タルファラダーレン

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タルファラダーレン(=タルファラ谷)は、スウェーデンの渓谷である。

スウェーデン語表記でTarfaladalen、スウェーデン語風サーメ語表記ではTarfalavaggeであり、元々北サーメ語(nordsamiska)のDarfalvággiからきている。

タルファラ谷は、スウェーデン最高峰・ケブネカイセ(Kebnekaise)の南東から東にかけて位置し、谷の一番高いところ(ケブネカイセの東側)はタルファラと呼ばれる。タルファラには、Svenska Turistföreningen (STF、スウェーデン旅行協会)の山小屋(stuga)が存在する。また、タルファラSTF山小屋から南に約1km下ったところには、Tarfala Forskningsstation(タルファラ研究ステーション)が存在する。このタルファラ研究ステーションは、タルファラにある氷河(例えば、ストールグラシエーレン、Storglaciären、ステーションの西側斜面)に関する氷河学(容積収支、融解プロセス・量、その他の科学的測量・調査)のフィールドワークの拠点になっている。尚、このステーションはStockholms Universitet/INKストックホルム大学 自然地理学及び定量地質学科)の付属機関である。

タルファラは、高高度に位置し(大体1000m.o.h.)、覆地は岩石質(及び高山性の苔類に覆われている)である。タルファラは周囲を、ケブネカイセをはじめ、Kaskaspakte(カスカスパクテ、2043 m), Kaskastjåkka(カスカスショッカ、2076 m), Tarfalatjåkka(タルファラショッカ、1911 m)、そして、Tarfalapakte(タルファラパクテ、1806 m)に囲まれている。この三方向を高い山で囲まれ、谷の下流側が開いている地形は、タルファラに独特な局所現象(強い山おろし)をもたらす。 タルファラ研究ステーションで過去に記録された最大(瞬間)風速は、81 m/sで、1992年12月20日[1]に記録されている。

タルファラに存在する氷河は、最大のものはStorglaciären(ストールグラシエーレン、the large glacier)、他に、Isfallsglaciären(イースファルグラシエーレン、the ice-fall glacier)、そしてKebnepakteglaciären(ケブネパクテグラシエーレン、the Kebnepakte glacier)である。タルファラは、従って、氷河トレッキング(glaciärvandring)やアルペン登山(alpin klättring)の場として愛好家には人気である。タルファラへは、Ladtjovagge(ラッチョヴァッゲ、ラッチョ谷)から通じている夏・冬共用のトレイルを辿ってTarfalajaure(タルファラヤウレ、タルファラ湖)までアクセスできるが、タルファラから(1)東側Kaskasvagge(カスカスヴァッゲ)を経てVistas(ヴィスタス)、(2)北側Pyramiden(ピラミーデン)を経てUnna Räitavagge(ウンナ レイタヴァッゲ)、(3)西側Kuopertjåkka(クオペルショッカ)を経てSingi(シンギ)もしくはSälka(セルカ)に至るオフィシャルなトレイルは存在しない。

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出典[編集]

  1. ^ http://www.smhi.se/sgn0102/n0205/luft_rekord.htm Archived 2006年7月20日, at the Wayback Machine., SMHI, 2006-07-14