中山芳一

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中山 芳一(なかやま よしかず、1976年1月21日[1] - )は、日本の学者。岡山大学准教授。専門は教育方法学[2]岡山県岡山市出身[1]

人物[編集]

※出典[3][4]

岡山県岡山市で生まれ、育った生粋の岡山県民。

小学生の頃から小学校教師に憧れ、岡山大学教育学部小学校教員養成課程へ入学。

岡山大学卒業のタイミングで学童保育と出会ったことから、当時岡山県内にたった一人の男性学童保育指導員として活躍するようになった。

そんな中、学童保育の研究が将来的な学童保育の充実に必要不可欠であると確信し、一念発起して岡山大学大学院教育学研究科への進学を決意。

学童保育指導員から教育方法学者の道へ大きく方向転換をした。

その後、中国学園大学子ども学部研究員を経て、岡山大学の教員として学生たちのキャリア教育や正課外活動支援を担当することとなる。

そして、小学生の学童保育から大学生のキャリア教育に到るまで、共通して非認知能力の育成が大切であると確信するようになり、

そこから学童保育にとどまらず幼児教育や学校教育などで非認知能力の育成に関する研修会や講演会、執筆活動を多数行っている。

特に、研修会や講演会はその対象をますます広げていき、年間200件を超えるようになった。

主な略歴[編集]

  • All HEROs合同会社 代表社員[5]
  • 日本放課後学会 代表理事[6]
  • 岡山大学教育推進機構 准教授
  • 岡山県子ども子育て会議 会長
  • 岡山県教育委員会 夢育アドバイザー
  • 京都府教育振興プラン検討会議 委員
  • 京都府長岡京市教育委員会 顧問
  • 大阪府茨木市茨木っ子プラン アドバイザー
  • (特非)日本放課後児童指導員協会 副理事長
  • (一社)子ども學びデザイン研究所 所長
  • (一社)教育ソリューション研究協議会 アドバイザー

主な活動[編集]

大学生のキャリア教育・正課外活動[編集]

2010年度より岡山大学教育推進機構の教員として在職。

そこで、すべての1年生が必修で受講する初年次キャリア教育科目「キャリア形成基礎講座」の主担当教員を務める。

ほかにも、より実践的なキャリア教育科目となる「キャリアデザイン」も担当。

特に、「コミュニケーション力に磨きをかける」という授業科目では、2013年には岡山大学学生・教職員教育改善専門委員会によるベストレクチャー賞も受賞した。

さらに、岡山大学の正課外活動を支援する主担当教員として、学内の校友会クラブの団体や学生の自主的なPBL団体でもある岡プロ!などを支え続けてきた。

幼児教育・学校教育現場[編集]

学力テストなどの客観的な点数では評価・測定できない能力として総称される「非認知能力」に関して、これまで36都道府県での研修や講演を行ってきた。

その中でも、地元の岡山県をはじめ、アドバイザーや顧問を務める京都府や大阪府などの17都府県では、継続的に各学校園との連携を進めている。

その取り組みから2023年には『教師のための「非認知能力」の育て方』を刊行したり、文部科学省における研修へ招聘されたりと随所で高い評価を得るようになった。

さらに、今後の教育現場の動向に対して強い問題意識を抱いていることから、大学教員の枠を超えて2023年にAll HEROs合同会社を設立。

教育現場に従事するすべての人たちがヒーローになってもらいたいという願いを込めて、代表社員としても活動を始めた。

学童保育などの放課後[編集]

約9年間の学童保育指導員の経験をベースに、学童保育指導員(放課後児童支援員)の専門性を研究する研究者になった。

現場の状況を熟知した上で研究者としての理論を構築していることもあり、各種研修会では常に高い評価を得ている。

特に、2015年度より始まった準国家資格ともいわれる「放課後児童支援員認定資格研修」に関しては、開始年度より全国各地で講師を務め続けている。

そのほかにも学童保育(放課後児童クラブ)については、日本初の民間による学童保育指導員固有の資格を作った(特非)日本放課後児童指導員協会の立ち上げや、

岡山を代表する民間学童保育所AMI学童保育センターを運営する(一社)子ども學びデザイン研究所の立ち上げに全面的に携わってきた。

さらには、2023年に日本放課後学会の立ち上げにも携わっており、初代代表理事を務めることとなった。

そのほか[編集]

保護者や一般の方々を対象とした子育てや人材育成の講演会講師も多数務めている。

特に、2023年4月に「こども基本法」が施行されたこともあり、「子どもの権利」と子育てを中心とした内容を踏まえて『「やってはいけない」子育て』を刊行した。

併せて、ニートや引きこもりになりがちな若者の方々を対象としたセミナーや民間企業の職員の方々を対象としたセミナーなども行っている。

このように、求められるところがあればできるだけ自分から趣いて、そこの方々と一緒に課題解決をしていこうとするスタンスが高い評価を得ているようである。

著書[編集]

単著[編集]

  • 『教師のための「非認知能力」の育て方』(2023年、明治図書)
  • 『「やってはいけない」子育て―非認知能力を育む6歳からの接し方』(2023年、日本能率協会マネジメントセンター)
  • 『家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』(2020年、東京書籍)
  • 『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』(2018年、東京書籍)
  • 『新しい時代の学童保育実践』(2017年、かもがわ出版)
  • 『コミュニケーション実践入門—コミュニケーション力に磨きをかける』(2015年、かもがわ出版)
  • 『学童保育実践入門—かかわりとふり返りを深める』(2012年、かもがわ出版) 

共著・監修[編集]

  • 『スウェーデンと日本発! 非認知能力を伸ばす実践アイデアブック』(2023年、東京書籍)
  • 『学童保育指導員になる、ということ。』(2023年、かもがわ出版)
  • 『ココロとカラダがぐんぐん育つ!3歳までのカンタンおうちあそびレシピ50』(2022年、日本能率協会マネジメントセンター)
  • 『東大メンタル 「ドラゴン桜」に学ぶ やりたくないことでも結果を出す技術』共著(2021年、日経BP)
  • 『大学生のための教科書』(2021年、東京書籍)
  • 『非認知能力を伸ばすおうちモンテッソーリ77のメニュー』(2020年、東京書籍)
  • 『しあわせな放課後の時間—デンマークとフィンランドの学童保育に学ぶ』(2013年、高文研)
  • 『大学生のためのキャリアデザインー大学生をどう生きるか』(2013年、かもがわ出版)
  • 『学童保育実践力を高める―記録の書き方・生かし方、実践検討会のすすめ方』(2009年、かもがわ出版)

脚注[編集]

  1. ^ a b コミュニケーション実践入門―コミュニケーション力に磨きをかける”. 紀伊國屋書店ウェブストア. 2020年12月24日閲覧。
  2. ^ 中山 芳一”. 岡山大学 研究者総覧. 2020年12月24日閲覧。
  3. ^ 中山 芳一さん”. ENGINE. ゲストプロフィール. 2021年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月13日閲覧。
  4. ^ 中山 芳一 著者ページ”. おやこのへや. 著者一覧. 2021年6月21日閲覧。
  5. ^ MEMBER”. All HEROs. 2023年8月15日閲覧。
  6. ^ 設立記念大会を開催しました‼”. 日本放課後学会 (2023年4月2日). 2024年4月28日閲覧。

外部リンク[編集]