ワイヤー消し

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ワイヤー消し(ワイヤーけし)とはデジタル合成の一種で、ワイヤーアクション操演による撮影の際に画面内に映ったワイヤーを、コンピュータを用いて除去する作業のこと。

英語式にワイヤー・リムーバル (Wire Removal) とも呼ぶ。日本では俗に線消し(せんけし)とも呼ぶ。英語ではデジタルリムーバル (Digital Removal) と呼ばれており、VFXのスタンダードな技術である。

歴史[編集]

かつてフィルム撮影で映像が製作されていた時期は、オプチカル・プリンターなどを使い、光学合成処理によってワイヤーを消していた。

自動的にワイヤーを消すソフトもいくつか存在するが、多くの場合ではアクションが大きすぎるため、手作業でワイヤーを消していくことになる。実際的には、ワイヤーの周囲の風景から適当な色を抽出し、ワイヤー部分を塗りつぶすということを1コマずつ行う作業である。PhotoshopAdobe After Effectsなどの画像処理ソフトが使用される。

ワイヤー消しの技術の先駆者はインダストリアル・ライト&マジックであり、『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』(1986年)、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989年)、『フック』(1991年)などの映画で開発されていった。

関連項目[編集]