硬筆書写技能検定

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硬筆書写技能検定
実施国 日本の旗 日本
資格種類 民間資格
試験形式 理論・実技
認定団体 日本書写技能検定協会
後援 文部科学省
認定開始年月日 1964年
等級・称号 1級 - 5級
公式サイト [1]
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ウィキポータル ウィキポータル 資格
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硬筆書写技能検定(こうひつしょしゃぎのうけんてい)は、一般財団法人日本書写技能検定協会が実施する硬筆書写の技能検定である[1]文部科学省後援。

概要[編集]

1964年(昭和39年)3月29日ペン字検定の名称でスタート。1990年(平成2年)4月1日に現在の名称に変更された。

検定級[編集]

括弧内のレベルは実質的なものである。1級及び準1級は指導者を目指す者向けの級なので、一般人は2級を取得すれば十分である。

1級(大学・一般程度)[編集]

硬筆書写の高度な専門技術及び知識をもって書くことができる。

実技 速書き
漢字10字を書く(楷行草三体)
縦書き
横書き
自由作品(和歌、現代詩、漢詩から一つ選択)
掲示文(縦書き)
理論 常用漢字を旧字体や書写体に直す(各5字)
草書(一字ずつ)と古典(主として古筆)を読む
漢字の添削(一字ずつ)
書道史(作者と作品合わせ)
誤字訂正
歴史的仮名遣いへの訂正

準1級(大学・一般程度)[編集]

硬筆書写のより専門的な技術及び知識をもって書くことができる。

実技 速書き
漢字8字を書く(楷行草三体)
縦書き
横書き
自由作品(和歌現代詩漢詩から一つ選択)
掲示文(縦書き)
理論 常用漢字を旧字体や書写体に直す(各5字)
草書4字と古筆を読む
書道用語・書道史(正誤式)
書道史(作者と作品合わせ)
誤字訂正

2級(高校卒業・大学・一般程度)[編集]

硬筆書写の専門的な技術及び知識をもって書くことができる。

実技 速書き
漢字10字を書く(楷書・行書)
縦書き
横書き
はがきの本文
掲示文(横書き)
理論 常用漢字の楷書行書の筆順
旧字体や書写体を常用漢字に直す(各5字)
草書を熟語で読む
平仮名のもとの漢字
漢字の部分の名称
誤字訂正

3級(中学校卒業程度)[編集]

硬筆書写一般の技術及び知識をもって書くことができる。

実技 速書き
漢字10字を書く(楷書・行書)
縦書き
横書き
はがきのあて名
掲示文(横書き)
理論 漢字の部分の名称
常用漢字の楷書の筆順
草書を文中で読む
誤字訂正

4級(小学校6年生修了程度)[編集]

硬筆書写の基礎的な技術及び知識をもって書くことができる。

実技 速書き
漢字仮名交じりの言葉5~6字を書く
縦書き
横書き
掲示文(縦書き10字前後を2行で書く)
理論 小学校第6学年までの学習漢字の楷書・平仮名・片仮名の筆順
学習漢字の書き取り

5級(小学校5年生修了程度)[編集]

硬筆書写の初歩的な技術及び知識をもって書くことができる。

実技 漢字仮名交じりの言葉5~6字を書く
縦書き
横書き
掲示文(縦書き10字前後を2行で書く)
理論 小学校第5学年までの学習漢字の楷書・平仮名・片仮名の筆順

合格[編集]

合格点
1級 実技600点満点中535点以上かつ理論400点満点中315点以上
準1級 実技600点満点中515点以上かつ理論400点満点中305点以上
2級 実技600点満点中475点以上かつ理論400点満点中295点以上
3級 実技600点満点中415点以上かつ理論400点満点中275点以上
4級 実技・理論合わせて700点満点中460点以上
5級 実技・理論合わせて500点満点中300点以上

その他[編集]

  • 平成18年度第1回検定から準1級及び5級が設けられた。
  • 個人受検の場合、日本国内70か所余りに設置される公開会場で受検する。
  • 団体受検の場合、受検者数が硬筆・毛筆合わせて20人以上のときは、単独会場を設置することができる。

上記二つのいずれの場合も、検定は年3回(6月の第3日曜日、11月の第2日曜日、1月の最終日曜日)、毛筆書写技能検定と同じ日に行われる。

  • 同一回において、二つ以上の級を同時に受検することはできない。しかし、硬筆と毛筆は、どの組合せでも受検することができる。
  • 1級~3級の不合格者において、実技又は理論のどちらかが合格点に達している場合は、準登録の手続きを行う。これを行うと、次回及びその次の回の検定で不合格科目のみを受検することができる。それに合格すると正規の合格者となる。
  • 1級に合格すると、優秀な指導者としての社会的な位置付けを行うための指導者証及び認定書が交付され、ペン字教室を開くことができる。

出典[編集]

  1. ^ 硬筆・毛筆の書写技能検定について”. 日本書写技能検定協会. 2023年6月3日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]