サルコシスチス症

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サルコシスチス症(さるこしすちすしょう、英:sarcocystosis)とは肉胞子虫と呼ばれる Sarcocystis原虫の寄生を原因とする寄生虫病。Sarcocystis属原虫のオーシスト終宿主内でスポロゾイトを形成し、多くはオーシスト壁が壊され4個のスポロゾイトを含むスポロシストが糞便中に排泄される。中間宿主内では腎臓血管内皮メロゴニーによりメロゾイトを形成する。メロゾイトは横紋筋へ移動し、サルコシストを形成する。終宿主へは中間宿主の捕食により移行し、サルコシスト内のブラディゾイトは腸管上皮細胞でガメトゴニーを行い、ザイゴートを経てオーシストを排泄する。Sarcocystis属の中ではSarcocystis crusiが病原性が高く、ウシ発熱、食欲不振、体重減少、貧血、衰弱などの急性サルコシスチス症を引き起こす。診断は糞便材料を用いて浮遊法によりスポロシストを検出する。産業動物では通常は治療を行わない。

家畜に寄生する主要な Sarcocystis 属とその宿主
中間宿主 終宿主 種類
ウシ イヌ Sarcocystis cruzi
ウシ ネコ Sarcocystis hirsuta
ウシ ヒト Sarcocystis hominis
ブタ イヌ Sarcocystis miescheriana
ブタ ネコ Sarcocystis porcifelis
ブタ ヒト Sarcocystis suihominis
ヒツジ イヌ Sarcocystis ovicanis
ヒツジ ネコ Sarcocystis tenella
ウマ イヌ Sarcocystis bertrami
ウマ イヌ Sarcocystis fayeri

脚注[編集]

関連項目[編集]

参考文献[編集]