「一芸入試」の版間の差分
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{{独自研究|date=2013年6月}} |
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同様の選抜方式が一律に'''一芸入試'''と呼称されている訳ではなく、[[AO入試]]、自己推薦入試、公募制推薦入試等各学校により名称は様々である。 |
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== 概要 == |
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一芸入試の代表例がスポーツ推薦である。大学入試において「高校時の競技歴を評価して選抜する入試制度」と定義される<ref name="ono">{{Cite web|title=スポーツ推薦入試で学生が背負わされる十字架とは|url=https://diamond.jp/articles/-/191272|website=ダイヤモンド・オンライン|accessdate=2020-04-04}}</ref>。スポーツ推薦の歴史的変遷は以下のようにまとめられる<ref>{{Cite journal|author=小野雄大, 友添秀則, 根本想|year=|date=2017|title=わが国における大学のスポーツ推薦入学試験制度の形成過程に関する研究|url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpehss/62/2/62_17015/_article/-char/ja/|journal=体育学研究|volume=62|issue=2|page=|pages=599–620|doi=10.5432/jjpehss.17015|issn=0484-6710}}</ref>。 |
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スポーツで顕著な活躍をした人物を学業成績にかかわらず特別入試によって入学させることは{{要出典範囲|従来から大学で頻繁に行なわれてきたが|date=2013年6月}}、1990年代に[[亜細亜大学]]がスポーツ以外の自己PRでの入学選抜を制度化させて話題となった。その結果亜細亜大学は[[けん玉]]日本一、調理の分野で優秀な男子高校生、タレントの芸能活動などを評価して入学させ、{{要出典範囲|亜細亜大学の知名度上昇に大きく貢献した|date=2013年6月}}。以降、[[早稲田大学]]、[[慶應義塾大学]]、[[立命館大学]]や[[明治大学]]等も学業以外の活動を評価して入学させる入試制度を積極的に実施するようになった。また、[[大阪電気通信大学]]では、ケータイ入試、適性入試、発見能力指向入試、コンピュータプログラミング入試などのユニークな推薦入試が活発に行われている。 |
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* 日本では推薦入試の公認以前から、競技者に対する入試の優遇措置が図られていたが、これは入試要項などに明示されるものではなく、あくまでも「非公開」の制度であった。 |
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有名人等を一芸入試で入学させる大学側のメリットとしてはタレント学生のファンがその大学に志願するため入試の志願者増ひいては難易度アップが狙えることが挙げられる。一般的に著名人のOBを輩出するのは困難であるが、一芸入試では著名人OBを容易に増加させることができること、大学のイメージアップが図れること等が挙げられる。しかし大学の一部では、入学の根拠に疑問がある学生の入学に対し、集団で抗議する動きがみられる<ref>『週刊新潮』1998年7月16日号、『週刊現代』1998年9月26日号、ほか</ref>など{{要出典範囲|デメリットも多く|date=2013年6月}}、入学後講義についていけていない学生もいるなどとして{{要出典範囲|批判的な人も多い|date=2013年6月}}。 |
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* 推薦入試公認直後の時期は、[[大学闘争|大学紛争]]を通して、競技者に対する入試の優遇措置が批判にさらされ、従来のような優遇措置を実施することが困難となった。そのため、1960年代後半から1970年代初頭にかけて、各大学では競技者に対する入試の優遇措置が縮小ないし撤廃されていった。 |
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* 私立大学の体育学部では,推薦入試公認直後から積極的に推薦入試が行われた。体育学部における推薦入試では、体育学部が求める学生像と、競技者が有する運動能力が合致することで、競技者向けの特別枠を設けなくとも、競技者を確保することが可能になっていた。 |
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* 1980年代には、私立大学を中心に、競技者に対する特別枠を設けた入試が実施された。[[早稲田大学]]による「体育学専修特別選抜」は、競技者を対象に特別枠を設け、さらに競技種目・実績を指定し、公開のもとで実施された。ただし、この入試は、運動部の強化のための制度か否かという点で、その制度的位置づけと目的にジレンマを抱えた。 |
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* 1987年(昭和62年)の臨教審答申では、スポーツ活動の評価を入試の際に考慮することが求められた。そして、その答申に沿って改訂された'''「昭和64年度大学入学者選抜実施要項」において、大学入試における選抜方法として「スポーツ・文化等の各種分野における諸活動の適切な評価」が示された。''' |
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* 1990年代以降、選抜方法の多様化政策が進み、学力評価の多様化から学力以外の多様な選抜方法の導入へと進んでいき、大学入試のあり方が大きな転換期を迎える中で、多くの大学がスポーツ推薦入試を導入していった。AO入試といった新たな入試方式が生まれたことも後押しして、スポーツ推薦入試の実施形式も多様化していった。 |
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スポーツ推薦の課題として、「学業への不適応」「受験生が学部を選べないことがある」「スポーツ推薦で入学した以上、運動部に属さねばならないケースが大半で、ケガや人間関係の悩みなどに直面すれば、苦しい大学生活を強いられる」といった問題点が指摘されている<ref name="ono2" />。 |
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スポーツ以外も審査対象とする一芸入試として、「文化・芸術活動に優れた者の特別選抜入学試験<ref>{{Cite web|title=文化・芸術活動に優れた者の特別選抜入学試験 入試要項ダウンロード|立命館大学 入試情報サイト|url=https://ritsnet.ritsumei.jp/application/culture/dl.html|website=ritsnet.ritsumei.jp|accessdate=2020-04-04}}</ref>」([[立命館大学]])、「一芸一能選抜<ref>{{Cite web|title=AO入試(一般、一芸一能) – 九州国際大学 Kyushu International University|url=http://www.kiu.ac.jp/guide/nyushi/career/|website=www.kiu.ac.jp|accessdate=2020-04-04}}</ref>」([[九州国際大学]])、「一芸一能推薦」([[亜細亜大学]])などが存在する。 |
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[[名古屋学院大学]]の調査では、一般入試による入学者に比べ、推薦入試による入学者の方が退学・除籍および転学部・転学科者が多かった<ref>{{Citation|title=名古屋学院大学人間健康学部リハビリテーション学科における学業成績の調査 : 入試区分の違いによる検討|url=https://doi.org/10.15012/00000393|date=2011-01-31|accessdate=2020-04-04|doi=10.15012/00000393|language=ja}}</ref>。[[東京工芸大学]]の調査では、推薦入学試験で入学した新入生の平均点は、一般入学試験で入学した新入生の平均点よりも5教科全体で低い結果となった<ref>{{Citation|title=工芸大工学部での新入生への学力調査|url=https://doi.org/10.18950/jade.2.1_19|publisher=日本リメディアル教育学会|date=2007|accessdate=2020-04-04|doi=10.18950/jade.2.1_19|language=ja|first=雅裕|last=甲斐}}</ref>。これらの調査から、一芸入試を含めた推薦入試制度に否定的な意見がある。 |
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==関連項目== |
==関連項目== |
2020年4月4日 (土) 01:23時点における版
一芸入試(いちげいにゅうし)とは、学力審査に基づく選抜ではなく、受験者が申告する特技や入学への熱意を査定して入学者を選抜する方法を指す。スポーツ競技歴を審査するスポーツ推薦が広く知られている。AO入試、自己推薦入試、公募制推薦入試など、各学校によって名称は様々である。
概要
一芸入試の代表例がスポーツ推薦である。大学入試において「高校時の競技歴を評価して選抜する入試制度」と定義される[1]。スポーツ推薦の歴史的変遷は以下のようにまとめられる[2]。
- 日本では推薦入試の公認以前から、競技者に対する入試の優遇措置が図られていたが、これは入試要項などに明示されるものではなく、あくまでも「非公開」の制度であった。
- 推薦入試公認直後の時期は、大学紛争を通して、競技者に対する入試の優遇措置が批判にさらされ、従来のような優遇措置を実施することが困難となった。そのため、1960年代後半から1970年代初頭にかけて、各大学では競技者に対する入試の優遇措置が縮小ないし撤廃されていった。
- 私立大学の体育学部では,推薦入試公認直後から積極的に推薦入試が行われた。体育学部における推薦入試では、体育学部が求める学生像と、競技者が有する運動能力が合致することで、競技者向けの特別枠を設けなくとも、競技者を確保することが可能になっていた。
- 1980年代には、私立大学を中心に、競技者に対する特別枠を設けた入試が実施された。早稲田大学による「体育学専修特別選抜」は、競技者を対象に特別枠を設け、さらに競技種目・実績を指定し、公開のもとで実施された。ただし、この入試は、運動部の強化のための制度か否かという点で、その制度的位置づけと目的にジレンマを抱えた。
- 1987年(昭和62年)の臨教審答申では、スポーツ活動の評価を入試の際に考慮することが求められた。そして、その答申に沿って改訂された「昭和64年度大学入学者選抜実施要項」において、大学入試における選抜方法として「スポーツ・文化等の各種分野における諸活動の適切な評価」が示された。
- 1990年代以降、選抜方法の多様化政策が進み、学力評価の多様化から学力以外の多様な選抜方法の導入へと進んでいき、大学入試のあり方が大きな転換期を迎える中で、多くの大学がスポーツ推薦入試を導入していった。AO入試といった新たな入試方式が生まれたことも後押しして、スポーツ推薦入試の実施形式も多様化していった。
スポーツ推薦の課題として、「学業への不適応」「受験生が学部を選べないことがある」「スポーツ推薦で入学した以上、運動部に属さねばならないケースが大半で、ケガや人間関係の悩みなどに直面すれば、苦しい大学生活を強いられる」といった問題点が指摘されている[3]。
スポーツ以外も審査対象とする一芸入試として、「文化・芸術活動に優れた者の特別選抜入学試験[4]」(立命館大学)、「一芸一能選抜[5]」(九州国際大学)、「一芸一能推薦」(亜細亜大学)などが存在する。
名古屋学院大学の調査では、一般入試による入学者に比べ、推薦入試による入学者の方が退学・除籍および転学部・転学科者が多かった[6]。東京工芸大学の調査では、推薦入学試験で入学した新入生の平均点は、一般入学試験で入学した新入生の平均点よりも5教科全体で低い結果となった[7]。これらの調査から、一芸入試を含めた推薦入試制度に否定的な意見がある。
関連項目
脚注
- ^ “スポーツ推薦入試で学生が背負わされる十字架とは”. ダイヤモンド・オンライン. 2020年4月4日閲覧。
- ^ 小野雄大, 友添秀則, 根本想 (2017). “わが国における大学のスポーツ推薦入学試験制度の形成過程に関する研究”. 体育学研究 62 (2): 599–620. doi:10.5432/jjpehss.17015. ISSN 0484-6710 .
- ^ 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。「ono2
」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ “文化・芸術活動に優れた者の特別選抜入学試験 入試要項ダウンロード|立命館大学 入試情報サイト”. ritsnet.ritsumei.jp. 2020年4月4日閲覧。
- ^ “AO入試(一般、一芸一能) – 九州国際大学 Kyushu International University”. www.kiu.ac.jp. 2020年4月4日閲覧。
- ^ 『名古屋学院大学人間健康学部リハビリテーション学科における学業成績の調査 : 入試区分の違いによる検討』2011年1月31日。doi:10.15012/00000393 。2020年4月4日閲覧。
- ^ 甲斐雅裕『工芸大工学部での新入生への学力調査』日本リメディアル教育学会、2007年。doi:10.18950/jade.2.1_19 。2020年4月4日閲覧。