ゾウミジンコ科

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ゾウミジンコ科
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 鰓脚綱 Branchiopoda
亜綱 : 葉脚亜綱 Phyllopoda
: 双殻目 Diplostraca
亜目 : 枝角亜目 Cladocera
下目 : 異脚下目 Anomopoda
: ゾウミジンコ科 Bosminidae
学名
Bosminidae
W. Baird, 1845, emend. G.O. Sars, 1865[1]
和名
ゾウミジンコ科

ゾウミジンコ科 Bosminidae は、ミジンコの1科。吻端から突き出した長い第1触角が特徴である。

特徴[編集]

多くは小型のミジンコである[2]。頭部が下向きで吻が伸び、その先に第1触角がその延長のように付いている。この第1触角が長く伸びて動かないのがこの科の特徴となっている。ただしこれは雌の場合で、雄では左右それぞれに可動である。遊泳に用いられる第2触角は短く、その先端が殻の腹側の縁に達する程度しかない。先端は2枝があり、外肢は3ないし4節、内肢は3節からなる。殻の中に収まる胸脚は6対あるが最後の第6対は退化してほとんど無くなってる。腸管は真っ直ぐに後ろに伸びて、途中で巻いておらず、また盲嚢も無い。単眼はない[3]

名前は伸びた吻とそれに続く長い第1触角の様子がのように見えるため。

生態など[編集]

淡水産で湖沼などに見られる。湖沼プランクトンとして主要な要素となるものの一つである[4]

分類[編集]

以下の2属を含む。

  • Bosminidae ゾウミジンコ科
    • Bosminia ゾウミジンコ属:第1触角は基部まで癒合しない。殻刺がある。外肢が4節。
    • Bosminopsis ゾウミジンコモドキ属:第1触角は基部で癒合する。殻刺がない。外肢が3節。

日本には両属の種共に知られている。特にゾウミジンコ Bosmina longirostris は日本各地で見られる普通種であり、世界的にもオーストラリア以外の全大陸に分布する。

出典[編集]

  1. ^ Bosminidae in GBIF”. 2016年1月17日閲覧。
  2. ^ 以下、記載は水野・高橋(1991),p.152
  3. ^ 水野(1964)p.80
  4. ^ 上野編(1973),p.420

参考文献[編集]

  • 水野寿彦・高橋永治、『日本淡水動物プランクトン検索図鑑』、(1991)、東海大学出版会
  • 水野壽彦、『日本淡水プランクトン図鑑』、(1964)、保育社
  • 上野益三編、『日本淡水生物学』、(1973)、図鑑の北隆館