シェロブ

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シェロブ(Shelob)はJ・R・R・トールキン中つ国を舞台とした小説、『指輪物語』に登場する架空の生物。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


[編集] 概要

「彼女」(性別はメス)は蜘蛛の姿をした巨大な怪物で、キリス・ウンゴルのトンネルのなかに住み着いており、「黒い恐怖」と呼ばれている。

中つ国第一紀に冥王モルゴスに協力したウンゴリアントの末裔であるとされ、かつてビルボ・バギンズが『ホビットの冒険』作中の闇の森で対峙したものは同種の存在にして、彼女の子孫であることが『指輪物語』で言及されている。

日々を他の生命をむさぼることに費やしており、食欲が旺盛で、トンネルに入り込んだ者を毒針で弱らせ食べてしまう。その体は生きてきた長い年月の内に硬く変化し、並みの剣では致命傷を与えることは難しい。彼女のつむぐ糸は鉄線のように堅く丈夫で柔軟であり、剣で切りつけても弾いてしまうほどである。彼女はこの糸を使って、トンネル内に罠を張っている。過去幾度もそのトンネルに入り込んだ勇敢な人間やエルフたちが彼女の餌食となった。

モルドールを支配するサウロンは、シェロブのことを「飼い猫」とみなしており、直接的な主従関係は存在しなかったものの、時折自身の手下で雑兵であるオークを彼女の巣に送り込み与え食べさせて生かしておき、キリス・ウンゴルの番人として利用していた。弱く愚鈍なオークに比べれば、選り好みせず全ての動物を自身の食料程度にしか見ておらず、狡猾で貪欲な彼女は、この秘密の抜け穴を通ろうとする間者を確実に始末するのにうってつけだったのである。ちなみにこのトンネル内には、重く大きな岩で出来た仕掛け扉で仕切られた区画が存在し、そこにトンネルを見張るオークの詰め所があるが、それらオークも時々彼女の餌食になっている。

物語中では指輪奪回を目指すゴクリが彼女との密約によりフロド・バギンズサムワイズ・ギャムジーをこのトンネルに誘い込み、シェロブにかれらを襲わせる。シェロブはフロドを毒針で刺し仮死状態にしたが、主人を殺されたと思い込み激昂したサムにつらぬき丸で切り掛かられた際に押し潰そうとして誤ってつらぬき丸の上に身を投げ出してしまって腹部を刺され、その眼をエアレンディルよりフロドに託された玻璃瓶の光で傷めて撃退された。その後の生死は物語中では明らかになっておらず、トンネルの奥底で復讐を誓いつつ傷の痛みに耐えながら回復を待つところで出番は終わっている。

なお彼女がフロドを行動不能にしたことで、間接的にキリス・ウンゴルの塔ではオークたちの仲間割れも発生、フロドの所持品が奪われたことで黒門前で行われたモランノンの合戦の際に、サウロンの敵にして指輪の仲間から目をそらすために合戦を挑んだ人間・エルフの軍勢に衝撃を与えることになる。