「形声」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
m →‎構成: wikt関係をパイプ化、See alsoの利用。
編集の要約なし
76行目: 76行目:


逆に後世では、新しい言葉がうまれると、形声によって新しい文字を作った。ここでの音符は意味はあまり考慮されず、[[表音文字]]的に使われている。
逆に後世では、新しい言葉がうまれると、形声によって新しい文字を作った。ここでの音符は意味はあまり考慮されず、[[表音文字]]的に使われている。

== 字書での扱い ==
字書では、意符を[[部首]]とする場合が多い。例えば、
*「銅」は意符「金」と音符「同」から成るので[[金部]]に属する
*「雲」は意符「雨」と音符「云」から成るので[[雨部]]に属する
といった具合である。ただし意符が部首にないなどの場合はこの限りではない。例えば、
* 意符「光」と音符「軍」から成る「輝」は、「光」が部首にないので便宜的に[[車部]]に入れられている。


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

2018年10月8日 (月) 09:10時点における版

形声(けいせい、形聲)とは、漢字の造字法を表す六書(りくしょ)の一つである。象声諧声ともいう。

構成

事物の類型を表す記号(意符)と発音を表す記号(音符)を組み合わせて新しい字を作る。形声によって作られた漢字を形声文字(けいせいもじ)という。漢字の 90% 以上が形声文字である。

例えば「江」(コウ)、「河」(カ)は、左側の「」(さんずい)が意符で、水を表し、右側の「工」や「可」が音符で、各字の音を表す。字典で部首とされているものが、意符となることが多い。

音符は音を表すものであり、例えば「銅」は「ドウ」という音の金属という意味であり、音符である「同」には意味は無い。

しかしながらまったくの表音文字とは異なり、ある程度は意味に関連がある場合もある。例えば「晴」は「青」を音符とし、「」を意符とするが、「青」は晴れた空の青さを意味する。「清」は「氵」を意符とするが、「青」は清い海の青さを意味する。なお「」は会意

「照」は「灬」を意符とするが、「昭」は明るいことを意味し、組み合わせることで「火を使って明るくする」という意味になる。ちなみに「」も「召」を音符とする形声であるが、「」は「まねく」の意を示しているとも解釈できる。

こういった面から、宋代以降、音符のほうに意味を区別する語源があるのだとする右文説が唱えられた。

類型

左が意符、右が音符

極めて多い。

  音符
意符

右が意符、左が音符

多い。

  音符
意符

上が意符、下が音符

多い。草 (艹 + 早)、雲 (雨 + 云)、宇 (宀 + 于) など。

下が意符、上が音符

多い。梨 (木 + 利)、斧 (斤 + 父)、想 (心 + 相) など。

外が意符、内が音符

が意符の字は多い。園 (囗 + 袁)、閥 (門 + 伐)、衷 (衣 + 中)、術 (行 + 朮) など。

内が意符、外が音符

少ない。聞 (耳 + 門)、齋 (示 + 齊)、辯 (言 + 辡)、疆 (土 + 彊)、衡 (角 + 大 + 行) など。

一隅が意符、三隅が音符

非常に少ない。修(彡 + 攸)、磨(石 + 麻)、雇(隹 + 戸)など。

三隅が意符、一隅が音符

が意符の字は多い。遠 (辶 + 袁)、病 (疒 + 丙)、趣 (走 + 取) など。

造字法の変遷

歴史的に見ると、元の字に後から意符が付けられた例が少なくない。例えば、「然」はもともと「もえる」の意味であったが、「しかり」の意味が主になると、本義を表すために「」を加えて「燃」とした。同様に「要」も「こし」から「かなめ」の意味が主になると、元の「こし」は「腰」とするようになった。

逆に後世では、新しい言葉がうまれると、形声によって新しい文字を作った。ここでの音符は意味はあまり考慮されず、表音文字的に使われている。

字書での扱い

字書では、意符を部首とする場合が多い。例えば、

  • 「銅」は意符「金」と音符「同」から成るので金部に属する
  • 「雲」は意符「雨」と音符「云」から成るので雨部に属する

といった具合である。ただし意符が部首にないなどの場合はこの限りではない。例えば、

  • 意符「光」と音符「軍」から成る「輝」は、「光」が部首にないので便宜的に車部に入れられている。

外部リンク