マイクロ波トモグラフィ
マイクロ波トモグラフィ（マイクロはトモグラフィ、英語: Microwave tomography）とはマイクロ波を利用して内部構造を可視化するトモグラフィである。
概要[編集]
GHz 前後の周波数の電波を体内に送信して検査対象の組織の、誘電率や導電率の高周波数帯における伝播特性の差異を利用して内部構造を可視化する[1]。電磁波の透過率は周波数に比例して指数関数的に減少するので、光断層撮影やテラヘルツトモグラフィでは体表から浅い範囲までしか浸透しないが、波長の長いマイクロ波であれば数cmの深部まで浸透するので深部の情報を取得できる。体内に入射したマイクロ波は散乱するのでそれが受信アンテナでの強度や位相に影響するので逆解析する事で内部構造を可視化する。X線CTと比較して波長が長いので解像度が低いものの被爆することが無いので容易に使用できる。内部構造の可視化のためだけではなく、癌の温熱療法のための体内の温度分布の計測にも使用される[2]。
用途[編集]
医療分野や手荷物検査、非破壊検査等での活用が期待される[3][4]。
脚注[編集]
- ^ 日本磁気共鳴医学会 安全性評価委員会「ＭＲＩ安全性の考え方 第２版」、学研メディカル秀潤社、2014年、ISBN 9784059147480。
- ^ 渡辺大亮, 宮川道夫, 齊藤義明, 「温度モニタとしてのマイクロ波CTの可能性」『日本ハイパーサーミア学会誌』 8巻 4号 1992年 p.309-317, doi:10.3191/thermalmedicine.8.309。
- ^ マイクロ波トモグラフィ (PDF)
- ^ マイクロ波CT (PDF)
参考文献[編集]
- 宮川道夫, 「電磁波による生体情報の可視化」『電気学会誌』 120巻 5号 2000年p.281-284, doi:10.1541/ieejjournal.120.281。
- 竹中隆, 「招待講演 マイクロ波トモグラフィ (ITS)」『電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報』 111巻 341号 p.49-54, 2011-12-15, NAID 110009466313
- 竹中隆, 田中俊幸, 周輝, 「マイクロ波トモグラフィによる乳がんの検出法」『【C】平成19年電気学会電子・情報・システム部門大会講演論文集』 2007年 p.186-191
- Bolomey, Jean-Charles, and Christian Pichot. "Microwave tomography: from theory to practical imaging systems." International Journal of Imaging Systems and Technology 2.2 (1990): 144-156.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- マイクロ波による体内温度の断層撮像技術に関する研究 大変申し訳ございません。
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