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==== ホルグ領関連 ==== |
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; ニコール・ホルグ |
; ニコール・ホルグ |
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: 領主である夫のスチュアート |
: 領主である夫のスチュアート亡き後、ホルグを統治している未亡人。才色兼備で有能。元々、ホルグの直系はニコールで、一人娘だったためスチュアートの方が婿入りしてきた。領地であるホルグは中央からは遠く、白鳥の餌付けをするなどして若い女性向けの観光事業に力を入れている。フラン・バスクとの再婚話が持ち上がったことがあるが、ニコールらホルグ側は娘のケイトリンへの縁談だと思っていたようだ。 |
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; ケイトリン・ホルグ |
; ケイトリン・ホルグ |
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: ニコールの一人娘。ニコールはケイトリンをホルグの跡取りにと考えているが、ケイトリンは普通に結婚して嫁入りすることを夢見ている。 |
: ニコールの一人娘。ニコールはケイトリンをホルグの跡取りにと考えているが、ケイトリンは普通に結婚して嫁入りすることを夢見ている。 |
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; スチュアート・ホルグ |
; スチュアート・ホルグ |
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: 故人。遠縁だったニコールと結婚してホルグの領主となるが、街生まれ街育ちのスチュアートにとって、ホルグは退屈な田舎であり、酒や女遊びに溺れた挙句、愛人宅で情事の最中に火事に遭い、愛人と一緒に事故死する。 |
: 故人。遠縁だったニコールと結婚してホルグの領主となるが、街生まれ街育ちのスチュアートにとって、ホルグは退屈な田舎であり、酒や女遊びに溺れた挙句、愛人宅で情事の最中に火事に遭い、愛人と一緒に事故死する。 |
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2013年10月16日 (水) 10:42時点における版
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『カルバニア物語』(カルバニアものがたり)は、TONOによる日本の漫画作品。徳間書店の漫画雑誌『Chara』で連載中。
概要
1993年に徳間書店の『Noel』誌に、短編ファンタジーのシリーズの一編として掲載され、その後同じ世界観に基づいた作品が発表され徐々に連作としての形を取り始めていった。翌1994年、『Chara』誌の創刊に伴って同誌に移行し正式に『カルバニア物語』と銘打って連載が開始された[1]。カルバニア王国の年若い女王タニアと乳姉妹で男勝りの公爵令嬢エキュー・タンタロットを中心としたストーリーで現在も『Chara』誌で好評連載中。
主な登場人物
- エキュー・タンタロット
- カルバニア王国に2つある公爵家の一方「タンタロット家」の息女。公爵令嬢にして跡継ぎ。母がエキュー出産時に亡くなり、父が後添いを貰うのを拒否したため、長く一人っ子として育つ。女王タニアの乳姉妹で幼馴染。
- 金髪碧眼で美貌の持ち主だが、幼少期から乱暴な男勝りかつ喧嘩好きで、普段は男装して馬に乗り、活発に駆け回っている。その反面、幽霊などのオカルトが大の苦手。「貧乳」「無乳」と呼ばれるほど胸がないことが密かなコンプレックス。菱形が大好きで、服のモチーフやイヤリングとして身に着けていることが多い。
- STORY48でついにタンタロット公爵家を継承し、王国初の女公爵となった。もう一方の公爵家の当主ライアンとは恋人同士。
- タニア・カルバニア
- カルバニア王国第21代国王にして初めての女王。即位時はまだ16歳であった。旧式な考えの貴族達の中で「年若い」「女王」であることの苦労は尽きないが、悩みながらも持ち前の明るく前向きな性格で乗り切っている。
- エキューとは乳姉妹かつ幼馴染みであり、女王となった現在でもプライベートでは気の置けない女友達として親しく付き合っている。公爵家のライアンを父や兄のような存在として慕っている。
- 濃い褐色の髪に黒い瞳、Dカップ巨乳の持ち主。好物は麺類。
- ライアン・ニックス公爵
- カルバニア王国でタンタロット公爵家と並ぶ、ニックス公爵家の若き当主。華やかで人目を惹く美貌と豊かな赤毛の持ち主。愛のない政略結婚の両親を見て育ち、自身も過去に女性関係のトラブルに巻き込まれたことから、女嫌いで人嫌い。少年を愛する同性愛者だった。幼い頃のエキューを美少年と思い込んで言い寄ったことがあるが、現在はめでたく男女の恋人関係に。
- タニアとも家庭教師として度々会っているが、こちらは男女というより兄妹、もしくは父と娘のような関係である。エキューを除いては女嫌いなはずのライアンが、なぜかタニアとは気が合い、彼女を守るためなら頭に斧が刺さった女の怨霊さえも堂々と相手にして「女王陛下はお休みだ。失せろ」とタニアを起こさないように静かに、だが怒気を込めた目で睨んで追い散らしたこともある。後にタニアの前にこの悪霊が現れたときは「あの、恐ろしい赤毛の男はいない」と女の悪霊が言っていることからして、幽霊からも恐れられる存在でその意味でも公爵としてふさわしい貫禄を備えている男性であると言える。しかし、ライアンをタニアの家庭教師に仕向けた仕官達の真の思惑は、タニアの夫候補としての引き合わせであった。その後、エキューと恋仲になったことでタニアの夫候補から外され、家庭教師も解任されるが、それを激怒し、特に次の候補としてナジャルが現れた時は、タニアの夫になる男は自分よりもハンサムで背も高く、何もかも優れた男でないと嫌だと言い切る。さらに内心では「ずっとタニアをじめじめと狙っていた」「暗いつまんなそうな男」としてコンラッドのことも実は嫌っていた。結局、ナジャルの家庭教師はすぐに終了し、またライアンがタニアの家庭教師を務めることとなる。
- 公爵家でありながら宮廷にほとんど顔を出さないため奇人扱いされていたが、現在はエキューやタニアのために陰ながら助けに入るなど若干ではあるが改善された模様(それでもスズメのようにかしましくうるさい貴婦人達に対しては冷徹で、噂通り感じ悪いと冷たくあしらわれた貴婦人達がダゴル長官に苦情を訴えるシーンもあった)。
カルバニア王国の人々
カルバニア王家関連
- リカルド・カルバニア
- タニアの父で先代のカルバニア王。カリスマ性があり国民からの人望も厚かったが、タニアが12歳の時に若くして病死する。
- プラティナ・カルバニア
- リカルド王の正妃。13歳で王妃となり、14歳でタニアを出産する。自身の金色の髪と緑の瞳が自慢で、タニアの髪が金髪でなくセピアなのが不満だった。浪費が激しく、だんだんとオカルトに傾倒していき、そのせいでタニアの髪と目の色を変えようとして大怪我を負わせてしまったことも。
- リカルドの病を治したい一心で、国宝の紅玉と引き換えに手に入れた「奇跡の水」をリカルドに飲ませ、その直後にリカルドが亡くなったため王毒殺の嫌疑がかけられてしまう。タニアの尽力により、その嫌疑は免れるが、国宝流出の責任を取り、カルバニアから遠く離れた土地へと下った。
- ナジャル・フラコス・カルバニア
- スプーナの息子。正妃ではなく愛人との間の子で、タニアとは同い年。ライアンの後釜(教育係兼結婚相手候補)としてタニアの家庭教師となる。
- 幼少期は元気で利発で美しい子供で、第二のリカルド王になるのではと期待されたが、8歳の時に落馬して足に怪我を負い、その後は中央を離れて母方の城に篭って暮らしていた。足を悪くしたことで性格が少々歪んでおり、初めての授業でタニアに眠り薬入りのプリンを食べさせて下着を脱がすという不埒を働く。その後、タニアの真の強さを知り、彼女のことを見直す。結局、タニアの家庭教師は二回で終了となり、またライアンが担当することとなったが、その後も彼は中央に残ることになり、東の離宮であるココア・タワーで暮らしている。
- オシリス・シマロン・カルバニア
- カルバニア国の皇太子。先王リカルドの弟でタニアの叔父に当たるが、妾腹の子。
- スプーナ・フラコス・カルバニア
- 先王リカルドの二番目の弟でタニアの叔父に当たるが、オシリスとはまた別の妾腹の子。本人も正妻の他に妾が8人おり、子供は10人いる。ナジャルはそのうちの一人。タニアが子供の頃はよくからかって苛めまがいの嫌がらせをしていたが、即位の直前にタニアに毅然とした態度を取られ、以降はタニアのことを認め、嫌がらせをしなくなる。
- キセパ・フラコス・カルバニア
- 先王リカルドの妹でタニアの叔母。スプーナとは父と母が同じ実姉。
タンタロット公爵家関連
- カイル・タンタロット
- エキューの父、前公爵。エキューの公爵家継承により隠居した。いつもにこにこ暢気なお人好しおじさんに見えるが、実はかなりの切れ者。エキューの短気を戒めつつもその能力を認めており、彼女が誰はばかることなく爵位を継げるように運動していた。
- 妻プリシラの死後は長く独身を通していたが、後年めでたくナタリー・ホーンと再婚した。
- プリシラ・タンタロット
- 故人。カイルの妻でエキューの母親。身体が弱く、結婚後20年子供ができなかった。やっと子供を授かるが、年齢的なこともあり、カイルはプリシラの体を心配して産むのを反対する。それを強い意志で押し切り出産するが、エキューと引き換えに命を落とした。
- ハニー・ハットン伯爵夫人
- カイルの実姉。エキューの伯母であり、育ての母のような存在。グラスという息子がいる。
- ナタリー・ホーン
- ホーン商会という豪商の娘だったが、7年前の大火で実家は消滅、天涯孤独の身となる。その火事でナタリー本人も大怪我を負い、常に松葉杖をついている。父親のかばん持ちとしてタンタロット公爵家に出入りしている頃からカイルのことを思っており、ようやくその思いが通じてカイルの子供を宿した。
- イサク
- 元々は下町の貧しい家の子供だったが、毎年、自分の誕生日に施しと称して菓子を配るカイルを真似、イサクの誕生日にカイルに施しをするという行動をタンタロット家の勝手口(イサクは正門だと思っていた)で3年続けた。その年にイサクの飲んだくれだった父親が亡くなって天涯孤独になったこともあり、タンタロット家の家臣見習いとして屋敷に招き入れられる。十数年後の現在はカイルの秘書をしており、カイルのことを心から敬愛している。
バスク領関連
- タキオ・バスク
- タンタロットの傍系に当たるバスク領の領主。保守的な性格。女性であるエキューの爵位継承についてもかつては良く思っていなかった。次期タンタロット公爵の座を狙ってリアンダと政略結婚し、息子フランを儲けるも、タニアの女王即位によってエキューが爵位を継ぐ可能性が高まり挫折、リアンダと離婚後はフランの存在を無視していた。リアンダとの結婚前から酒場の女給だったアンヌと親密に付き合い、一男一女を儲けている。いくつかの出来事を経てエキューとのゆるやかな和解の後、現在はエキューの後見者として影に日向に彼女を補佐している。
- 生まれながらに領主の一族として生活してきたせいか、その時の感情の勢いに任せて発言し、失態を招くということがある。また買い物は下手で公爵夫人となるナタリーに売り込みをする際に買い物する時もホルグの女領主ニコールが協力してはじめて宣伝になったほど無骨かつ不器用な性格である。
- 空気を読まず、他人にも無理(または理不尽)なことを言ったりする。実際にメイド達に「きちんと働かないならおれはいつだって誰だって叩き出すからな!」と言い、さらに「それはお前も同じだぞ アンヌ!メイドにきちんと自分の役割をやらせるんだ」と言っているが、元々酒場の女給として使われる身分と立場の人間であったアンヌにそんな事ができるはずもなく、教科書や先輩の夫人など用意してアドバイスさせたりといった事もしていないのに怒りに任せてかなり無茶な事を新人領主夫人のアンヌに対して言っていた。
- フラン・バスク
- タキオとリアンダの息子。バスクの嫡子。生まれて間もなく母リアンダがタキオと離婚したため放置され、使用人のカフによって育てられた。丈夫で色つやがよく明るい性格。一見おとなしく従順に見えるが、芯は逞しい子。
- カフに育てられたせいか優しくまっすぐな少年に育った。後に彼を捨てたリアンダを恨んでいるかとエキューに質問されても「ぜんぜん!だって、おかげでカフと一緒にいられたじゃん」と笑顔で返答するほどカフの事を大切に思い、同時に非常に強く信頼していることが伺える。
- リアンダ・パルセット
- フランの実の母。タキオと政略結婚しフランを儲けるが、体が弱く発育も遅いフランに愛情を感じられず、カフに預けて別居、後に正式にタキオと離婚する。後年はハイゼン侯爵と連れ添うが、敢えて入籍せず愛人の立場となる。
- 子供一人育てるのにどれほどの労力が必要となるのかカフに押し付けた当時はわからなかったようで、養育費は一切カフの家族に渡していなかった。それを後になって自覚したのか、ハイゼンに指摘されたのかは不明だがカフ、及び彼の家族に対してフランを押し付けたことに若干、罪悪感を感じるようになった模様。両親からの愛を受けられず、ひねくれた性格に成長してもおかしくないのに、優しく明るく、まっすぐな性格の少年に成長したフランを見て、息子を大切に育ててくれたカフにとても感謝するようになり、若くして病死した後、リアンダの遺産は彼女の遺言により全てカフに受け継がれた。
- アンヌ・バスク
- タキオの後妻。かつては酒場の女給だったところをタキオと知り合い、一人息子のアトスを設け、後にタキオの部下にしてフランの養い親のカフとその父ハルの協力でめでたくバスクの領主夫人に。
- 自分達と同じ庶民であり、何の身分もない者に仕えたくないと、バスクの領主館で働くメイド長ジャンヌをはじめとする部下のメイド達から息子のアトス共々、徹底的に無視されたり、洗濯物をたたまないでそのままタンスに突っ込まれる、ドレスの着つけの時間を30分過ぎても何の連絡もなく放置される(これでジャンヌが忘れていたという言い訳をしていたら、それはそれでメイド長として問題がある)という一種のイジメを受けるが、それでも女給として働いた経験上、働く女性の苦労が理解できるので彼女達をクビにはせず、カルバニアに住むエキューの所で働くメイド達と入れ替えるという提案をするなど、実子であるフランを養育費も渡さずに使用人のカフに押し付けた自己中心的なリアンダと違って常に周囲に気を配り、鈍感で空気を読まないタキオをサポートしていく優しく忍耐力のある夫人。一癖も二癖もある登場人物の多いこの物語の中では数少ない人格者の一人である。
- アトス・バスク
- アンヌとタキオの息子にしてフランの異母弟。リアンダとの愛のない夫婦生活よりも愛するアンヌとその息子であるアトスを溺愛し、正妻の子であるフランを無視してカフに育てさせるタキオにはいつも悩んでいた。
- やがてフランを遠方に住む中年女の結婚相手にするという、俗にいう政略結婚をタキオがもちかけて、エキューを巻き込む大騒動に。それでも彼が乱入してフランとの兄弟の愛情をカフとハル親子、そしてエキューの協力もあってタキオに示すことに成功。タキオを改心させることにも成功し、政略結婚も無しになった。後にタキオがアンヌと結婚したおかげで愛人の子ではなく正式にタキオの息子となる。
- 愛人の子であるというレッテルのせいで、過去に物置に閉じ込められて犬をけしかけられたり、食事に針やガラスの破片が入っていたという相当ひどいイジメをうけていた模様。だがおかげでジャンヌ及び彼女の部下のメイド達からも無視されたり「消えろ私生児!」と罵倒されてもあまり気にしなくなったという、相当強い忍耐力の持ち主でもある。
- アンヌがエキューにバスクのメイド達とカルバニアにあるタンタロット公爵家のメイドの一部を入れ替えてみてはどうかという提案をして、実行に移された時にカルバニアから来たメイド達は彼を罵倒しなかった。この時アトスは「カルバニアから来たメイドさんやさしいなー。消えろ私生児!!とか言ったりしないんだー幸せ…♡」と言っており(カルバニア物語11巻176ページを参照)、感激のあまりに涙を浮かべて喜んでいた。彼の喜び方からしてジャンヌと配下のメイド達が普段からどれほど陰湿ないやがらせをアンヌとアトス親子にしていたのかが伺える。
- キャシーアン・バスク
- アンヌとタキオの娘でフランの異母妹。愛称は「キャス」。
- カフ・スタン・ストーク
- バスクの使用人。動物の飼育に関する才能があり、それが縁となって幼少期のフランの世話をリアンダからなしくずし的に任された。この時、リアンダがフランの養育費をカフの両親に渡さなかったため、フランの養育に露骨に手を抜く母親を見かねて(この時の母の台詞が「めんどくさいのよ」「あーら気づかなかった」であり、カフと違ってフランを無償で世話する気がゼロな現金な性格だったのは明白である)フランを育てることになった。
- 聡明な男だが、赤子の時は病弱で色つやも悪かったフランを世話してきたせいか、彼のことになると過保護になるため「男ばあや」と揶揄されることがある。20代後半だが、16、7歳ぐらいの少年にしか見えず、商談や恋愛に支障があるため、その「若すぎる外見」を気にしている。
- ジャンヌ
- タキオやフランといったバスクの領主一族が住む館のメイド長。メイドとしての腕は高いが同時に非常にプライドが高く、視野が狭い。かつては酒場の女給だったアンヌをタキオと結婚して領主夫人となっても絶対に認めず表向きは敬語を使い頭を下げてはいるものの「こんな女、怖くもなんともないわ。こんな女に仕えなきゃいけないなんて、ほんとにまっぴらよ」と特に問題を起こしておらず何の罪もないアンヌを馬鹿にして見下し、彼女の世話を手抜きするなど、自分の見栄とプライドにこだわって嫌がらせをしてメイド長としては問題のある行動をしばしば起こしていた。
- またタキオに酒場の女を勧めたとして、カフと父のハルをも裏切り者扱いして敵視していた。さらに彼女とその部下のメイド達はアンヌとその息子アトスを徹底的に無視をはじめとするさまざまな陰湿な嫌がらせを(アトスに関しては罵倒も)していた。
- 後にそのことがタキオに発覚して、当然ながら領主夫人の言うことを聞かない部下のメイドはみんなクビにすると宣告された時は自業自得であるにもかかわらず被害者ぶって両手で顔を覆って泣いていた(ちなみにそんなことがあっても、ジャンヌと部下のメイド達は己の罪を認めず、全く反省しないでアンヌを無視し続けた。詳細はカルバニア物語の11巻の169ページを参照)
- 幸い優しいアンヌの計らいにより、公爵邸のメイド達の一部とジャンヌたちを入れ替えてみたらどうかという提案が起こり、カルバニアに転属された。
- 後にエキューの傍若無人ぶりに愛想を尽かして反省しているのでバスクに戻してほしいと、たまにアンヌ夫人に懇願しているが、都会の水に洗われ、年が経つごとに痩せて美しくなるジャンヌをアンヌはバスクに戻すつもりはないらしい。もちろん善意によるもので過去に受けたイジメを根に持っているわけではない。
ホルグ領関連
- ニコール・ホルグ
- 領主である夫のスチュアート亡き後、ホルグを統治している未亡人。才色兼備で有能。元々、ホルグの直系はニコールで、一人娘だったためスチュアートの方が婿入りしてきた。領地であるホルグは中央からは遠く、白鳥の餌付けをするなどして若い女性向けの観光事業に力を入れている。フラン・バスクとの再婚話が持ち上がったことがあるが、ニコールらホルグ側は娘のケイトリンへの縁談だと思っていたようだ。
- ケイトリン・ホルグ
- ニコールの一人娘。ニコールはケイトリンをホルグの跡取りにと考えているが、ケイトリンは普通に結婚して嫁入りすることを夢見ている。
- スチュアート・ホルグ
- 故人。遠縁だったニコールと結婚してホルグの領主となるが、街生まれ街育ちのスチュアートにとって、ホルグは退屈な田舎であり、酒や女遊びに溺れた挙句、愛人宅で情事の最中に火事に遭い、愛人と一緒に事故死する。
その他
- ロプス・ダゴル
- 宮廷デザイナー。タニアやエキュー達のドレスを製作しており、この世界では「ロプス」は超高級ブランドらしい。エキューにとっては親しい友人でもある。大柄で恰幅の良い体格だが、見た目を裏切り酒と暴力に弱い。
- フランシーヌ・チュニック
- 宮廷女官の一人でロプスの助手。センスが良い。フルネームはアン・ペシュカ・フランシーヌ・チュニック。
- イサドラ
- ロプスの助手。以前はカッチャン伯爵家のメイドで、ロプスの名を騙り、伯爵令嬢にとんでもないドレスを作っていた。
- プラプープ・カッチャン伯爵令嬢
- 裕福なカッチャン伯爵家の一人娘。ミーハーでブランド物が大好き。見た目は少女に見えるが、実はエキューよりずっと年上。余談だが、その容姿は頭身が高い方の作者自画像とよく似ている。
- ダゴル長官
- ロプスの父親。無骨な外見に似合わず、血が苦手で甘い物好き。エキューとは度々衝突するが、お互いの役割を理解している。
- 大柄で怖そうな外見とは裏腹に暴力を嫌う。彼曰く、ダゴル一族は暴力を嫌い、平和を愛する一族であり、華奢な外見で平気で暴力を振るうエキューとは対照的である。熊に近い体格を持つ長官が本気で暴れたらエキューが暴れた時の比ではないくらい、損害が著しくなる(正確に言えば店が破壊されて営業できなくなる)ので店の中で騒動が起きたときは警備兵を呼ぶなど常識的かつ模範的な行動にでるが、そこまで頭の回らない無知で浅はかな酒場の給仕女達には男のくせに、とかでかい図体しているくせに情けないと陰口を叩かれていた。
- アナベル・サラザン・ホーリー
- ライアンとは遠縁で、髪の色がライアンとよく似た美女。エキューに憧れと恋心を持っており、ライアンとは犬猿の仲。エキューが原因で婚約を解消しており、エキュー本人もそれに少々責任を感じている。家柄は良いが貧乏のため、成金の息子と結婚しようとしていたが、実は借金だらけだったため、その結婚も取りやめとなる。その後、媚びない姿勢がナジャルに気に入られ、ナジャルに召抱えられることとなる。
- ハイゼン侯爵
- ゴルゴン織りの工場を領地にいくつか所有している。イギリス紳士のような堅物で、男尊女卑。リアンダのことは愛していた。その息子であるフランの将来も気にかけている。
- リンデル・ハイゼン
- ハイゼン侯爵家末娘(四女)。父親の意向と家業の関係から常にゴルゴン織りの白い服しか着られないのが不満。ユニークな感性の持ち主で、プラプープ・カッチャン伯爵令嬢に憧れている。父の愛人であるリアンダとは仲が良かった。
パーマー王国の人々
- コンラッド・パーマー
- パーマー王国第一王子。次期国王として、また外交の要として英才教育を受けてきたため常に冷静沈着な人物だったが、宮廷婦人としては型破りなところのあるタニアに恋をしてしまう。恋愛の機微には疎いものの、タニアへの恋を単なる一時の熱情としてではなく、社会的・立場的に成就し得るものとして熟考している。そのため、常にタニアの側にいて、夫候補と噂されるライアンに対しては密かにライバル心を持っている。
- トランス・パーマー
- パーマー王国の現国王。プライドが高く、カルバニアに派遣する使者も相手国への見栄や対抗心を主眼にして選ぶ傾向がある。実は駄菓子やジャンクフードといった「下々の珍味」が大好物で、しばしばお忍びで食事に行く。
- ミネルバ・パーマー
- パーマー国王の妹でコンラッドの叔母。あだ名は「黒衣のミネルバ」。4度結婚し全て死に別れている。明るく聡明な性格だが、男性の美的感覚が独特で、一般的にハンサムなコンラッドを彼女は不細工だと思っている。
- ソルダム・パーマー
- パーマー王国第二王子。兄と違い女性関係が派手で、今までに47人の恋人がいたが、皆本気では無かった。タニアに憧れ、48番目に告白するも振られている。
- フレイア・パーマー
- パーマー国第三皇女。領地内にダイヤモンド鉱山がある辺境国へ輿入れした。
- カリン・パーマー
- パーマー国第四皇女。絹糸のようなブロンドと大きなぶどう色の瞳を持つ美少女。兄のコンラッドを敬愛している。カルバニアのことが書かれた本に載っていたエキューの絵を見て男性だと思い、ほのかな恋心を抱くが、後にシルヴァーナ・クルタンからエキューが女性であることを聞かされ、その初恋(らしきもの)は終わった。
- シルヴァーナ・クルタン
- パーマー国の伯爵令嬢。タニアの美貌が自慢のカルバニア国民に対する牽制として、パーマー国王が記念式典に国使として遣わせた、パーマー国一の美女。
単行本
2012年8月現在、単行本は14巻まで刊行されている。
- 1995年7月25日刊行、ISBN 4199600027
- 1996年9月25日刊行、ISBN 4199600272
- 1997年11月25日刊行、ISBN 4199600523
- 1998年11月25日刊行、ISBN 4199600833
- 2000年2月25日刊行、ISBN 419960118X
- 2001年5月25日刊行、ISBN 4199601554
- 2002年10月1日刊行、ISBN 4199601961
- 2003年10月1日刊行、ISBN 4199602291
- 2005年2月1日刊行、ISBN 4199602704
- 2006年2月1日刊行、ISBN 4199603050
- 2007年10月1日刊行、ISBN 9784199603532
- 2009年12月1日刊行、ISBN 9784199604195
- 2010年10月25日刊行、ISBN 9784199604560
- 2012年8月25日刊行、ISBN 9784199605239
脚注
- ^ 『Noel』での第一作『プリンセス・トーキング』はカルバニアの隣国パーマー王国のおそらくはカルバニア物語の時代より過去を舞台にした作品だったため、単行本1巻に読切作品として収録されている。