「桁橋」の版間の差分

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==関連文献==
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== 関連項目 ==
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2017年4月15日 (土) 14:49時点における版

桁橋(けたばし・けたきょう)とは、横にかけた橋桁によって橋面を支える方式で作られたのことである。橋を支えるためにアーチなどの特別な構造体を用いない橋であり、橋の途中に橋脚を設ける場合と設けない場合がある。なお、桁橋を意味する英語「Girder bridge」から、日本語ではガーダー橋とも言う。

単線上路デッキガーダー橋(連続桁橋)島原鉄道。1本の橋の中央部に橋脚があり、3つの支点で支えている。
単線下路スルーガーダー橋 島原鉄道。スルーガーダーとすることにより、両端の橋桁のみで支えることが可能。
単純桁橋

構造

桁橋では支間(支承と支承の間)をあまり長くできないので、長い桁橋では橋脚を多く立ててつないでいく。これには、1本の桁を2個の支点で支える単純桁橋を連ねる方法と、1本の桁を3個以上の支点で支える連続桁橋がある。単純桁橋は構造計算が簡単なのが利点である。一方、連続桁橋は構造計算は複雑になるが、同じ断面の単純桁橋よりも長い支間とすることが可能。副次的な効果として床板のつなぎ目が少なくなるため車で渡るとき乗り心地が良くなる。また、地震などで橋脚の間隔が拡がってしまった場合、単純桁橋では桁が落ちてしまうが、連続桁橋ではその可能性は低い。そしてこのことは阪神淡路大震災の時に明らかとなった[1]。鉄道・道路など様々な高架線には桁橋がよく用いられるが、近年では連続桁橋が多い。

他の形式と比べると、強度を保つために材料が多くなり、橋脚を余計に必要とする。そのため大型の橋には適さない。しかし単純さゆえの利点もあり、最近ではかなり大型の橋にも桁橋が採用されている。

1929年に架けられた北近畿タンゴ鉄道宮津線円山川橋梁。

橋脚を建てづらい中央部ではトラスアーチなど別の構造を採用して支間を長く取り、橋脚を建てやすい周辺部では単純桁橋を連ねる構造の橋も多い。

桁橋の部材

桁橋は主として、車両や橋自身の重さ(荷重)などに主として抵抗する主桁と路面を直接支える床版からなる。桁橋では「曲げ」によるたわみが発生し、主桁内部の上側に圧縮応力が発生、下側に引張応力が発生する。したがって上部の圧縮力に強い鉄筋コンクリート床版に桁の力も分担させることが多い。主桁は引張り力に強い鋼材かプレストレスト・コンクリートにする。桁はI形やT形あるいは箱形など、より少ない材料(断面積)で十分な剛性断面2次モーメント)を確保できるような形状が選ばれる。床版は鉄筋コンクリート床版の他、より強度が必要なときはプレストレスト・コンクリート床版が用いられるほか、施工期間の短縮や薄型化が求められる場合には床版も使われる。他に以下の補助材が適宜用いられる。主桁間が適切に荷重を分担できるようにする横桁(よこげた)や縦桁(たてげた)、橋の立体的な形状を保ち、風による横方向の荷重に抵抗する横構(よここう)や対傾構(たいけいこう)、座屈を防止する補剛材(ほごうざい)など多数の部材がある。

一般に長支間の桁橋ほど、複雑な構造になる傾向がある。一方で短支間の桁橋には薄い主桁と床版が一体構造になった「床版橋」と呼ばれる形式がある。

出典

  1. ^ 土木学会関西支部 編 『図解・橋の科学 なぜその形なのか? どう架けるのか?』 p.39 講談社(ブルーバックス B-1676) 2010年3月20日発行 ISBN 978-4-06-257676-5

関連文献

  • 西野保行、小西純一、中川浩一「明治期におけるわが国の鉄道用プレートガーダーについて-概説」『土木史研究』第13巻、1993年、321-330頁、doi:10.2208/journalhs1990.13.321 

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