マレイミド

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マレイミド
マレイミド
IUPAC名マレイミド(許容慣用名)
2,5-ピロールジオン(系統名)
分子式C4H3NO2
分子量97.07
CAS登録番号541-59-3
形状白色固体
融点91-93 °C

マレイミド(maleimide)とは、マレイン酸イミド化した5員環の有機化合物で、白色の固体である。マレイミドは、NHの部位をアルキルアリールに置換することが可能で、様々な誘導体が合成されている。

性質と反応性[編集]

水や多くの有機溶媒に可溶。強塩基性の水溶液中では加水分解によって開環し、アミド結合とカルボキシ基を生じる。

マレイミドの二重結合は、隣接する2つのカルボニル基電子求引性の影響で、無水マレイン酸などと同様にLUMO のエネルギー準位が低く、ディールス・アルダー反応におけるジエノフィルとしての反応性が高い。また、チオールの求核攻撃(マイケル付加)を受けやすい。これらの性質から、有機化学生化学の分野において、リンカーとして広く用いられている。

関連項目[編集]