牡蠣の土手鍋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
牡蠣の土手鍋(かきのどてなべ)とは、鍋の周りに味噌を塗りつけ、カキと豆腐や野菜を煮ながら食べる広島県の郷土料理(鍋料理)。 貝類と野菜を味噌味で煮たものが、一般的に「土手鍋」あるいは「土手鍋風」と呼ばれているが、本来は生ガキを用い、府中味噌(広島県府中市で作られる甘味のある白味噌)を鍋の内側の周りに土手のように塗って作る鍋料理を「カキの土手鍋」あるいは「土手鍋」という。
[編集] 牡蠣の養殖と広島県
日本でのカキの養殖は広島県が最初とされ、その起源は室町時代にまで遡るといわれる。 広島湾を中心とした沿岸地域が主な生産地で、その生産量は約2万トンにもおよび、日本一を誇っている。 そのため、カキに関係する産業も多く、一般家庭での消費量も他県に比べて非常に高いものとなっている。 また、各家庭に伝わるカキ料理の種類も多い。出荷量では、日本で流通するカキの約半数以上を占める広島県産のカキだが、これに続いて宮城県産、岡山県産なども有名である。 宮城県でのカキの養殖は、江戸時代末期頃から始まり、大正末期頃から盛んに行われるようになった。 その他の地域では、北海道厚岸町産のカキも有名である。厚岸は、昔から天然の真ガキが多く生息していたとされ、町名である「厚岸」の由来は、アイヌ語の「アッケケシ」(カキのたくさん獲れる地)からだと言われている。 この様に日本人とは馴染みの深いカキだが、取分け、正月に食べる雑煮にもカキを入れるという広島県では、シーズン中はどこの家庭でも毎日のようにカキ料理が食卓に上がるという。数々あるカキ料理の一つに土手鍋があるが、味付けや調理法も各家庭によって工夫がある。
[編集] 概要
- カキ鍋の一種で、味噌を鍋の周りに、土手のように塗りつけることから、この名が付いたというのが有力な説だが、由来については諸説があり、「土手」と言う行商人が考案した、大坂の土手で売っていたなどの説もある。
- 土手鍋は、独特の食べ方に特徴があり、食べる直前に味噌の土手を崩しながら、好みの味加減にして食べる。
- また、鍋の中央に味噌を入れたものでも「土手鍋」と呼ぶ場合があり、土手鍋を指して「(カキの)土手焼き」とも呼ぶ人もいる。
[編集] 作り方・コツ
- 材料は、カキと味噌の他、ネギ、白菜、豆腐など。
- カキは温まる程度で、あまり煮ない方が風味があり美味しく食べられる。カキを沢山入れるときは、他の材料が殆ど煮えたところにカキを入れる。カキが少ない時は始めから野菜を一緒に入れて煮ると、野菜類が美味しくなる。
- 材料(4人分)
- 合せ味噌(1:1)
- だし汁
- 二番出し 適量
- 作り方
- 1 カキは薄い塩水でふり洗いして水気を切る。
- 2 焼き豆腐は食べやすい大きさに切る。春菊は葉先をちぎる。
- 3 せり(叉はほうれん草)は洗ってから4~5cmの長さに切る。
- 4 長ネギは5cm程度の筒切りにした後、縦方向に切り込みを入れる。
- 5 こんにゃくはサッと茹でてから、手で1口サイズにちぎる。
- 6 ボールに合せ味噌の調味料を入れ、すりこぎ叉はしゃもじを使って練り合わせる。
- 7 土鍋のフチに6を練りのせ、材料(1~5)を並べ、だし汁を味噌の壁より1cmほど低い高さまで入れ火にかける。
- 8 フタをして中火にかけ、煮立ったら好みの味付けになる様に合せ味噌を溶きながら食べる。
- 9 途中で煮汁が減ってきたら、だし汁を加え、その都度、合せ味噌を崩して味を調える。