ユニオン・パシフィック鉄道800形蒸気機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ユニオン・パシフィック鉄道 FEF型
動態保存機のFEF-3形844号機
動態保存機のFEF-3形844号機
基本情報
運用者 ユニオン・パシフィック鉄道
製造所 アメリカン・ロコモティブ
形式 FEF-1、FEF-2、FEF-3
製造年 1937年 - 1944年
製造数 45両
主要諸元
軸配置 4-8-4
軌間 1,435 mm
機関車重量 FEF-1: 210.9 t
FEF-2・3: 219.1 t
動輪上重量 FEF-1: 122.5 t
FEF-2・3: 122.5 t
総重量 FEF-1: 376.5 t
FEF-2・3: 219.1 t
動輪径 FEF-1: 1,956 mm
FEF-2・3: 2,032 mm
シリンダ数 2気筒
シリンダ
(直径×行程)
FEF-1: 622 mm × 813 mm
FEF-2・3: 635 mm × 813 mm
ボイラー圧力 2.07 MPa
火格子面積 9.3 m2
燃料 石炭 (FEF-3は重油)
燃料搭載量 石炭: 22.7トン
重油: 22,712.5 L
水タンク容量 76,000 L
引張力 FEF-1: 283.0 kN
FEF-2・3: 283.6 kN
テンプレートを表示

ユニオン・パシフィック鉄道800形蒸気機関車FEF型)はアメリカ合衆国ユニオン・パシフィック鉄道に所属するテンダー式蒸気機関車である。製造時期と仕様の差異によりFEF-1形、FEF-2形、FEF-3形の3形式に分類される。「FEF」の名称は車輪配置4-8-4 (Four-Eight-Four) に由来している。

概要[編集]

車輪配置に4-8-4(2D2)の「ノーザン」型を採用した旅客用機関車として、1937年から1944年にかけて45両がアメリカン・ロコモティブにより製造された。

 ユニオン・パシフィック鉄道は列車の大型化による立ち往生の対策に西部の大山脈越えのために車軸配置4―8―4の機関車を投入することを決めた。ユニオン・パシフィック鉄道は他の鉄道より遅くノーザン型を導入を始めた。

 この機関車の特徴として横動システムとロッドのつなぎ方である。

 FEFは第一動輪が19.05mm、第二第三動輪が9.73mmそれぞれ横にスライドし、それをばねで抑えることでレールへの横圧を少なくした。

 もう一つにユニオン・パシフィック鉄道から提案された、ロッドのつなぎ方である。タンデム・カップリングロッドと呼ばれるこの方式はロッド同士をつなぐナックルピンをやめて、つなぎ目を太目のクランクピンのところで上から見て一方を二股にして相手挟み込むようにつないでいる。これは摩耗に対して有利になった。この繋ぎ方はアメリカの鉄道会社に広まることになった。

1937年、FEF-1形となる最初の20両が800 - 819号機として製造された。

FEF-1形の814号機。

1939年からは改良機のFEF-2形として820 - 834号機の20両が製造され、動輪径の拡大と牽引力の向上(283.0 → 283.6 kN)が図られた。

FEF-2形。1943年撮影。

1944年登場のFEF-3形はFEF-2形と同一形態ながら一部で代用材料を使用したもので、835 - 844号機の10両が製造された。第二次世界大戦後、FEF-3形は重油燃焼式に改造された。

Union Pacific FEF-3形の844号機。テキサス州のKosse周辺にて撮影。

FEF-1形は814号機、FEF-2形は833号機の各1両が静態保存されている。FEF-3形は844号機が現役時代より一度も車籍を失うことなく動態保存され、この844号機に供出する部品取り用として838号機が保管されている。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]