おじゃまユーレイくん
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『おじゃまユーレイくん』は、1979年5月号から1981年10月号まで『月刊コロコロコミック』に連載されたよしかわ進の漫画。ほぼ同時期にてれびくんに連載された『ヒロインくん』と並んで、作者の代表作として知られる。
目次 |
[編集] 概要
不幸な事故により死亡し、幽霊となった主人公が繰り広げるお色気騒動がストーリーのメイン。幽霊となった主人公は通常は姿が見えないために、女性の着替えを覗いたり、他者に憑依してその身体でHな行動を起こすなど、現在の小学生低学年向け月刊雑誌では到底掲載不可能なきわどい内容で、当時の子供達に鮮烈なイメージを残した。Hシーンが中心の作品ではあるが、生と死を扱ったストーリーでもある。
初期の単行本は長らく絶版となっていたため、オークション等で高額な取引がなされていた。2001年笠倉出版社より愛蔵版として全1巻で復刊、2009年には「コロコロコミックアーカイブス」でオンデマンド形式で復刻販売される。
[編集] あらすじ
不運な事故により死亡した小学生の友紀霊次郎があの世の手違いにより通常なら「霊界」に行くのだが、何故かリストから落ちこぼれてしまい、幽霊になりこの世をさまよう羽目に。誰からも(クラスメイトや両親からさえも)姿が見えなくなり、言葉も認知されなくなってしまい悲嘆にくれるが、同級生の山野こだまだけは霊次郎の姿を見ることができる力をもっていた。
長い間人間に憑依していないと生気を失い存在が消えてしまうため、頻繁に憑依する必要があり、その対象として主にこだまを始めとする女の子にとり憑くことに。女の子の身体でスカートのまま野球をしたり、女子更衣室に潜入したり、裸になったり、お風呂に入ったりとエッチな騒動を巻き起こす。憑依された人間は霊次郎と五感を共有するとともに身体を自由に操られ、生気を吸い取られてしまう(こだまのように最初から霊次郎を認識していない人間は、霊次郎に憑依されても必ずしも霊次郎の存在を認識するわけではなく、大抵は身体が勝手に動いたと認識する)。
物語後半は、善事はプラス、悪事はマイナスにカウンターが動き、プラス又はマイナス1万になると生まれ変わる(プラスは天国に行き好きな時代、好きな動物に生まれ変わり、マイナスだと地獄に行き下等生物に生まれ変わる)というカウンターをキーアイテムとした展開に移行。ベルと共にポイント稼ぎの旅に出る。その結果、ヒロインであるこだまの出番も少なくなった(同じ女の子の裸が続くと読者に飽きられしまうからという担当編集者の意向という説もある)。主人公・霊次郎は人や霊とのふれあいにより成長していく。反面カウンターの数値の上下は初めこそ上昇下降値が公開されていたが、一度霊界の掟に背き急速に-10000をカウントした以外、物語に関わることは無かった。
最終回は霊界のコンピューターのミスにより生まれ変わることができるが、「生まれ変わるならこだまちゃんと同級生でないと嫌だ!」と願い、その願い通りにクラスメイトの優等生の立花薫に生まれ変わることになる。しかし、今度はこだまが不幸な事故により死亡してしまい、立場は逆転する。ベルにより立花こそが霊くんの生まれ変わりだと聞かされたこだまは、今までの仕返しとばかりに立花へと憑依する(ただし、立花には霊感はない。霊次郎がしょっちゅうとりついていたため、こだまと魂の波長が合い、こだまが幽霊となっても認識できるという設定である)。
[編集] 登場人物
- 友紀 霊次郎(ユーレイくん)
- 本作品の主人公。交通事故である日突然死んでしまった小学生。霊界のリストから漏れ、この世をさまよう幽霊となることに。死後も意志を持ち、自由に移動することが出来る強力な霊。人間や動物に憑依して自由に操ることができる。他にもテレポート能力や空中浮遊能力を持つ。精神体であるため物理法則を無視し、壁やドアなどはすり抜けることが可能(逆に物を持つことが出来ない)。生前はおっちょこちょいで弱虫、勉強もスポーツもまるでダメだった。唯一の特技は水泳。
- 山野 こだま
- 本作品のヒロイン。小学5年生。小学生とは思えないプロポーションの持ち主。霊感が強く、霊を認識し会話をすることができる霊視能力を持つため、霊次郎ら霊にしょっちゅう憑依されることに。憑依されスカート姿のままで野球をしたり、裸になり走り回ったり、お風呂に入ったり、トイレでお漏らしするなど毎回Hな展開に会う羽目に。初期は霊次郎に対して特別な感情は持っていなかったようだったが、後期は霊次郎に好意を持っているような描写も多々見られた。
- ベル サイレン
- 死神のアルバイトをしている女性悪魔。由緒あるサイレンの魔女の末裔。飛行能力や物質変換など様々な超能力を持つ。霊界リストから漏れた霊次郎の面倒を見る。尻尾には人間の性格を逆転させる能力がある。
- 立花 薫
- 霊次郎の死後転校してきた、こだまのクラスメイト。成績優秀、スポーツ万能、そしてハンサムな少年だが、実は……。
- 賀麻 たけし
- こだまのクラスメイト。クラスのいじめっ子。実はこだまに好意を抱いている。
- 山形 真吾
- 霊次郎の死後転校してきた、こだまのクラスメイト。体が大きく番長的な風貌をしている。教師でさえ恐れる乱暴者。こだまに憑依した霊次郎により、色気を用いた決闘で打ち負かされ、以後こだまに好意を持つ。
- フー子
- こだまのクラスメイト。こだまにばれない様に女湯を覗くために霊次郎に憑依される。
- 橋本 早苗
- こだまの隣のクラスに転校してきた少女。霊次郎のお気に入り美少女。
- 三浦 めぐみ
- 霊次郎と同じく憑依する能力を持つ幽霊、こだまと霊次郎の仲に嫉妬し、こだまに憑依して裸で走る回るというお転婆な行動をとる。後に霊界から逃げてきたが、結局霊界に連れ戻される。
- 工藤 幻斎
- 除霊師。すべての幽霊を抹殺するのが使命と思っており、霊次郎を付け狙う。女性の裸アレルギーの持ち主。
- その後修行をし、女性の裸アレルギーを克服して再登場するが、それに伴い除霊能力が落ち、霊次郎に打ち倒される。
- 愛原先生
- こだまのクラスの先生。32歳。独身。
- リリィ
- のら犬だったが、こだまの家で飼われるようになる。こだまが罰として霊次郎を憑依させ、芸をする。
- やよい
- ポイント稼ぎの旅編に登場した女子高生。愛犬クッキーとの入浴シーンは衝撃的。
- 霊次郎の両親
- 2人とも霊次郎が死んだ時「どうしようもない駄目息子だった。」とぼやき、霊次郎を失望させるが、実はタイミングが悪いだけで、霊次郎が去った直後に嘆き悲しむ両親の描写が作品中に見られる。後に母親は次男を出産、「霊」は縁起が悪かったとして読みが同じの「礼次郎」と名づけ、そのエピソードの中で両親への誤解も解けることに。
[編集] 各話のサブタイトルと概要
- ユーレイくん誕生
- 第1話。交通事故により霊次郎死亡。死んだとは気がつかず学校にテレポートするが、そこでこだま以外からは姿が見えず、また触れることが出来ないことに気づく。事故現場にテレポートした霊次郎は、自身を死亡させた運転手相手に、自身の死体に憑依して復讐したが、これにより運転手を死亡させてしまう。このとき霊界の案内人であるベルと遭遇するが、自身は霊界からのリスト漏れであると知らされ、現世で彷徨う幽霊となる。
- とりついちゃうから!
- ベルにより、他者に憑依しないと生気を使い果たし、存在が消えることを聞かされ、どうせだったらとこだまに初憑依。自分の意思のまま動かすことが可能となったこだまの身体で、さっそくお風呂に入ったり、スカートのまま野球をしたりして、この回からHな展開となる。全ての要素が詰まった回。
- 二人でひとりの水泳大会
- 賀麻に泳げないことをバカにされ、水泳大会で泳げなかったらハダカ踊りをする約束をしてしまうこだま。かなづちなこだまの代わりに水泳上手な霊次郎が憑依し、水泳大会に出ることに。しかし当然着替える場所は女子更衣室で…。
- 転校生に負けるな!
- 立花薫初登場。天才肌の立花に嫉妬し、霊次郎は立花に憑依して、こだまとの仲を裂こうと画策するが…。
- ユーレイ退散 もうたくさん
- 林間学校の集合写真で、こだまの横に霊次郎が写ったことから、校内の心霊クラブにこだまが除霊をされることに…。
- 女性恐怖症の治し方
- 女性恐怖症のため女性にもてず悲観し、自殺しようとした青年は、霊次郎を認識することが出来たため、霊次郎は青年の女性恐怖症を治すために一肌脱ぐことに。
- これがユーレイ野球だ
- たまには野球をしたいと願う霊次郎は、先生に憑依して、病欠した生徒の代理をこだまにしてしまう。本人の意思を無視してこだまの身体に憑依し、スカートのままクラスの野球試合に臨む。その後帰宅し、嫌がるこだまを無視して霊次郎はこだまの身体でお風呂を堪能するのだが…。
- お墓まいりは楽しいな
- 霊次郎の両親に頼まれ、こだまは霊次郎の墓参りに同行するが、当然霊次郎がついてくる。自分の好物ばかり弁当で出され、たまらなくなった霊次郎は、こだまに憑依して食い散らかすことに。その後、霊次郎の父親が「あいつが大きくなったら酒を酌み交わすのが楽しみだった」と聞かされ、こだまの身体でお酒を飲み酔った勢いでハメをはずす事に…。
- ぼくのユーレイちゃん
- 街で知り合った女の子の幽霊・めぐみちゃんと仲良くなった霊次郎は、「憑依しやすい人間」としてこだまを紹介する。こだまと霊次郎の一心同体の仲に嫉妬しためぐみは、こだまに憑依して裸になり走り回るのだった。こだまは幽霊にはできないこともあるといい、自分の身体を貸すからと霊次郎をスケートに誘うのだった…。
- 色気で勝負!
- 転校してきた山形真吾の横暴に耐えかねたこだまは、山形と一騎打ちをする。最初は霊次郎を山形に憑依させて勝つ心算だったが、霊次郎は山形に取り憑くことを拒否。こだまは一人で山形に立ち向かうが、名案を思いついた霊次郎はこだまに憑依し、色気で山形に勝負を挑むことに…。
- スキーグマさん、こんにちは
- スキーに来たこだま一家。霊次郎はこだまの身体をかりてスキーに挑むが遭難してしまう。さらに足を挫いたこだまが避難した先には冬眠中の熊が居て…。
- 注射がこわい
- 風邪が流行る中、こだまに生前の注射嫌いを馬鹿にされた霊次郎は医者に取り憑いて…。
- バースデーデート
- こだまの誕生日になにもプレゼントできないと嘆く霊次郎だったが、こだまが大ファンである歌手の野城秀美に憑依し、デートに誘うのだった。
- ユーレイくんの恋
- 転校してきた美少女・橋本早苗に一目ぼれした霊次郎。しかし早苗は霊次郎を認識できるはずも無く、早苗に憑依して一心同体となり、自身を抱きしめたり鏡に向かってキスをしたりするのだが、無意味なことだと悟る。霊次郎は募る恋心により、他者に憑依することも忘れ、生気を失いやせ衰えてしまう。せめての思い出作りとして、こだまの身体を借りて早苗と一緒にお風呂に入るのだが…。
- 幽霊ハンターあらわる
- 全ての幽霊の抹殺を使命とする除霊師・工藤幻斎により付けねらわれる霊次郎。しかし厳しい修行のせいで、工藤幻斎の弱点は女性の裸だった。こだまは霊次郎を救うために、工藤と対決するのだが…。
- 霊次郎の弟、礼次郎
- 両親がめっきり墓参りに来てくれなくなったことを嘆いていた霊次郎だが、自分に弟が生まれたことを知り…。
- 宿題はすずしくやろう
- 「夏休みの宿題を忘れた生徒は厳罰にしてやる」と意気込む愛原先生を目撃したこだまは、急いで家に帰り宿題に取り組むが、家のクーラーが壊れてしまって勉強がはかどらない。暑さでいらつくこだまは霊次郎に「幽霊なら涼しくさせなさい」とヒステリーになる。
- こだまちゃん対ベル
- 霊界のアルバイトを止めてしまって暇になったベルは、こだまの学校の運動会でちょっかいを出し、最後にはこだまと騎馬戦で戦うことに…。
- ニセ医者健康診断
- 小学校の身体検査に来たのは偽医者だった。聴診器を使わず女の子の胸を揉むなど、あまりにも怪しい態度にこだまは偽医者ではないかと疑い、霊次郎を医者に憑依させて心を読ませる。その後、偽医者にお仕置きをしたベルは、同じ境遇にいる幽霊を探しに旅に出てみないかと霊次郎を誘う。 おそらく全エピソード中1、2を争う過激度と人気と思われる回。
- 誘拐大好き
- この回より放浪の旅に出る。ふとしたことから巻き込まれた誘拐事件を解決した霊次郎だったが、カウンターを身につける以前のことだったので、今回の善行はポイントにはならなかった。
- 一家心中を救え!
- 田舎の温泉街に来た霊次郎とベルは後進のホテルに潰されそうな旅館のために一肌脱ぐことに。
- 犬になりたい
- 憑依の対象を探していた霊次郎は、美少女・やよいに目をつける。ベルに「あの女の人にとりつくの? 霊くんもすきねぇ」と言われるが、霊次郎の目的はやよいの飼い犬クッキーに憑依し、やよいに可愛がられることだった。登場人物の項でも触れられているが、この回のやよいとの混浴シーンの一幕は必見であり、またよく世に出せたものとも…(幼年~少年誌であることを考えるならなおさらである)。雑誌掲載タイトルは「ペット騒動」
- 遭難ですよ
- 女性だけで雪山登山をするやよいに付き添い、雪山までやってきた霊次郎たち。雪崩に巻き込まれ遭難したやよいたちに対して、霊次郎はやよいに憑依し、雪穴を掘り、女性同士で裸で抱き合うことを提案するのだが…。コミックス収録版は本誌掲載時より各ページよりコマを削り、実質2ページ減としている。
- 目撃者を消せ
- いつもHなことばかりしていた霊次郎は、カウンターがいつの間にかマイナスとなっていた。あせる霊次郎は追われていた若い女性を助ける。しかしその女性は実は泥棒だったために、さらにマイナスを重ねてしまう。女性はその後、偶然殺人事件を目撃して逃げ出すが、再び出会った霊次郎は今度は恥をかかすために女性に憑依し、街中で服を脱ぎはじめる…。
- 天国からの逃亡者
- 旅の途中、天国から脱走した霊がいることを知らされたベルと霊次郎。その脱走してきた霊は、以前出会っためぐみちゃんだった。めぐみは霊次郎に、成仏する前にデートをしたいと告げるのだが…。
- 宝探し同好会
- 山奥にやってきたベルと霊次郎。山奥には不釣合いな美少女の一行を見つける。一行は先祖が残した宝を探しにきた「宝探し同好会」だった。霊次郎はリスに憑依し、宝探し同好会の面々と行動を供にするのだった。
- ベル好みの男の子
- 人間の女の子に変身し、たまには別行動をとろうというベル。気になった霊次郎は密かにベルをつけると、いじめっ子にいじめられる尾地少年の姿があった。たまらず霊次郎はいじめっ子にとりつき少年を救うが、実はベルは尾地少年を救い仲良くなろうとしていたのだった。その後、いじめっ子のお金で皆を野球観戦に誘うが、霊次郎は野球選手にとりついてしまい、自由になったいじめっ子はベルに危害を加えようとするが、彼はベルを救うためにいじめっ子に立ち向かっていくのだった。
- 王女を救え!
- 南海の海で泳ぎを楽しんでいたベルと霊次郎。偶然、客船が魚雷により沈められる現場に遭遇してしまう。ただ一人助けた少女はマンナン王国の王女で…。
- 湖での再会
- 旅に出ても自分と同じ境遇の幽霊には出会えず、ホームシック気味の霊次郎。そのとき、湖で旅行中のこだまと立花に再会する。
- 逆転サヨナラ
- 最終回。霊界のコンピューターのミスにより霊次郎が転生するが、そのときこだまが不幸な事故により幽霊となってしまう。これにより憑依する側とされる側、霊次郎とこだまの立場は逆転となる。
[編集] 同人誌活動
2003年冬のコミックマーケット以降、作者による同人誌『Pin・head』にて継続して続編が掲載されている。『おじゃまユーレイくん』が掲載されている巻は『Pin・head3』、『Pin・head6』、『Pin・head9』である。なお、続編といっても最終回のその後というわけではなく、最終回までのエピソードの一つとして発表されている。
[編集] その他
- 2000年9月13日 笠倉出版社のカルトコミックスよりカラーページ再録、作者インタビュー、単行本未収録ページ、てんとう虫コミック全3巻(絶版)カバー、読み切り作品「かぷせるクッキー」「まさかのヒカルくん」等を収録した復刻版全1巻が発売された。
- 2001年4月12日発売『みこすり半劇場』(ぶんか社)に「平成版・おじゃまユーレイくん」が掲載された。同作品は、2001年6月5日に発売された『ヒロインくん』の愛蔵版(笠倉出版社)の巻末にも収録されている。
- 2007年6月発刊の『熱血!!コロコロ伝説 vol.2』に、「とりついちゃうから!」と「ユーレイくんの恋」の2話が再収録された。
