泣いたり笑ったり

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泣いたり笑ったり
Croce e delizia
監督 シモーネ・ゴダノ
脚本 ジュリア・シュタイガーヴァルトイタリア語版
原案
  • シモーネ・ゴダノ
  • ジュリア・シュタイガーヴァルト
製作
出演者
音楽 アンドレア・ファッリ
撮影 ダニエーレ・チプリイタリア語版
編集 ジャンニ・ヴェツォシ
製作会社
配給
公開
  • イタリアの旗 2019年2月28日
  • 日本の旗 2022年12月2日
上映時間 100分
製作国 イタリアの旗 イタリア
言語
  • イタリア語
  • フランス語
興行収入
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泣いたり笑ったり』(ないたりわらったり、Croce e delizia)は2019年イタリアコメディ映画。 シモーネ・ゴダノ監督の2作目の作品で[3]、出演はアレッサンドロ・ガスマンジャスミン・トリンカファブリッツィオ・ベンティヴォリオイタリア語版など。 対照的な2家族の、孫もいる家長同士が同性結婚することになったことで起きる騒動を描いている。

日本では2021年4月から6月まで開催された「イタリア映画祭2021」で劇場公開された[3]他、オンライン配信された[4]。その後、2022年12月2日から東京のYEBISU GARDEN CINEMAシネマート新宿アップリンク吉祥寺ほか全国で順次劇場公開される予定[5]

ストーリー[編集]

裕福なカステルヴェッキオ家の家長であるトニは、海辺の別荘の離れを労働者階級のペターニャ家に貸し出す。離れには家長のカルロ、長男サンドロとその妻カロリーナと息子アダム、カルロの幼い次男ディエゴの5人がやって来る。別荘にはトニの誕生日を祝うために長女ペネロペと次女オリヴィア、オリヴィアの幼い娘エロディ、トニの妹イーダとその恋人ジャンルコーネが集まる。実はトニとカルロは結婚式を3週間後に控えており、その事実を報告するために家族を集めたのである。カステルヴェッキオ家はペネロペ以外の全員が2人の結婚を祝福したが、保守的なペターニャ家ではサンドロもカロリーナも激しいショックを受け、サンドロは妻子と弟を連れて家に帰ろうとする。カステルヴェッキオ家で唯一結婚に反対しているペネロペは、あまりに価値観の違う2家族が共に過ごせばトラブルが起きるはずで、そうすればトニもカルロも現実に気付いて目が覚めるだろうと考え、2人の仲を裂くためにペターニャ家に残ってもらうことをサンドロに提案する。サンドロは父親がゲイであることは受け入れられないが、父親を敬愛する気持ちに変わりはないので父親を裏切ることに抵抗感を示すものの、結局はペネロペの提案を受けることにする。

こうして対照的な2家族はひと夏を共に過ごすことになり、幼い子供たちはすぐに打ち解け合う。また、おおらかなカステルヴェッキオ家の人々はペターニャ家の人々をすんなりと受け入れるが、ペネロペは助っ人としてトニの元妻で自分の実母であるジュリエッタをパリから呼び出す。当初は浮気性で適当な性格のトニが結婚するなどありえないと反対していたジュリエッタだったが、カルロの誠実な人柄に触れると、2人の結婚を祝福するようになる。一方、ペターニャ家のサンドロとカロリーナもカステルヴェッキオ家の人々と徐々に打ち解けていくものの、サンドロはトニとカルロの結婚をどうしても受け入れることができない。そんな中、ペネロペはカルロの誠実さや優しさに触れるうちに気持ちに変化が現れてくる。ところが、ペネロペは本音を語り合って打ち解けたサンドロに思わずキスしてしまい、それを目撃したカロリーナは怒りに任せて、ペネロペが結婚を邪魔するためにペターニャ家に残るように提案していたことをトニとカルロの前で暴露してしまう。この事態にペネロペは父トニの利己的な性格や自分に関心を示さない姿勢を激しくなじり、「普通の家族が欲しかった」と怒りをぶつける。トニは無言でその場を後にする。カルロは過呼吸になったペネロペを介抱し、翌朝、別荘に戻ると、息子たちがカルロ1人を残して帰ってしまったことを知る。そして、彼らが出て行ったことに安堵しているトニに幻滅し、自分の娘にすら関心を持たない利己的なトニに別れを告げて家に帰ると、これまで通りの生活に戻る。トニもまた1人でローマの家に戻る。

2週間後、結婚式の予定を明日に控えて、トニはペネロペの職場を訪れると、これまでの仕打ちを詫びるとともにカルロへの想いを語る。ペネロペはトニを連れてカルロのもとを訪ねるが、カルロは漁に出ていた。サンドロはトニのカルロへの想いと覚悟を確認すると、ボートでトニとペネロペを父親がいる漁場に連れていく。海が苦手なトニは必死の思いでカルロにプロポーズする。2人は強く抱き合って熱いキスをする。こうしてトニとカルロは予定通りに結婚式を迎え、両家族から祝福される。

キャスト[編集]

製作[編集]

撮影は2018年11月にローマフォルミアガエータで行われた[6][7]

出典[編集]

  1. ^ An Almost Ordinary Summer” (英語). Box Office Mojo. 2021年6月1日閲覧。
  2. ^ Croce e Delizia” (英語). The Numbers. 2021年6月1日閲覧。
  3. ^ a b 作品情報”. イタリア映画祭2021. 朝日新聞社. 2021年6月1日閲覧。
  4. ^ オンライン上映”. イタリア映画祭2021. 朝日新聞社. 2022年10月21日閲覧。
  5. ^ “セレブ紳士×海の男の恋 父親同士の再婚が大騒動を巻き起こす「泣いたり笑ったり」予告”. 映画.com. (2022年10月21日). https://eiga.com/news/20221021/15/ 2022年10月21日閲覧。 
  6. ^ “Ciak, si gira! “Croce e Delizia”, il nuovo film di Simone Godano” (イタリア語). RB Casting. (2018年11月8日). https://www.rbcasting.com/altri-articoli/2018/11/08/ciak-si-gira-croce-e-delizia-il-nuovo-film-di-simone-godano/ 2021年6月1日閲覧。 
  7. ^ De Meo, Francesca (2018年11月10日). “Formia, “Croce e delizia” di un amore: parla il regista Simone Godano” (イタリア語). Latinaquotidiano.it. https://latinaquotidiano.it/formia-croce-e-delizia-di-un-amore-parla-il-regista-simone-godano 2021年6月1日閲覧。 

外部リンク[編集]