三途成不論争

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三途成不論争(さんずじょうふろんそう)は、江戸時代末期における本門法華宗内の教義上の論争。皆久論争とも呼ばれる。

概要[編集]

十界皆成論と呼ばれる、「生前の悪業の報いで地獄界、餓鬼界、畜生界(三途または三悪道)に堕して苦しんでいる者たちも、子孫、縁者の題目による回向で、題目の功徳が三途に通じ、たちまち堕獄の境遇から逃れて成仏できる」という考えを支持する皆成派十界久遠論と呼ばれる、「三途(三悪道)の畜類(畜生)はそのまま成仏するのではなく、縁者の手向ける題目の法力で、人界に回生し、題目口唱の信心の功徳によって成仏できる。無信無行の畜生が、そのまま成仏できるなら、何も滅罪生善の修行などする必要がない。」という考えを支持する、久遠派の対立。なお、十界久遠論が、先祖供養などに繋がり、現代の霊友会などに影響を与えた。

関連項目[編集]