは見えない構造で駆動部への衣服の噛み込みやチェーンによる汚れは無い。ブレーキは前後輪ともバンドブレーキである。

折り畳みのための関節やジョイント部分が多く、設計強度の限界を超えないように乗員の体重制限が85Kgに設定されている。

走行[編集]

時速10キロメートル程度であれば容易に出すことができ「人が走る速度〜歩くよりやや速い速度」が常用速度となる。 タイヤが6インチという極めて小さい径であることから振動吸収性は悪く、段差の乗越などの走破性は悪い。ホイルベースも短いことから安定性は良いとは言えない。これらは折り畳み・小型・軽量というA-bikeの特性から来るものであって一概に欠点とは言えず、走行性能と小型軽量との折り合いを上手くつけたとされるべきであろう。 操縦感覚はこれらの特性から一般の自転車とやや異なるものであり、自在かつ安全に走行するにはある程度の練習が必要である。

想定されている利用法[編集]

簡単な折り畳みおよび展開・軽量という特徴から、公共交通機関を利用した移動と組み合わせることが想定されている。 A-bikeも自転車であることから公共交通機関への持込は輪行と同じであり、列車などに持ち込む際には袋に収納しなければならない。

折り畳んで袋に収納すればその大きさから自転車(あるいは乗用具)であるとはわからない。公共交通機関の利用で、一般的な自転車(すなわちA-bikeに比べて大きい)を持ち込むにあたって交渉または許可が必要な場合でも問題なく持ち込め、自転車の持込が事実上不可能な路線バス等での輪行が可能となる。

運用上の問題点[編集]

  • 交換部品は専用品となり一般の自転車店では扱いがないため、修理やメンテナンスは専門店扱いとなるか、部品を入手して自ら行うこととなる。このため、維持するための努力は一般的な自転車より大きなものとなる。
  • 約6キログラムの車重は、通常の折りたたみ自転車の車重よりも遥かに軽いが、実際にカバンで持ち運ぶと重たかったり、狭い入り口などでぶつけてしまう。A-bikeの「折り畳んで小さくなるイメージ」より「現実の大きさと重量」を考え、また、折り畳み時はA-bikeそのものが「荷物」になることを意識しておく。
  • パンク修理/チューブ交換はホイールの大きさから“1.よく訓練され、2.コツをつかんだ人が、3.適切な道具が使える”条件以外ではかなりの困難が伴う。使用時にパンクした場合はその場での修理を試みるのではなく、以降の行程を交通機関に切り替えるなどの運用も常に意識しておくべきである。
  • 奇抜とも言える形状から衆目を集めやすく自意識過剰となったり、興味を持つ人から声をかけられるなどもあり、他人との関わりを嫌う性格の人には向かない恐れがある。
  • 安全性を確保するため搭乗には身長160cm~193cm、体重85kgの制限がある。
  • A-bikeを日本で防犯登録を行う場合、A-bikeの扱いに慣れていない防犯登録所(自転車店)では登録に必要なフレーム番号が刻印でないためこれを判別できない。刻印に代わる個体の識別はシリアル番号で可能である。シリアル番号はクロスピースフレーム(水平のフレーム)の下側に6桁もしくは7桁の数字で示され、ハンドルステムのホログラムステッカーにも同番号が示されている。シリアル番号近くに表示されている「YRxxxxWKxx」は製造年月(YRは年、WKは第何週)を示すものである。日本の代理店が輸入したものは代理店が独自にシリアル番号を設定し刻印の追加工をしているものがある。

コピー品[編集]

  • 構造を真似たコピー品が多く出回っているが部品精度および耐久性が純正品と異なり、それらは劣るとして日本の正規代理店は注意を呼びかけている。
  • A-bikeに類似した自転車の中には、国民生活センターから注意喚起が行われているものも存在する[1]

注釈[編集]

  1. ^ 小径タイヤの折りたたみ自転車(A-RideX)の強度不足に注意!(国民生活センター)

外部リンク[編集]