銅欠乏症

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銅欠乏(: copper deficiency)は、ヒトやその他の動物に貧血汎血球減少・神経変性を引き起こすことがある。銅欠乏による神経変性は、反芻類において脊柱湾曲症として以前から知られていた。影響を受けた動物は運動失調痙性(en:spasticity)を呈するようになる。

症状[編集]

銅欠乏がヒトに貧血を起こす事例は稀であるが、長年にわたり知られている。

近年、反芻類の脊柱湾曲症に類似した症状、すなわち、進行性の痙性・運動失調・ニューロパチーも生じることが分かってきた。 貧血を伴うこともある。 臨床症状は、亜急性連合性脊髄変性症とほぼ同じである。亜急性連合性脊髄変性症は古くから知られている疾患で、頻度も比較的多く、 ビタミンB12欠乏によって生じる。

原因[編集]

反芻類の銅欠乏の原因としては、牧草地や飼料の銅不足が挙げられる。

ヒトでは、銅を十分に含まない高カロリー輸液胃バイパス手術(en:gastric bypass surgery)が原因となることがある。銅の推奨摂取量は0.9mg/日だが、典型的なアメリカ人の食生活ではこれに達しないことがある。亜鉛は消化管からの吸収において銅と競合するため、亜鉛を長期に渡って摂りすぎると銅欠乏が生じることがある。亜鉛の取りすぎは、例えば義歯接着剤の使いすぎで起こる。逆に、銅過剰状態(ウィルソン病など)を治療するため、亜鉛製剤を用いることがある。

参考文献[編集]

  • Pang Y, MacIntosh DL, Ryan PB (2001). “A longitudinal investigation of aggregate oral intake of copper.”. Journal of Nutrition. PMID 11481413. 
  • Kumar N (2006). “Copper deficiency myelopathy (human swayback).”. Mayo Clinic Proceedings. PMID 17036563.