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[[ファイル:Gerson-Kupala.jpg|thumb|「クパーラ」[[ヴォイチェフ・ゲルソン]]、1892]]
'''クパーラ'''とは、スラヴ神話の[[神格]]の一つで、「歓喜」を象徴する。
'''クパーラ'''(ロシア語:Купала, ウクライナ語:Купало, ポーランド語:Kupała)とは、スラヴ神話の[[神格]]の一つで、「歓喜」を象徴する。


== 語源 ==
== 語源 ==

2012年7月6日 (金) 10:01時点における版

「クパーラ」ヴォイチェフ・ゲルソン、1892

クパーラ(ロシア語:Купала, ウクライナ語:Купало, ポーランド語:Kupała)とは、スラヴ神話の神格の一つで、「歓喜」を象徴する。

語源

水浴するという意味の動詞「クパーチ」に由来する。6月に催されるクパーラ崇拝の祭りで、人々は河で水浴びをし、露で身体を洗ったという。

信仰

クパーラの信仰はかなり広範囲に及ぶ。古代のスラヴには水を崇拝する風習が根強くあり、聖なる泉に生贄を捧げたり、水に赦しを請う儀式などが行われてきた。クパーラの祭りは6月に催され、人々は沐浴し、花冠を水中に投じるなどしてクパーラへの信仰を表現した。祭りの聖夜には神聖な火が焚かれ、それには災厄を浄化する効能があった。火の回りには花冠を頭に飾った若い娘達が集って踊り、ホロヴォージェと呼ばれる踊りの輪を形成した。クパーラの信仰は、水への信仰のみならず、火への信仰とも密接に結びついていた。

クパーラの偶像

発見、出土したクパーラの偶像は、女性の服を纏い、リボンや首飾りなどの女性的な装身具を身に付けている。多くは藁を素材とし、木製の腕をつけている。

儀式の間、偶像は一本の「聖木」の下にずっと置かれる。聖木の前で、人々はニワトリを生贄として捧げる。「聖木」には白樺を用いることが多く、一度切り倒した上で再び地面に固定するという特徴がある。儀式が終わった夜、偶像は水中に沈められるか、火で燃やされるかして処分される。聖木を調達し、固定する作業は女性のみの手で行われた。男性が聖木に接触する事は御法度となっていた。

参考文献

  • フェリックス・ギラン編、小海永二訳「ロシアの神話」(青土社)