「菊酒」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
 
踏蹟 (会話 | 投稿記録)
m +category
1行目: 1行目:
菊酒とは重陽の節句(旧暦の九月九日)いわゆる「菊の節句」に飲む菊の花を浸した[[日本酒]]のこと。
'''菊酒'''とは重陽の節句(旧暦の九月九日)いわゆる「菊の節句」に飲む菊の花を浸した[[日本酒]]のこと。


[[花札]]の絵に[[菊]]と[[酒]][[盃]]がセットで描かれているのは「菊酒」を表現したもので、「桜に幔幕」の札とで「花見酒」、「月」の札とで「月見酒」と日本の行事にまつわる役を作る札。
[[花札]]の絵に[[菊]]と[[酒]][[盃]]がセットで描かれているのは「菊酒」を表現したもので、「桜に幔幕」の札とで「花見酒」、「月」の札とで「月見酒」と日本の行事にまつわる役を作る札。
11行目: 11行目:


現在は日本の一部の料亭などで[[食用菊]]を浮かせた菊酒が客に供されることがある。
現在は日本の一部の料亭などで[[食用菊]]を浮かせた菊酒が客に供されることがある。

[[Category:日本酒|きくさけ]]

2006年9月9日 (土) 08:46時点における版

菊酒とは重陽の節句(旧暦の九月九日)いわゆる「菊の節句」に飲む菊の花を浸した日本酒のこと。

花札の絵にがセットで描かれているのは「菊酒」を表現したもので、「桜に幔幕」の札とで「花見酒」、「月」の札とで「月見酒」と日本の行事にまつわる役を作る札。

菊と長寿

菊酒のルーツはおそらく、の「菊慈童(枕慈童)」にも紹介されている中国の伝説であろうと思われる。

中国皇帝に寵愛されていた少年使用人がふとした弾みに皇帝の枕をまたいでしまい、慣例によって死刑になるところを皇帝の慈悲によって追放刑に減刑されて仙境に赴き菊の花が流れる小川の水(あるいは菊の露)を飲んで仙人になったという筋で、平安時代の貴族は重陽の節句に「菊着せ綿」といって菊の花にかぶせた真綿で体をこすって健康を祈った。

ちなみに菊に薬効があるとして、現代の中国でも菊の花を乾燥させて茶葉に混ぜるなどした「菊茶」が飲まれるが、日本の菊酒の場合は普通生花を使う。

現在は日本の一部の料亭などで食用菊を浮かせた菊酒が客に供されることがある。