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[[画像:Carabelli.jpg|right|カラベリー結節]]
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'''カラベリー結節'''('''carabelli cusp''')は[[歯]]の形態異常、異常結節の一つ。
'''カラベリー結節'''('''carabelli cusp''')は[[歯]]の形態異常、異常結節の一つ。上顎[[大臼歯]]及び上顎[[乳臼歯]]の近心舌側面に出現する過剰結節のこと。[[上顎第二乳臼歯]]、[[第一大臼歯]]に好発する<ref name="kondou" />。[[研究者]]により定義が異なり、[[咬頭]]や[[結節]]のみでなく、[[小窩]]や[[溝]]なども表現型の変異であるとして定義に含めるとする研究者も存在する<ref name="kondou" />


== 歴史 ==
上顎[[大臼歯]]及び上顎[[乳臼歯]]の近心舌側面に出現する過剰結節のこと。[[第二乳臼歯]]、[[第一大臼歯]]に好発する。1842年に[[ゲオルク・カラベリー]]により最初に報告された<ref>{{Cite book|和書|author=[[赤井三千男]]|editor=[[赤井三千男]]編|title=歯の解剖学入門|edition=第1版|date=1990-05-31|publisher=医歯薬出版|isbn=4-263-40572-2|pages=pp.131-148|chapter=第5章 歯の異常}}</ref>。
1842年に[[ゲオルク・カラベリー]]により最初に報告された<ref>{{Cite book|和書|author=[[赤井三千男]]|editor=[[赤井三千男]]編|title=歯の解剖学入門|edition=第1版|date=1990-05-31|publisher=医歯薬出版|isbn=4-263-40572-2|pages=pp.131-148|chapter=第5章 歯の異常}}</ref>とされるが、Rousseau(1827年)やAlbini(1755年)がすでに発見されていたとする説もある<ref name="kondou">{{Cite journal|和書|author=[[近藤信太郎]] |coauthors=[[金澤英作]]、[[中山光子]] |year=2006 |month=May |title=歯科人類学におけるカラベリー結節 |journal=Anthropological Science (Japanese Series) |volume=114 |issue=1 |pages=63-73 |publisher=[[日本人類学会]] |location= |issn=1344-3992 |doi=10.1537/asj.114.63 |naid=10018145423 |id={{JOI|JST.JSTAGE/asj/114.63}} |url=http://www.jstage.jst.go.jp/article/asj/114/1/63/_pdf/-char/ja/ |format=PDF |accessdate=2011-11-11}}</ref>。


== 疫学 ==
かつては[[コーカソイド]]に多いとされていたが、近年では集団間の違いは明らかではなくなってきている<ref name="kondou" />。また、カラベリー結節を発生させる[[遺伝子]]も、かつては単一の遺伝子が原因と考えられてきたが、現在では多くの遺伝子が関与する多因子性の遺伝と考えられている<ref name="kondou" />。

== 臨床 ==
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== 脚注 ==
== 脚注 ==
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2011年11月11日 (金) 14:20時点における版

カラベリー結節
カラベリー結節

カラベリー結節carabelli cusp)はの形態異常、異常結節の一つ。上顎大臼歯及び上顎乳臼歯の近心舌側面に出現する過剰結節のこと。上顎第二乳臼歯第一大臼歯に好発する[1]研究者により定義が異なり、咬頭結節のみでなく、小窩なども表現型の変異であるとして定義に含めるとする研究者も存在する[1]

歴史

1842年にゲオルク・カラベリーにより最初に報告された[2]とされるが、Rousseau(1827年)やAlbini(1755年)がすでに発見されていたとする説もある[1]

疫学

かつてはコーカソイドに多いとされていたが、近年では集団間の違いは明らかではなくなってきている[1]。また、カラベリー結節を発生させる遺伝子も、かつては単一の遺伝子が原因と考えられてきたが、現在では多くの遺伝子が関与する多因子性の遺伝と考えられている[1]

臨床

小窩や溝の場合、う触の好発部位となる[3]

脚注

  1. ^ a b c d e 近藤信太郎金澤英作中山光子歯科人類学におけるカラベリー結節」(PDF)『Anthropological Science (Japanese Series)』第114巻第1号、日本人類学会、2006年5月、63-73頁、doi:10.1537/asj.114.63ISSN 1344-3992NAID 10018145423JOI:JST.JSTAGE/asj/114.632011年11月11日閲覧 
  2. ^ 赤井三千男 著「第5章 歯の異常」、赤井三千男編 編『歯の解剖学入門』(第1版)医歯薬出版、1990年5月31日、pp.131-148頁。ISBN 4-263-40572-2 
  3. ^ 恩田千爾乳歯の形態異常」(PDF)『歯科基礎医学会雑誌』第41巻第3号、歯科基礎医学会、1999年6月、163-170頁、doi:10.2330/joralbiosci1965.41.163ISSN 0385-0137NAID 110003165622JOI:JST.Journalarchive/joralbiosci1965/41.1632011年11月11日閲覧