リチャード・コズウェイ

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リチャード・コズウェイ
Richard Cosway
自画像
誕生日 1742年11月5日
出生地 イギリス,Tiverton
死没年 1821年7月4日
死没地 イギリス,ロンドン
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リチャード・コズウェイ(Richard Cosway RA、1742年11月5日1821年7月4日)は18世紀後半のイギリスを代表する肖像画家である。1995年製作のアメリカ・フランス合作映画、「ジェファソン・イン・パリ/若き大統領の恋」のストーリーのモデルとなった、合衆国大統領になる前のトーマス・ジェファソンがヨーロッパで親しく付き合ったイタリア生まれの画家、音楽家、女性教育者のマリア・コズウェイの夫である。

略歴[編集]

デヴォン州のTivertonで、学校の校長の息子に生まれた。父親が校長を務めていたTivertonの学校で学び始めた後、12歳の時にロンドンに出て絵の勉強をすることが許された。ロンドンでは肖像画家のトマス・ハドソン(1701-1779)に学び、ウィリアム・ウィップリー(William Shipley) の創立した絵画学校で学び、1754年には美術協会の賞を取り、1760年までには画家として収入が得られるようになった。

1768年に勅許を得て設立されたロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの準会員として1770年8月に選ばれた最初の画家たちの一人であり、1771年には会長のジョシュア・レノルズに認められて正会員に選ばれた[1]

1780年には当時皇太子(プリンス・オブ・ウェールズ)であったジョージ4世の肖像画を描き、1785年に皇太子の宮廷画家に任じられた[2] 。皇太子の最初の妻であるマリア・フィッツハーバートや、イギリスの貴族や、ルイ15世公妾であるデュ・バリー夫人らのフランスの貴族の肖像画を描いた。

38歳であった1781年1月に、イギリス人の父親とイタリア人の母親の娘で、フィレンツェで育った、マリア・ハドフィールド(Maria Hadfield: 1760-1838)と結婚した。マリアの母親が1879年に父親を亡くしたマリアに安定した生活をさせるために20歳年上の、裕福な画家と結婚させたともされる[3]。マリアはフィレンツェで美術と音楽を学んだ女性で1781年から1801年の間、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの展覧会に作品を出展した。1786年8月、パリを訪れたマリアは1785年から1789年まで駐フランス公使を務めていたトーマス・ジェファーソン(1743-1826)と知り合い、親しい間柄になったとされ、1995年に作られた映画の題材になった。この頃、リチャード・コズウェイも既婚の女性画家、メアリー・モーザーと愛人関係になり、2人で長い旅をしている。

1784年からコズウェイ夫妻はロンドンの高級住宅街、ペル・メルの Schomberg Houseで暮らし[2] 、邸は有名人が集まるサロンになった。1791年にロンドン、オックスフォード・ストリーのより大きな屋敷に移った。

1789年ころマリアと別居し、マリアはその後フランスで女性のための学校を運営したり、イタリアの修道会の学校を運営した。

晩年のコズウェーは精神障害に苦しみ、さまざまな施設で治療を受けた後 1821年にロンドンで亡くなった。

弟子にはアンドリュー・プリマー(Andrew Plimer: 1763–1837) がいる。

作品[編集]

参考文献[編集]

関連文献[編集]

  • Gerald Barnett, Richard and Maria Cosway: A Biography. Tiverton, Devon, UK: Westcountry Books, 1995.
  • Philippe Bordes, "Richard and Maria Cosway, Edinburgh," Burlington Magazine, vol. 137, no. 1111 (Oct. 1995), pp. 700–702. In JSTOR.
  • Daphne Foskett, Miniatures: Dictionary and Guide. London: Antique Collectors' Club, 1987.
  • Duncan MacMillan, "The Cosways," RSA Journal, vol. 143, no. 5464 (Nov. 1995), pp. 65–66. In JSTOR.
  • "Richard Cosway, 'The Macaroni Miniature Painter,'" The Art Amateur, vol. 8, no. 2 (Jan. 1883), pg. 38. In JSTOR.
  • Williamson, George Charles (1911). "Cosway, Richard" . In Chisholm, Hugh (ed.). Encyclopædia Britannica. Vol. 7 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 248.
  • Fagan, Louis Alexander (1887). "Cosway, Richard" . In Stephen, Leslie (ed.). Dictionary of National Biography. Vol. 12. London: Smith, Elder & Co.
  • Lloyd, Stephen. "Cosway, Richard (bap. 1742, d. 1821)". Oxford Dictionary of National Biography (online ed.). Oxford University Press. doi:10.1093/ref:odnb/6383. (Subscription or UK public library membership required.)