ゲートウェイドラッグ

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ゲートウェイドラッグGateway drug)とは、ドラッグを分類する際に相対的にそれを評価する用語。ゲートウェイドラッグの使用が、副作用や依存性の強い麻薬への使用を誘導するとの考え方のもとで、タバコ有機溶剤脱法ドラッグ大麻などを指す際に用いられる。入門薬物とも訳される。また、この考え方をゲートウェイ理論Gateway theory)、ゲートウェイドラッグ理論Gateway drug theory)、飛び石理論(Steppingstone theory)、踏み石理論と言う。この理論は、主にこの理論に対して否定的な観点を持つ者からは、理論 ( theory ) ではなく仮説 ( hypothesis ) と呼称される場合がある。

この用語はしばしばマリファナハシシなどのソフトドラッグに対する使用に否定的な行政や団体やメディアにより用いられ、概念が支持されている。またこの概念は、ソフトドラッグに対する不寛容の論拠として用いられる。

概要[編集]

ゲートウェイ理論によれば、ゲートウェイドラッグの使用は、より副作用や依存性の強いドラッグ(ハードドラッグ)の使用の契機になると言われる。未成年者の視点から見たゲートウェイドラッグとして、酒やタバコなども指摘されている。この場合、酒やタバコの使用がハードドラッグ濫用の入り口(ゲートウェイ)となる場合があるとされる。

飛び石理論・踏み石理論の概念は、ゲートウェイ理論の概念と若干違う。飛び石理論によれば、あるドラッグの使用が、次なるより依存性が高いドラッグの使用に繋がるとされる。例で示すと、「タバコの喫煙が飲酒につながり、飲酒が大麻の喫煙につながり、大麻の喫煙が覚醒剤などの使用につながる。」となる。このようにこの理論において、ある薬物の使用が次なる薬物の使用に繋がるという様子をさし、飛び石・踏み石と言われる。

これらの理論において、ゲートウェイドラッグの使用がドラッグ乱用につながり兼ねない理由として以下の事柄が挙げられている。

  • ゲートウェイドラッグの使用により、使用者がドラッグ全般への抵抗感をなくす。
  • ゲートウェイドラッグの使用により、使用者がより強い快楽を求める傾向がある。
  • ゲートウェイドラッグが法的な規制物質であった場合、ゲートウェイドラッグの使用により使用者はドラッグ売買のコミュニティーとの繋がりを持つ。

これらの理論が真であるか否かは、よく分かっていない。理論を否定する研究結果も多数あるが、同時に裏づけする研究結果も多数ある。

全米科学アカデミー(National Academy of Sciences)の医学研究所(Institute of Medicine)が1999年に発表した報告書では「マリファナが、その特有の生理的作用により(他の薬物への)飛び石となっていることを示すデータは存在しない」と結論づけている。

背景[編集]

ゲートウェイ理論はよく大麻規制の口実に持ち出されることが多い。

アメリカで大麻が禁止された1937年当時は大麻によって人を殺人鬼にしたり強姦魔にしたりする危険があるという理由があった為、ゲートウェイ理論など持ち出す必要がなかったが、1944年にラガルディア調査報告書などで大麻では暴力的にならないことが明らかになってくると、大麻が危険だという主張を維持するためにゲートウェイ理論を持ち出す必要があった。

このことは大麻禁止法の中心人物である麻薬取締局ハリー・アンスリンガー局長の議会での証言の変遷からわかる。

彼は1937年のマリファナ税法に関する公聴会の時「マリファナ中毒者がヘロインやコカインやアヘンの使用者へと進むかどうか怪しい気がしますが?」というジョン・ディンガル議員の質問に対して「ええ、私もそのような例は聞いたことがありません。それらは全く別のものだと思います。マリファナ中毒者はそういう方向には進みません」と答えたが、1956年に行われた麻酔薬取締法の公聴会では「マリファナについてあなたと話していたとき、マリファナ使用の真の危険性は、多くの人が徐々にヘロインなどの本当の耽溺性薬物を使うようになってくることだと伺いましたが、本当でしょうか?」というプライス・ダニエル上院議員の質問に対して、彼は、「それが最大の問題です。マリファナの使用に関して我々が持っている最大の関心は、長い間マリファナを使っていると徐々にヘロインの使用に陥るということです」と18年前と全く逆の答弁をしている。

参考文献[編集]

関連項目[編集]