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これはプログラムの[[プロセス]]([[スレッド (コンピュータ)|スレッド]]ではない)を、ノードのネットワークにて高速プロセスを実行するマシンへ移行させる({{仮リンク|プロセス移行|en|process migration}})
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それは[[Linuxカーネル]]パッチであるが、特別な[[Live CD]]としてリリースされた。


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==来歴==
==開発の経緯==
[[2002年]][[2月10日]]、{{仮リンク|MOSIX|en|MOSIX}}が[[プロプライエタリソフトウェア]]であるためopenMosixは、MOSIXより{{仮リンク|モーシェ・バー|en|Moshe Bar (investor)}}によって[[フォーク (ソフトウェア開発)|フォーク]]された。
当初はGPLライセンスで提供されていた{{仮リンク|MOSIX|en|MOSIX}}が[[プロプライエタリソフトウェア]]への移行を決定したため、[[2002年]]に{{仮リンク|モーシェ・バー|en|Moshe Bar (investor)|label=Moshe Bar}}がMOSIXからの[[フォーク (ソフトウェア開発)|フォーク]]としてopenMosixを開発した。[[X86|x86アーキテクチャ]]用[[Linuxカーネル]]2.4.x向けは安定版となったものの、Linux 2.6 カーネルへの移植はアルファに留まった。64ビット([[x64|AMD64]])アーキテクチャはバージョン2.6以降でサポートされた。


OpenMosixは[[Gentoo Linux]]のカーネルパッチとして配布されていたが、2007年2月に同ディストリビューションの[[Portage|Portageツリー]]から除外された<ref name='GWN 1007-02-19'>{{cite news |first=Chris |last=Gianelloni |coauthors= Mark Kowarsky, Donnie Berkholz, Daniel Black, Diego Pettenò, Kieth Gable |title=Gentoo package moves |date=2007-02-19 |publisher= Gentoo Foundation, Inc. |url= http://www.gentoo.org/news/en/gwn/20070219-newsletter.xml#doc_chap6 |archive-url=https://web.archive.org/web/20141225024219/http://www.gentoo.org/news/en/gwn/20070219-newsletter.xml#doc_chap6 |archive-date=2014-12-25 |work= Gentoo Weekly Newsletter |pages= |accessdate= 2007-10-12 |language=en |deadurl=yes }}</ref>
openMosixは[[X86|x86アーキテクチャ]]の[[Linuxカーネル]] 2.4.x上で特に安定したが、しかしLinux 2.6 カーネルへの移植ではアルファステージのままであった。
64ビット[[x64|AMD64]]アーキテクチャのサポートは2.6のバージョンから開始されている。


[[2007年]][[7月15日]]、SSIクラスタのニーズが減少してローコストな[[マルチコア|マルチコア・プロセッサ]]が入手しやすくなってきのでバーは「openMOSIXプロジェクト2008年3月1日で[[保守終了製品|終息]]を迎える」と発表
[[2007年]][[7月15日]]、安価な[[マルチコア|マルチコア・プロセッサ]]が入手しやすくなり、SSIクラスタのニーズが減少しとして、openMOSIXプロジェクトから2008年3月1日で[[保守終了製品|終息]]発表され
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2008年3月1日以降、openMosixはリードオンリーのソースコードとして[[SourceForge.net]]ホストされている。
OpenMosixでは[[Gentoo Linux]]ディストリビジョンのカーネルが用いられたが、2007年2月に[[Gentoo Linux]]の[[Portage|Portageのツリー]]から除外された。
<ref name='GWN 1007-02-19'>{{cite news |first=Chris |last=Gianelloni |coauthors= Mark Kowarsky, Donnie Berkholz, Daniel Black, Diego Pettenò, Kieth Gable |title=Gentoo package moves |date=2007-02-19 |publisher= Gentoo Foundation, Inc. |url= http://www.gentoo.org/news/en/gwn/20070219-newsletter.xml#doc_chap6 |archive-url=https://web.archive.org/web/20141225024219/http://www.gentoo.org/news/en/gwn/20070219-newsletter.xml#doc_chap6 |archive-date=2014-12-25 |work= Gentoo Weekly Newsletter |pages= |accessdate= 2007-10-12 |language=en |deadurl=yes }}</ref>

2008年3月1日、openMosixはリードオンリーのソースコードとなったが、[[SourceForge.net]]にてホストされつづけている。


==ClusterKnoppix==
==ClusterKnoppix==
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| website =
}}
}}
''ClusterKnoppix'' は、[[Knoppix]]を基に作成された特殊な}Linuxディストリビューションであり、''openMosix kernel'' が用いられている。
''ClusterKnoppix''は、[[Knoppix]]を基にあらかじめopenMosixが組み込まれたカーネルを持つLinuxディストリビューションである。


伝統的な[[コンピュータ・クラスター]]では、構築するシステムの[[カーネル]]に手動で[[パッチ]]を適用する必要があるほか、個々のコンピュータに対して[[リモートシェル]]で電子鍵を設定し、[[Network File System|NFS]] 共有を作成しさらに[[hostfile]]を編集して静的な[[IPアドレス]]を設定した場合に成立する。
従来、[[コンピュータ・クラスター]]構築するには、手作業でシステムの[[カーネル]]に[[パッチ]]を適用しなければならないうえに、個々のコンピュータに対して[[リモートシェル]]で電子鍵を設定し、[[Network File System|NFS]]共有を作成したり、hostfileを編集して静的な[[IPアドレス]]を設定したする必要があった。ClusterKnoppixでは、ClusterKnoppixを実行するコンピュータが新たにネットワークに接続されると、自動的にクラスターへ参加できるように設定が行われるようになっているため、手作業による設定がほとんど必要ない
しかし ClusterKnoppix では、これらの設定作業をほとんど必要としない。このディストリビューションでは、ネットワークに接続される新規のClusterKnoppixを実行しているコンピュータが自動的にクラスターへ参加できるように設定が行われるようになっている。

ClusterKnoppix は、 Knoppix で OpenMosix カーネルを利用できるように改良したディストリビューションである。

==参考項目==
{{Portal box|FLOSS}}
*{{仮リンク|Kerrighed|en|Kerrighed}}
*{{仮リンク|OpenSSI|en|OpenSSI}}


===live CD===
===live CD===
openMosixが含まれている[[Linux]]の[[Live CD]]
openMosixが含まれている[[Linux]]の[[Live CD]]
*{{仮リンク|CHAOS (ディストリビジョン)|en|CHAOS (Linux distribution)|label=CHAOS}} とても小さなブートCD。
*{{仮リンク|CHAOS (ディストリビジョン)|en|CHAOS (Linux distribution)|label=CHAOS}} とても小さなブートCD。
*{{仮リンク|clusterKnoppix|en|clusterKnoppix}} (もはやメンテナンスされていない。)
*{{仮リンク|clusterKnoppix|en|clusterKnoppix}} (保守終了)
*{{仮リンク|dyne:bolic|en|dyne:bolic}}
*{{仮リンク|dyne:bolic|en|dyne:bolic}}
*{{仮リンク|Quantian|en|Quantian}} - clusterKnoppix上の科学技術ディストリビョン。
*{{仮リンク|Quantian|en|Quantian}} - clusterKnoppix上の科学技術ディストリビューション。


==参考文献==
==参考文献==
{{脚注ヘルプ}}
{{脚注ヘルプ}}
<references group="注"></references>
{{Reflist}}
{{Reflist}}

==関連項目==
{{Portal box|FLOSS}}
*{{仮リンク|Kerrighed|en|Kerrighed}}
*{{仮リンク|OpenSSI|en|OpenSSI}}


==外部リンク==
==外部リンク==
*{{official|http://openmosix.sourceforge.net/}}
*openMosix {{official|http://openmosix.sourceforge.net/}}
*[http://openmosix.sourceforge.net/wiki.html openMosixWiki]
*[http://openmosix.sourceforge.net/wiki.html openMosixWiki]



2022年12月28日 (水) 14:35時点における版

openMosixクラスターの遷移図

openMosixは、ネットワーク上で負荷を自動分散するシングル・システム・イメージ英語版(SSI)機能を備えたオープンソースクラスター管理システム[1]‌。

ノードが参加しているネットワークの中からプログラムを速く処理できるマシンを探し、そのマシンに(スレッドではなく)プロセス単位で実行を割り当てる(これをプロセスマイグレーション英語版という)。この方法は、特にI/Oが低から中程度の並列アプリケーションを実行する場合に効果がある[2]。openMosixはLinuxカーネルのパッチとしてリリースされたが、あらかじめopenMosixがカーネルに組み込まれたLive CDもリリースされた。仮想化技術やマルチコアCPUの普及にともなってニーズが低下し、2008年に開発終了となった[3]‌。以降、LinuxPMIプロジェクトがopenMosixコードにもとづく開発を継承した[4][注 1]

開発の経緯

当初はGPLライセンスで提供されていたMOSIX英語版プロプライエタリソフトウェアへの移行を決定したため、2002年Moshe Bar英語版がMOSIXからのフォークとしてopenMosixを開発した。x86アーキテクチャLinuxカーネル2.4.x向けは安定版となったものの、Linux 2.6 カーネルへの移植はアルファに留まった。64ビット(AMD64)アーキテクチャはバージョン2.6以降でサポートされた。

OpenMosixはGentoo Linuxのカーネルパッチとして配布されていたが、2007年2月に同ディストリビューションのPortageツリーから除外された[5]

2007年7月15日、安価なマルチコア・プロセッサが入手しやすくなり、SSIクラスタのニーズが減少したとして、openMOSIXプロジェクトから2008年3月1日での終息が発表された [6]

2008年3月1日以降、openMosixはリードオンリーのソースコードとしてSourceForge.netでホストされている。

ClusterKnoppix

ClusterKnoppix
開発者 Wim Vandersmissen[7]
OSの系統 Linuxディストリビューション
開発状況 開発中止
ソースモデル オープンソース
初版 2003年5月10日 (21年前) (2003-05-10)
最新安定版 3.6 / 2004年9月1日 (19年前) (2004-09-01)[8]
アップデート方式 APT (利用可能なフロントエンドの一つ)
パッケージ管理 dpkg
プラットフォーム i486
カーネル種別 Linuxカーネル
ユーザランド GNU Core Utilities
ライセンス Debianフリーソフトウェアガイドライン ほか。
ウェブサイト openmosix.sourceforge.net
テンプレートを表示

ClusterKnoppixは、Knoppixを基にあらかじめopenMosixが組み込まれたカーネルを持つLinuxディストリビューションである。

従来、コンピュータ・クラスターを構築するには、手作業でシステムのカーネルパッチを適用しなければならないうえに、個々のコンピュータに対してリモートシェルで電子鍵を設定し、NFS共有を作成したり、hostfileを編集して静的なIPアドレスを設定したりする必要があった。ClusterKnoppixでは、ClusterKnoppixを実行するコンピュータが新たにネットワークに接続されると、自動的にクラスターへ参加できるように設定が行われるようになっているため、手作業による設定がほとんど必要ない。

live CD

openMosixが含まれているLinuxLive CD

参考文献

  1. ^ 2022年末現在、LinuxPMIのサイトは閲覧不能となっている。
  1. ^ オープンソースのクラスター管理システム”. OSDN Magazine (2006年). 2022年12月28日閲覧。
  2. ^ About MOSIX”. 2022年12月28日閲覧。
  3. ^ Single system image: A survey, Elsevier, (2016), https://www.researchgate.net/publication/295253720_Single_system_image_A_survey 2022年12月28日閲覧。 
  4. ^ LinuxPMI, (2022), https://web.archive.org/web/20211127063403/http://linuxpmi.org/trac/ 2022年12月28日閲覧。 
  5. ^ Gianelloni, Chris; Mark Kowarsky, Donnie Berkholz, Daniel Black, Diego Pettenò, Kieth Gable (2007年2月19日). “Gentoo package moves” (英語). Gentoo Weekly Newsletter (Gentoo Foundation, Inc.). オリジナルの2014年12月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141225024219/http://www.gentoo.org/news/en/gwn/20070219-newsletter.xml#doc_chap6 2007年10月12日閲覧。 
  6. ^ [[モーシェ・バー英語版|Bar, Moshe]] (2007年7月15日). “openMosix Project End of Life Announcement”. SourceForge.net. 2009年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年7月18日閲覧。
  7. ^ ClusterKnoppix”. Slashdot (2003年5月29日). 2019年6月26日閲覧。
  8. ^ clusterKNOPPIX”. DistroWatch (2017年8月26日). 2018年1月7日閲覧。

関連項目

外部リンク

openMosixクラスターのサイト