斎藤慎一郎

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斎藤 慎一郎
(さいとう しんいちろう)
誕生 (1940-04-22) 1940年4月22日
日本の旗 神奈川県横浜市
死没 (2007-12-16) 2007年12月16日(67歳没)[1]
国籍 日本の旗 日本
主な受賞歴クモ合戦の文化論 伝承遊びから自然科学へ
厚生省児童福祉文化奨励賞
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斎藤慎一郎(さいとう しんいちろう 1940年4月22日 - 2007年12月16日[1])は神奈川県横浜市出身の童話作家[2]、詩人[3]クモ研究家[1]。 「クモクモ仙人」と呼ばれた[2][1]中池見湿地のクモを調査したことがきっかけで[2]同湿地の保護など地球環境保護の問題にも取り組んだ[3]

東京教育大学(芸術学)卒業。日本蜘蛛学会[2]山村民俗の会[2]国際泥炭学会(IPS)[2]世界自然保護基金日本委員会[2]東京・中部・三重蜘蛛談話会会員。

略歴[編集]

  • チェロと自然と平和をこよなく愛し、興味関心は多方面におよび、非常に博学であった。
  • 植物分類学、植物遺伝学、民俗学、方言学、クモ学、泥炭学等に造詣が深く、子ども文庫、ゲーテ植物学会、栗木黒川を守る会、ゲーテ博物楽会、スリークォーターズ(チェロ演奏グループ)等のグループを立ち上げた。
  • 登校拒否の子供たちと関わり、チェロ演奏、文筆活動、作詞(詩)、作曲、川柳、短歌、自然保護、折り紙創作、平和活動としての九条カボチャの栽培運動等、様々な活動を思いの丈繰り広げた。
  • 思想は一貫して、すべての人のしあわせを願い、自然や命の大切さを語りかけ、永久平和を願ったことである。そして博物楽に代表させて、学問はすべて○○楽(○○がく)であるべしとした。
  • 自らをクモクモ仙人と称し、特に、蜘蛛の民俗学の分野に大きな業績を残した。
  • 最初に出版された著作は、学校警備員として勤務中にB6判の紙で発行していた「花の新聞 世界一小さい植物園」を収録したもの。現代旅行研究所から1982年10月に「小さい植物園」として発行された。表紙にはゲーテ植物学会会員・大笹悦子さんの色鉛筆画を使っている。図書館協議会選定図書。
  • 少年時代ホンチ遊びに夢中になり、いつかこのことについて研究したいと胸に暖めていた。警備員退職前後から横浜・千葉のみならずあちこち足で調べ、成果をまとめあげた。1984年に大日本図書に持ち込んだ原稿は出版を快諾され、「クモ合戦の文化論 伝承遊びから自然科学へ」として、同年12月に刊行された。本書は3刷りまで版を重ね、厚生省児童福祉文化奨励賞を受賞した。学習塾の副教材として採用されたり、本書を下敷きに児童映画「僕のクモ合戦」が作られたりした。
  • 高校時代から児童文学を執筆しており、その一部が「星雲ミカの小さな冒険」(全2巻)として、2011年に刊行された。 

著書[編集]

  • 小さい植物園 現代旅行研究所, 1982
  • クモ合戦の文化論 伝承遊びから自然科学へ 大日本図書 1984
  • クモの合戦 虫の民俗誌 (川名興との共著) 未来社, 1985
  • 日本民俗文化資料集成第11巻 動植物のフォークロアⅠ (共著) 三一書房, 1992
  • 日本民俗文化資料集成第12巻 動植物のフォークロアⅡ (共著) 三一書房, 1993
  • 虫と遊ぶ―虫の方言誌 大修館書店, 1996
  • 蜘蛛 法政大学出版局, 2002
  • ア・カペラ混声合唱のための歌う昆虫記 (共著) サーベル社, 2005
  • 奇跡の泥炭湿原 中池見湿地 自費出版, 2008
  • 星雲ミカの小さな冒険―「鳥へっぽこ新聞」誕生篇 晶文社, 2011
  • 星雲ミカの小さな冒険―久里マリアさんへの手紙篇 晶文社, 2011

翻訳書[編集]

  • クモの不思議な生活 マイケル・チナリー 斎藤慎一郎訳 晶文社, 1997
  • イギリスの都会のキツネ スティーヴン・ハリス 斎藤慎一郎訳 晶文社, 1998
  • ウサギの不思議な生活 アン・マクブライド 斎藤慎一郎訳 晶文社, 1998
  • アリと人間 レイ・ノース 斎藤慎一郎訳 晶文社, 2000
  • フクロウの不思議な生活 クリス・ミード 斎藤慎一郎訳 晶文社, 2001

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 注連縄の張替え”. 特定非営利活動法人ウエットランド中池見. 2013年1月15日閲覧。[1]
  2. ^ a b c d e f g 「フクロウの不思議な生活」”. ゲンゴロウ文庫. 中池見湿地トラスト ゲンゴロウの里基金委員会. 2013年1月15日閲覧。
  3. ^ a b 内野秀重 (2011年2月22日). “クモ仙人、斎藤慎一郎さんを忍ぶ”. 内野副館長の長池公園日誌. 2013年1月15日閲覧。