第25回イスラエル議会総選挙
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第25回イスラエル議会総選挙(だい25かいいすらえるぎかいそうせんきょ、ヘブライ語:הבחירות הכלליות לכנסת ה -25)とは2022年11月1日に、イスラエルの立法機関であるクネセトの議員を全面改選するために執行された選挙である。中道と左派、アラブ系の政党が敗北し、第一党の右派政党であるリクードや極右政党が躍進するという結果となった。[1]
この選挙で勝利したリクードの党首であるベンヤミン・ネタニヤフは2ヶ月弱に及ぶ連立交渉の末、右派~極右政党であるシャス、宗教シオニスト党、ユダヤ・トーラ連合、ユダヤの力、ノアムとの連立政権(第6次ネタニヤフ内閣)を発足させた[2]。ネタニヤフの首相復帰は2021年の6月以来、1年半ぶりの返り咲きで6度目の組閣である。
概説[編集]
2021年の総選挙後、ナフタリ・ベネット率いる8党派からなる連立政権が誕生した。この内閣は反ネタニヤフで一致し組閣したため、右派から左派そしてアラブ系の政党まで広く包括していた。そのため、政策違いでの対立が相次ぎ、2022年4月には連立与党の右派ヤミナ所属のシルマン議員、左派メレツ所属のズアビー議員が連立離脱を表明した。6月にはヨルダン川西岸地区の入植地にイスラエル国内法を適用する措置の可否が争点となり、アラブ系政党による反発や右派ヤミナ所属のオルバッハ議員が連立政権が左派に人質にされているとして連立からの離脱を宣言が見られた。こういった対立により、選挙後には連立与党は61議席と議会過半数をかろうじて有していたが、過半数を割る59議席に減じ(ズアビーは再度連立に復帰した。)、政権は窮地に立たされた[3]。6月20日、連立を組むラピド外相と来週のクネセト解散で合意したと発表した。ラピドが近日中に暫定首相に就任し、総選挙が実施される。ベネットは解散について、同措置は次の組閣まで自動的に延長されると前置きしたうえで、同措置を失効させることで生じる「安全保障上の危険」と「憲法の混乱」を避けるため、国会解散を決めたと説明した[4]。6月29日、クネセトを解散する法案が通過し、選挙の日程が11月1日に定まった[5]。同日、ベネットは11月の選挙には出馬せず政界を引退することを表明した。また、ヤミナの党首も辞任し後任にAyelet Shakedが就くことが決定した[6]。
選挙データ[編集]
内閣[編集]
- 選挙時:ヤイル・ラピド内閣(第36代政府・選挙管理内閣)
- 選挙後:第6次ネタニヤフ内閣(第37代政府)
解散日[編集]
- 2022年6月29日
投票日[編集]
- 2022年11月1日
改選数[編集]
- 120
選挙制度[編集]
投票方式[編集]
- 秘密投票、単記投票、1票制
選挙権[編集]
- 満18歳以上のイスラエル国民
被選挙権[編集]
- 満21歳以上のイスラエル国民
有権者数[編集]
6,788,804人 (3.20%)
余剰票協定[編集]
2つの政党が余剰票協定を結ぶことで立候補者を統一の名簿に載せることによりあたかも同一の政党から立候補したかのように残議席を争える。イスラエルが導入しているハーゲンバッハ・ビショッフ式は大政党に有利な方式となっているため小政党単独の名簿よりも2つの同盟が残議席を獲得しやすくなる。もし同盟が残議席を獲得した場合、ハーゲンバッハ・ビショッフ式の計算を適用して、各々の名簿にどのように議席を配分するかを決定することになる。今回の選挙では以下の政党が協定を結んでいる。
脚注[編集]
- ^ 「The rise of Israel's extreme right」『AXIOS』、2022年11月3日。2023年6月9日閲覧。
- ^ 「イスラエルのネタニヤフ政権発足、極右内閣で首相に返り咲き」『Reuters』、2022年12月29日。2023年6月18日閲覧。
- ^ “イスラエル:ベネット首相とラピード外相が国会解散を発表”. 公益財団法人 中東調査会. 2023年6月18日閲覧。
- ^ “イスラエル、解散・総選挙へ ラピド氏が暫定首相に”. www.afpbb.com (2022年6月21日). 2023年6月18日閲覧。
- ^ אזולאי, מורן (2022年6月30日). “הכנסת פוזרה סופית: בחירות ב-1 בנובמבר, לפיד יהפוך בחצות לרה"מ ה-14” (ヘブライ語). Ynet 2023年6月18日閲覧。
- ^ Sharon, Jeremy. “Bennett announces he won’t run in next elections, hands Yamina leadership to Shaked” (英語). www.timesofisrael.com. 2023年6月18日閲覧。