「サムワイズ・ギャムジー」の版間の差分

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2012年3月8日 (木) 07:22時点における版

サムワイズ・ギャムジーSamwise Gamgee第三紀2980年 -)、のちの庭師家のサムワイズSamwise Gardner)、通称サムは、J・R・R・トールキン中つ国を舞台とした小説『指輪物語』の登場人物。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


概要

指輪の仲間」の一人で、主人公フロド・バギンズに仕えるホビットの庭師。好奇心旺盛で素朴な性格で、際立って勇敢なわけでも、また優れた能力を持っていたわけでもないが、作中では最も活躍した一人である。

父はハム・ギャムジー。母は子善家のベル。妻はローズ・コトン。美しのエラノールをかしらに七男六女を得た。

主人を心から敬愛し、フロドの指輪を滅ぼす旅では常にフロドにつき従い、フロドを支えた。

作中での描写

ホビット庄でも屈指のジャガイモ栽培の権威として知られたハムファスト・ギャムジーの末子として生まれる。元々の住所はホビット庄西四が一の庄・ホビット村の袋枝路3番地だが、指輪を廃棄する冒険行の後に主人であるフロドの袋小路屋敷を譲り受けた。父譲りの園芸の技術を持ち、また野外料理も得意で、指輪に関わる冒険行では常に調理器具を携行していた。ただこれら彼愛用の調理器具はサム自らの手によってモルドールに無数に走る亀裂の一つに捨てられた。

ほんの僅かな間ではあったが一つの指輪を所持していたことがあり、極めて平均的なホビットながらも、長くその名を語り継がれる事と成る。

ホビット庄に帰還の後に、彼は幼馴染のロージー・コトンと結婚し、長女のエラノールを始めとして13人の子をもうけた。またフロドより譲り受けた赤表紙本の最後の章をしたためたのも彼とされる。

フロドが西の海へと去った後、ホビット庄の庄長を7期の長きにわたって勤め平和を守るが、妻の死後、中つ国に残った最後の指輪所持者として、フロドを追って西の海の果て、神々の住む国へと船出したといわれている。

人物として

彼の名「サムワイズ」だが、「幅広い親指」の意味を含む。親指は人間のを他の動物と決定的に違うものとさせる機能を持っており、この指は生まれて育った環境によって、あるいは担っている仕事によって様々に変化する。力仕事をする者の親指は太く、細工物を作る職人の指には道具によってたこが出来、そして手を使って根気良く働く者の親指は幅広くなる。このため彼の名は、器用で真面目な庭師としての性格付けを表しているものだろう。

主人のためなら火の中水の中という性格ではあるが、その主人の秘密に鼻先を突っ込んでしまう一面もある。彼の活動により、秘密裏に行われるはずだったフロドの出発はペレグリン・トゥックメリアドク・ブランディバックらの知るところとなり、これによっていよいよ出発を秘密にできなくなってしまった。しかしこれが怪我の功名となり、フレデガー・ボルジャーの偽装工作ではモルドールからの追っ手を騙すことにも繋がった。

いわゆる「ホビット」らしいホビットである反面、ビルボやフロドなどエルフに親交のある人物を非常に尊敬し、未知なものにも興味を覚える方である。また決して頭が切れるわけではないが、物事の本質を見抜く目を持っていると思われる。