ギンゴケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ギンゴケ
Bryum argenteum 2005.07.26 13.29.24.jpg
分類
: 植物界 Plantae
: マゴケ植物門 Bryophyta
: マゴケ綱 Bryopsida
: マゴケ目 Bryales
: ハリガネゴケ科 Bryaceae
: ハリガネゴケ属 Bryum
: ギンゴケB. argenteum
学名
Bryum argenteum
(Hedw. 1801)
和名
ギンゴケ

ギンゴケBryum argenteum)は、蘚類に分類されるコケ植物コンクリートの間などにも生育している。

分布[編集]

日本を含む世界中に分布[1]。温帯などに多く見られるが、南極大陸にも生育している[2][3]。他のコケ植物地衣類と同所的に生育していることも多い。

形態[編集]

胞子体

茎は長さ1cm程度で、葉は茎に重なり合ってつく[1]。茎には少量の仮根をつける。葉は先が尖った卵形で、中肋が1本ある。葉の長さは0.5-1cm[1]。葉の先端近くはやや透明になる。植物群落全体は灰緑色から白緑色になる[1]

胞子体は約1cmの柄の先端につき、蒴は卵形。

染色体数はn=10。かつてはn=20の倍数体が南極に生育しているとされたが、これはのちにオオハリガネゴケの一型であるとされた[4][5]

利用[編集]

ギンゴケは、庭土や畑、都会のコンクリートのすきまにまで広く生育しているため、土壌などから吸収した重金属類の量を測定することで、大気汚染の度合いを推定することが出来ると期待されている[6]。また南極などの苛酷な環境に生育しているため、その凍結、乾燥耐性に関する生理機構を調べることで、宇宙空間のような極限環境に対する耐性機構を推定し、宇宙生物学の基礎的データを得ようとする研究もある[3]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 井上浩『フィールド図鑑 コケ』(1986年、東海大学出版会)p.7
  2. ^ Horikawa, Y. and Ando, H. (1961) Mosses of the Ongul Islands collected during the 1957-1960 Japanese Antarctic Research Expedition. Hikobia, 2, 160-169.
  3. ^ a b 沓名亨, 三宅剛史, 西平直美, 藤井暁子, 小野文久, 山下雅道, 三枝誠行 (2010) 「乾燥、低温およびアブシジン酸処理によるギンゴケの糖量変化」 Space Utilization Research 26 168-170.
  4. ^ Inoue, S.(1976) Chromosome studies on five species of Antarctic mosses. Kumamoto J. Sci. Biol., 13 (1), 1-5.
  5. ^ Ochi, H. (1979) A taxonomic review of the genues Bryum, musci in Antarctica. Mem. Natl Inst. Polar Res., Spec. Issue, 11, 70-80.
  6. ^ 石井猛, 野上祐作, 猶原順 (1989) 「ギンゴケ(Bryum argenteum Hedw.)及びウメノキゴケ(Parmelia tinctorum)中の重金属を指標とした大気汚染の評価に関する研究」岡山理科大学紀要. A, 自然科学 24, 67-74.