薬草枕

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薬草枕(やくそうまくら、: 药枕)とは、薬草生薬)の入った生薬枕

中国では古くから用いられている。たとえば晋代葛洪の著、『肘後備急方』には犀角や青木香(ウマノスズクサ)の枕の言及がある[1]。また、南宋の医師、蒲虔貫の著『保生要録』には薬枕の具体的なレシピが記載されている[2]。明代の李時珍の『本草綱目』でも、緑豆など、様々な生薬の枕処方について言及されている[3]

日本でもよく知られている物としては、乾燥した菊を入れた菊枕がある[4]

また、香を入れて用いる枕香炉(匂枕、香枕、伽羅枕)もその一種と言える。これは枕の中に香炉を収納できるようになっており、就寝中に香の匂いを髪に移すために用いられた[5]

脚注[編集]

  1. ^ s:zh:肘後備急方/卷1#治卒魘寐不寤方第五
  2. ^ s:zh:保生要錄#藥枕方
  3. ^ s:zh:本草綱目/穀之三#綠豆など。後に趙学敏がまとめた本草綱目拾遺(s:zh:本草綱目拾遺)でも各種の枕処方の記載がある。
  4. ^ 白崎繁仁. “古枕散歩”. 白崎繊維工業株式会社. 2022年2月1日閲覧。
  5. ^ 【開幕】 香りを見る 「香りの器 高砂コレクション展」パナソニック汐留美術館で始まる”. 美術展ナビ (2021年1月12日). 2022年2月6日閲覧。 “鶴蒔絵香枕 江戸時代 18世紀 高砂コレクション

外部リンク[編集]