箱根登山鉄道ケ1形客車

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箱根登山鉄道ケ1形客車
基本情報
製造所 汽車製造(車体)
日立製作所(台車)
製造年 1950年
製造数 2両(1、2)
主要諸元
編成 1両
軌間 983mm
車両定員 121人(立席定員、乗務員1人含む)
72人(着席定員)
車両重量 9.0t
全長 11,900mm
全幅 2,521mm
全高 3,744mm
備考 数値は[1][2]に基づく。
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箱根登山鉄道ケ1形客車(はこねとざんてつどうケ1がたきゃくしゃ)は、箱根登山鉄道(現:小田急箱根)が同社鋼索線用へ1950年(昭和25年)に投入したケーブルカー車両。鋼索線における2代目車両にあたる[1]

概要・運用[編集]

戦時中の不要不急線として1944年(昭和19年)2月10日に運行休止となった鋼索線は、戦後5年目となる1950年(昭和25年)7月1日に営業運転を再開した[3]。その際に導入された新型車両が本形式である。

戦前に使用されていた木造車両であるケ形とは異なる片側3扉の鋼製車体で、全席クロスシートであったが、制御装置はケ形と同様のギーセライ・ベルン式を採用していた[4]。登場当初の集電装置は小型のビューゲル2基であったが後に小型パンタグラフ2基に改装されている[5]。また、登場当初の塗装は上半分がクリーム色、下半分が薄青色であったが[6]、後に小田急3000形(SE車)の登場に合わせ、窓回りを黄色、下半分と屋根付近を赤色、窓下に白帯、そして前面をV字の金太郎塗りと呼ばれる塗装へと改めている[7]

1971年(昭和46年)に3代目車両にあたるケ2形が登場するまで使用された[6]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 生方良雄 2013, p. 153.
  2. ^ 吉川文夫 2016, p. 113.
  3. ^ 生方良雄 2013, p. 125.
  4. ^ 生方良雄 2013, p. 126.
  5. ^ 吉川文夫 2016, p. 116.
  6. ^ a b 生方良雄 2013, p. 127.
  7. ^ 生方良雄 2013, p. 143.

参考文献[編集]

  • 生方良雄『箱根登山鉄道125年のあゆみ』JTBパブリッシング、2013年9月。ISBN 978-4533093746