裾の重い分布

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裾の重い分布あるいはヘヴィーテイルとは、確率分布の裾がガウス分布のように指数関数的には減衰せず[1]、それよりも緩やかに減衰する分布の総称。 また類似の用語に、ファットテイル、裾の厚い分布、ロングテール、劣指数的(subexponential)などがある。

定義[編集]

裾の重い分布(ヘヴィーテイル)[編集]

本記事冒頭部に日本語で記載されている定義を数学的に表すと以下のようになる。

確率変数 X の累積確率分布関数 F

\overline{F}(x) \equiv \Pr[X>x] \,

と書いたとき、以下を満たす確率分布は(右)裾の重い分布(ヘヴィーテイル)である。


\lim_{x \to \infty} e^{\lambda x}\overline{F}(x) = \infty \quad \mbox{for all } \lambda>0.\,

ファットテール[編集]

裾の重い分布のなかでも裾の分布がべき乗則にしたがって減衰する分布をファットテールと呼ぶことが多い。
詳細はen:Fat-tailed distributionを参照のこと。

ロングテール[編集]

確率変数 X がすべての t > 0 について以下を満たす確率分布はロングテールである。


\lim_{x \to \infty} \Pr[X>x+t|X>x] =1, \,

これは累積確率分布関数を F として以下と同じである。


\overline{F}(x+t) \sim \overline{F}(x) \quad \mbox{as } x \to \infty. \,

簡単にいえば、x → ∞ ではほとんど減衰しない裾を持つ分布である。

ヘヴィーテイル分布の例[編集]

片側ヘヴィーテイル[編集]

両側ヘヴィーテイル[編集]

裾指数の推定[編集]

最尤法(MLE)を用いて裾指数を推定することができる。代表的な裾指数の推定方法には次の推定法がある。

  • Pickands tail-index
  • Hill tail-index

ソフトウェア[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Asmussen, S. R. (2003). “Steady-State Properties of of GI/G/1”. Applied Probability and Queues. Stochastic Modelling and Applied Probability. 51. pp. 266–301. doi:10.1007/0-387-21525-5_10. ISBN 978-0-387-00211-8.  編集
  2. ^ John P. Nolan (2009年). “Stable Distributions: Models for Heavy Tailed Data (PDF)”. 2009年2月21日閲覧。
  3. ^ Stephen Lihn (2009年). “Skew Lognormal Cascade Distribution”. 2014年4月3日閲覧。
  4. ^ Crovella, M. E.; Taqqu, M. S. (1999). “Estimating the Heavy Tail Index from Scaling Properties”. Methodology and Computing in Applied Probability 1: 55. doi:10.1023/A:1010012224103. http://www.cs.bu.edu/~crovella/paper-archive/aest.ps.  編集